喫茶 花時計

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「ハァーッ。コレはやばい！

鼻血もんだわ…

ルルーシュの新曲最高なんだわ」


「グフッ…

今何て言ったの、真菜？」


「んっ？

だからぁ…ルルーシュの新曲が最高に鼻血もんだって言ってんの！

えっ？

もえ、アンタまさか…

ルルーシュ知らないとか言わないよね？」


「真菜…

残念ながら、そのまさかなんだわ…

ルルーシュってバンド？」


「そこからか…

あんたのスマホに今動画送ったから見なさいよ。

今描いてる私の新作を生み出す為に、ルルーシュの曲ずっと聴いてるんだから…

カイトとトーマが尊いのよ」


趣味が高じてBL漫画家になった真菜は、萌の腐女子仲間なのだ。


中高生時代は、もえも真菜にお願いされてBL漫画の原作を書いていたものだ。


そんなもえも、趣味で書いていたファンタジー小説が書籍化されたり、漫画化されたりと今では名の知れたラノベ作家になっている。


今日は、修羅場が終わって暇だから遊びに来てくれと言われて真菜の自宅にお邪魔したのだが…


徹夜明けのハイテンションな真菜の扱いに疲れたアシスタント達は、もえに真菜を任せて逃げるように帰って行った。


住み込みでメシスタントをしている歩美だけは、修羅場明けで荒れた部屋の掃除を終えるとルルーシュへの愛溢れるマシンガントークが止まらない真菜にお風呂に入るように促してくれた。


「もえさん、お疲れ様です。

真菜先生ちょっと疲れがたまり過ぎておかしくなってるんですよ。

お風呂から上がってきたらマッサージしますから爆睡すると思うんで寝たら帰って頂いていいですよ」


「歩美ちゃん、ありがとう。

真菜をしつけられるのはあなただけみたいね。

アシスタント歴が長い子もいるけど、修羅場明けの真菜のテンションに付き合える子は中々いないのよ…

コレ、みんなで食べてね。

真菜が好きなチーズケーキ買ってきたの。

あとは…

頼まれてた資料なんだけど、確認してくれるかな？」


もえが歩美に渡したのは…


「わぁ…

これってMeteorのインディーズ時代の音源とファンクラブの会報じゃないですか。

いいなぁ…

これオークション出したらヤバい値段つきますよ？

真菜先生に貸し出していいんですか？」


「大丈夫よ。

これ貸し出し用だからね。

真菜は昔はヴィジュアル系には興味なかったのに最近好きになってきたみたいで…

何でも推しがmeteorをリスペクトしてるらしくて」


「そうなんですよ。

最近人気のルルーシュのヴォーカルのカイトがmeteorをリスペクトしてるって聴いて興味が出たみたいですよ。

私もmeteorの会場限定の幻の音源聴きたかったので聴かせてもらっていいですか？」


「勿論だよ。

meteorの事、気になってくれるとか嬉しいから是非聴いて！

活休してるバンドって、忘れられちゃうからね。

新しい人が聴いてくれるの本当に嬉しいの。

歩美ちゃんが気に入ったら、meteorのアルバム順番に聴かせるから覚悟しといて！」


「もう沼にハマる覚悟してます！

ルルーシュもいいんで、聴いてくださいよ。

ルーシュは、言葉では簡単に伝えられない位に最高なんですっ」


「そうなんだね。

歩美ちゃんの熱意は伝わってきたわ。

それにしても、真菜お風呂長くない？」


「確かに長いですね。

寝落ちしてたらヤバいんで見てきます」


「入浴中に溺死はヤバいから私も行くわ」


推しの話に夢中になっていて2人に忘れられていた真菜は…


半身浴しながら寝落ちしていた。


ふたりがかりで抱えられて、移動させられても爆睡したままの真菜先生…


よっぽどお疲れだったんですね。