【完結】婚約破棄され国外追放された姫は隣国で最強冒険者になる

番外編 大好きなお姉ちゃま

私はもうすぐ学園に入って花嫁修業を始めるのだ。

つまらな過ぎる。

婚約者の事が嫌いなわけじゃないけど、結婚して子供を産んで育てるだけなんて… 

今の私には退屈な事だとしか思えないのだ。

そうだ！

学園に入らなければいいんだわ！

考えなしの私は学園が始まる前に家出する事にしたのだ。

家出先に選んだのは、大好きないとこであるミディ姉のところなんだけどね。

私は、しばらく社会見学の旅に出ます！探さないで！と書き置きをして、ミディ姉のいるジュビアへ旅立つのだった。

ジュビアで冒険者登録して私もミディ姉みたいに冒険者になろうかな？

冒険者登録って何歳から出来るんだったかなぁ？

私、魔法は使えるけど戦った事ないから大丈夫かな？

◇◇◇◇◇

夢見る乙女ミルティーヌは、アーライの王族の血を引く娘で春から魔法学園の淑女科に通う事になっているのだが、その前にちょっと自分探しの旅に出る事にしたのだ。

一応、シャルルにも手紙を書いた方がよいかしらね？

レターバードを使うと直ぐ届いちゃうから、明日出せばいいわね。

文面は…そうね。

学園が始まるまで、別荘に行くのでしばらく会えませんが元気にしていて下さい。

これじゃだめかしら？

◇◇◇◇◇

幼なじみである婚約者には、一応手紙を出しておく事にしたようだが…

家族への書き置きが社会見学の旅とは…

雑すぎる…

ミルティーヌは見た目は完璧な美少女なのだが、中身はざっくりで適当なのだ。

専属侍女のユリアからいつも口煩く、公爵令嬢らしくして下さい！

もっと品のあるお話の仕方を！だとか、笑い方が豪快すぎます！とか叱られてばかりなのだ。

それなのに、花嫁修行の為に淑女科に入れるなんて…

お父様ったら！

私は騎士科に入りたかったのに…

小さい時に、剣の使い方を教えてくれたのはお父様なのに、お母様から言われたからって私を無理やり淑女科に入れるなんてあんまりよ！

私だって、自分の将来について色々考えたいのに勝手に決めるなんて…ヒドイと思うの。

淑女科に行っても仲のいい子もいないし…

お先真っ暗なんだもの…

毎日、婚約者の自慢や自分の家の自慢大会をしてるような馬鹿女達の中に入りたくないわ。
 
王太子妃と聖女になるのを拒否して、冒険者になったミディ姉ならきっと私の気持ちわかってくれるはずよね？

こうやって、自分の中で勝手に計画を立てたミルティーヌは家出を決行するのであった。