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第3章

魔界ツアーに行きたいヒルダ様…

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ラハルト様達が無事に帰ってきたと報告があり、離宮から慌ててマリッサとジュリアーノ様と王宮へ帰ってきました。

「ラハルト様!お帰りなさい!私…一緒にオヤツを食べようと思って執務室へお邪魔したら…誰もいなくて…

かくれんぼするなら、私とマリッサもまぜて欲しかったのですわ」

いきなり天然発言をぶちかますヒルダを可愛いなうちの嫁…と思いながら拗ねて頬をふくらませるヒルダをなだめるラハルト。

「ゴメンね…実はフロリアン王のイタズラで私達はちょっと魔界に強制転移させられてたんだよ?」

衝撃の発言をするラハルト…

「えっ?

ラハルト様達…魔界探検ツアーに行くなんて…聞いておりません!私も魔界に行きたいです!

フロリアン王様は元魔王様でしょ?

娘様が新しい魔王様って聞いてますよ?

きっと美しい魔王様なのでしょうね…」

ヒルダは、元魔王妃であるメリーアンとはレース編み同好会仲間なのだ。

ヒルダが作ったレース編みの肩掛けをシャロン様がメリーアン様に自慢したらしい…

そこからレース編み同好会が始まったとか…

フロリアン王国ではカカオの栽培が盛んで美味しいチョコレートも沢山作られているので、ヒルダは定期的にチョコレートの美味しいお店をメリーアン様から聞いて取り寄せているようだ。

ラハルトが知らないうちに…

女性達は魔族と人間の垣根を越えて…

仲良くなっていたらしい。

「ヒルダ…いつのまにメリーアン様と仲良しに?」  

「お母様からの紹介ですのよ。私の作るレース編みの作品がお好きで注文を頂いておりますのよ」

「知らなかったよ…

君は本当に大変な方から好かれるんだね…」

「そうですかね?ラハルト様…私の焼いたクッキーお食べになりますか?」

「勿論だとも…美味しいお茶を入れてもらわないと…」

ふたりはやはり甘々のようです…

甘々なふたりの後ろで…

帰るタイミングを失ったジルが苦笑していますよ?

ラハルト様…

そろそろジルをヒルダに紹介してもよいのでは?

ジルの存在をスッカリ忘れているラハルト様…

後ろから殺気を当てられておりますが?

全く気にしていないようです!

ラハルトめ…

もう呼ばれても来ないからな!

存在を無視されているジルはいじけてしまいました…

ザイラスからあれがふたりの通常運転だよ?と聞かされて諦めてザイラスと世間話をするジルなのです。

ラハルトはスッカリ忘れてますけど…





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