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閑話◇ゼルダ奮闘する
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パミラは朝からゼルダ達の着せ替え人形になっている。
それというのも、午後からジュビアの王宮で王族内での守り神様の番お披露目会が開かれるからなのだ。
人化したパミラは早朝からお風呂でピカピカに磨かれた後は、アロママッサージを受け半分眠りながらメイクされているところである。
一緒に行く事になっているミディもパミラ同様、お風呂からのフルコースでグッタリしている。
全身マッサージを受けながら豪快にイビキをかいているミディを見て侍女達は大笑いだ。
ゼルダはため息をつきながら、
「うちのお嬢様方は、磨けば素晴らしく輝く宝石ですのに…中々、磨かせてくれなくて困りますわ!
ミディ様と来たらルファード家の紅薔薇と呼ばれていましたのに…
今ではジュビアで最強の女冒険者になってしまわれて…
私…アイリス様に顔向け出来ません…」
などと嘆いている。
「ゼルダ!大丈夫よ?
アイリスもラテルと冒険者していた頃はミディと変わらなかったから!
結婚してザイラスが生まれてからアイリスは変わったの。
ミディも、子供が出来たらきっと淑女らしくなるはずだよ?」
パミラからの慰めの言葉にゼルダは涙ぐみながら…
「そうですよね!
ミディ様は、神王妃教育を受けていた時はアーライの貴族令嬢の鏡と言われた淑女ぶりでしたもの…
猫を被れば素晴らしい淑女として振る舞えますからね…
地はアレですけど…」
未だに豪快なイビキをかいて爆睡しているミディを横目にため息しか出ないゼルダだった。
「ゼルたん!
ミディは、昨夜緊急クエストがあったから寝てないの。
だから、もう少し寝かせてあげて!
起きたら多分アーライが誇る紅薔薇姫に化けるはずだよ?」
「パミラ様…
そうですね。
お嬢様は、私達が平和に暮らせるように暗部のお仕事をされているのですもの!
仕方ありませんわ!
このゼルダ!
これからも全力でミディ様とパミラ様を素敵な淑女として磨かせて頂きますからね?
覚悟なされて!」
「ゼルたん!
頼もしい限りだよ。
私、今日はツインテールにして純白のドレスを着たいなぁ」
「かしこまりました!
アクセサリーは、ミディ様とお揃いのルビーの紅薔薇シリーズにしておきますね!
さぁさぁ、髪を結いますからね。
メイクはあまり濃くしないでおきますね。
黒の王のお好みがわからないので、ナチュラルな感じに仕上げますよ。
黒の王の好みが分かりましたらゼルダに教えて下さいね」
「ミディとお揃いのアクセサリー嬉しい!
ゼルダの新作?
私にはちょっと大人過ぎないかな?」
「パミラ様!
少し大人っぽいかもしれませんが、黒の王がパミラ様よりも年上でいらっしゃいますから…
大人っぽい雰囲気もよいかと…
メイクの色味も少し紅を足しましょう。
どうです?
一気に大人の魅力ではないですか?」
「凄い!
ゼルたんはメイクの魔法が使えるんだね!
私…大人だ!
母様みたい!!
今の私を見たら父様が泣いちゃうかも…」
鏡に映るパミラの姿は今は亡き母に生き写しであった。
正装したパミラを見たら先代の守り神様は号泣するかも?とゼルダは自分のメイクの腕に自信を持つのであった。
ゼルダは魔力量は多くないのだが、女性を美しくする魔法の手を持っているメイクアップアーティストであり、女性を美しく見せる魔法の服を生み出すデザイナーなのである。
それというのも、午後からジュビアの王宮で王族内での守り神様の番お披露目会が開かれるからなのだ。
人化したパミラは早朝からお風呂でピカピカに磨かれた後は、アロママッサージを受け半分眠りながらメイクされているところである。
一緒に行く事になっているミディもパミラ同様、お風呂からのフルコースでグッタリしている。
全身マッサージを受けながら豪快にイビキをかいているミディを見て侍女達は大笑いだ。
ゼルダはため息をつきながら、
「うちのお嬢様方は、磨けば素晴らしく輝く宝石ですのに…中々、磨かせてくれなくて困りますわ!
ミディ様と来たらルファード家の紅薔薇と呼ばれていましたのに…
今ではジュビアで最強の女冒険者になってしまわれて…
私…アイリス様に顔向け出来ません…」
などと嘆いている。
「ゼルダ!大丈夫よ?
アイリスもラテルと冒険者していた頃はミディと変わらなかったから!
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ミディも、子供が出来たらきっと淑女らしくなるはずだよ?」
パミラからの慰めの言葉にゼルダは涙ぐみながら…
「そうですよね!
ミディ様は、神王妃教育を受けていた時はアーライの貴族令嬢の鏡と言われた淑女ぶりでしたもの…
猫を被れば素晴らしい淑女として振る舞えますからね…
地はアレですけど…」
未だに豪快なイビキをかいて爆睡しているミディを横目にため息しか出ないゼルダだった。
「ゼルたん!
ミディは、昨夜緊急クエストがあったから寝てないの。
だから、もう少し寝かせてあげて!
起きたら多分アーライが誇る紅薔薇姫に化けるはずだよ?」
「パミラ様…
そうですね。
お嬢様は、私達が平和に暮らせるように暗部のお仕事をされているのですもの!
仕方ありませんわ!
このゼルダ!
これからも全力でミディ様とパミラ様を素敵な淑女として磨かせて頂きますからね?
覚悟なされて!」
「ゼルたん!
頼もしい限りだよ。
私、今日はツインテールにして純白のドレスを着たいなぁ」
「かしこまりました!
アクセサリーは、ミディ様とお揃いのルビーの紅薔薇シリーズにしておきますね!
さぁさぁ、髪を結いますからね。
メイクはあまり濃くしないでおきますね。
黒の王のお好みがわからないので、ナチュラルな感じに仕上げますよ。
黒の王の好みが分かりましたらゼルダに教えて下さいね」
「ミディとお揃いのアクセサリー嬉しい!
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「パミラ様!
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