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番外編 私は私らしく
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鏡に映った私はいつもの私とは違う。
制服でも、ドレスでもない私。
いつもは下ろしている長い髪も、邪魔にならないように編み込んで結い上げられている。
メイクも薄く控えめだ。
冒険者用のワンピースは、シンプルだけど可愛らしい刺繍が袖と裾にあしらわれているし、冒険者用のブーツもお洒落なデザインだ。
ローブも、ワンピースとお揃いの可愛らしい花が刺繍されている。
アクセサリーは、ミディ姉がイメージモデルをしている紅薔薇姫ブランドの新作をつけてもらった。
「ミルティーヌ様!
どうですか?
少し歩いてみて下さい、違和感はないですか?」
「大丈夫よ。
私の足にピッタリだわ」
ブーツもどうやら、ゼルダのブランドのものらしい。
「どこから見ても冒険者ですわね!
新人には見えませんねぇ。
ミディ様達が帰ってくるまで、お茶でも飲んでゆっくりなさって下さいな」
「ありがとう、ゼルダ」
まだ、何もしていないのに疲れたような気がする!と試着疲れ気味なミルティーヌはお茶を飲むのだった。
「ミルティーヌ様に1番似合う物をお選びしようとついつい熱が入ってしまいました!
ミルティーヌ様!
私、新人冒険者用にリーズナブルな新ブランド立ち上げたくなりましたわ!
今までは、ミディ様に似合う物しか作っていなかったのです。
これからは、若い方が安心して購入出来る価格帯で色々作りますよ!
ミルティーヌ様がモデルになってくれたら助かります!」
「ゼルダの作るお洋服もアクセサリーも素敵ね。
私…学園でのあだ名が野薔薇姫なのよね。
侯爵家の娘の割に、庶民的で気取らない令嬢って言われてるみたいで…」
ミルティーヌはため息をつく。
どうやら、野薔薇姫というあだ名がお気に召さないらしい。
「ミルティーヌ様!
それではブランド名はワイルドローズにしましょう。
ミルティーヌ様に似合う濃いピンクをイメージカラーにして野性味と可愛らしさを持つ野薔薇モチーフをトレードマークにしましょう!
普段着用のデイドレスとワンピースも作らないと!
忙しくなるわぁ」
ゼルダは根っからのデザイナーであり、商売人なのだ。
野薔薇姫と言われるのが気に食わなかったミルティーヌだが、ゼルダが野性味と可愛らしさを持っていると野薔薇について語ってくれたのを聞いて、
捉え方が変わればあだ名で呼ばれても嫌な感じしない!
これからは、野薔薇姫って呼ばれても最高の笑顔で笑えるわ!と前向きな気持ちになるのだった。
私はどこまで行っても、私なんだから!
私らしさを追求しなきゃ!
「ねぇ、ゼルダ。
私に野薔薇姫ブランドのアクセサリーのデザインさせて!」
ミルティーヌが胸に抱えていた憂いがひとつ晴れたようです。
制服でも、ドレスでもない私。
いつもは下ろしている長い髪も、邪魔にならないように編み込んで結い上げられている。
メイクも薄く控えめだ。
冒険者用のワンピースは、シンプルだけど可愛らしい刺繍が袖と裾にあしらわれているし、冒険者用のブーツもお洒落なデザインだ。
ローブも、ワンピースとお揃いの可愛らしい花が刺繍されている。
アクセサリーは、ミディ姉がイメージモデルをしている紅薔薇姫ブランドの新作をつけてもらった。
「ミルティーヌ様!
どうですか?
少し歩いてみて下さい、違和感はないですか?」
「大丈夫よ。
私の足にピッタリだわ」
ブーツもどうやら、ゼルダのブランドのものらしい。
「どこから見ても冒険者ですわね!
新人には見えませんねぇ。
ミディ様達が帰ってくるまで、お茶でも飲んでゆっくりなさって下さいな」
「ありがとう、ゼルダ」
まだ、何もしていないのに疲れたような気がする!と試着疲れ気味なミルティーヌはお茶を飲むのだった。
「ミルティーヌ様に1番似合う物をお選びしようとついつい熱が入ってしまいました!
ミルティーヌ様!
私、新人冒険者用にリーズナブルな新ブランド立ち上げたくなりましたわ!
今までは、ミディ様に似合う物しか作っていなかったのです。
これからは、若い方が安心して購入出来る価格帯で色々作りますよ!
ミルティーヌ様がモデルになってくれたら助かります!」
「ゼルダの作るお洋服もアクセサリーも素敵ね。
私…学園でのあだ名が野薔薇姫なのよね。
侯爵家の娘の割に、庶民的で気取らない令嬢って言われてるみたいで…」
ミルティーヌはため息をつく。
どうやら、野薔薇姫というあだ名がお気に召さないらしい。
「ミルティーヌ様!
それではブランド名はワイルドローズにしましょう。
ミルティーヌ様に似合う濃いピンクをイメージカラーにして野性味と可愛らしさを持つ野薔薇モチーフをトレードマークにしましょう!
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私らしさを追求しなきゃ!
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