【完結】追放された聖女は隣国で…神王に愛され求婚される

まゆら

文字の大きさ
上 下
108 / 153
第3章

いなくなったお姫様の行方

しおりを挟む
カタレナの皇帝とラハルト様から聞いたところによると…

ラハルト様と婚約するはずだった姫は、婚約発表前に忽然と姿を消したんだとか。

留学の為、カタレナに来ていた隣国の王子も同時期に行方不明になった事と…

留学先である魔法学園で王子が姫に言い寄っているのを見たという目撃情報が多数あった事、姫が行方不明になる前日に姫と王子がふたりで話していた事から

ふたりが駆け落ちした事になっていたのだが…

つい先日、王子が隣国に帰っているとの情報が入った事から…

どうやら、姫は隣国の王子と駆け落ちしたわけではないという話になり、

誘拐にしても金銭の要求も何もないので…

姫はひとりで出奔したのではないかという話になったようだ。

アーライ神との婚約を破棄する結果になったのだから、アーライにいるわけがないという裏をかいてアーライに潜んでいる可能性があると考えたらしい。

でも…

世間知らずの深窓の姫君がひとりでアーライで暮らせるわけもないし…

協力者がいるに違いない!と兄である皇帝は、ラハルト様に協力を依頼したのだ。

ラハルト様と姫との婚約を願っていたあの方が…

姫を匿っているのではないかと?

◇◇◇◇◇

姫が無事でいてくれて、何不自由なく暮らしているのであれば…

自分は何も介入するつもりはない!

アーライであれ、違う国であれ、幸せに暮らしているならばそれでよいと思っている!と言い切った皇帝様は…

潔い方だな…と思いました。

行方不明になったお姫様には、何かヒトに言えない事情があったのかな?

今は何処にいるんだろ?

私はある事を思いついたので、質問してみる事にした!

「姫様は魔法は使われますか?

何か特殊な属性を持っているとか…

その属性を利用する為に拐われた可能性はないのでしょうか?」


◇◇◇◇

「妹は…聖属性だ!聖魔法以外は使えないと聞いているが…定かではないな」

「やはり…」

「どうした?ヒルダ?何かわかったのか?」

「ラハルト様と姫様の結婚を望まれたのは聖女様ですよね?

それなら…彼女がいる場所は神殿か、教会でしょう。

絶対にいるはずがないと思われる場所に…聖女見習いもしくは、巫女として紛れ込んでいるはず…」

「「…えっ?」」

「聖女を隠すなら聖女がいる場所に隠すのが1番目立ちませんわ!

あの方からの推薦で大神殿に住み込みをしている聖女見習いを探して下さい。

髪や瞳の色は、魔法か魔道具で変えているはずですから…

見ただけではダメです!

声を聞けばわかりますよ。

声までは、変えていないはずですから…」

ヒルダは私って名探偵でしょ?とばかりに、ラハルトにウインクして見せた。

「我が婚約者様の名推理となるか、どうかだな…

姫の声を知っている者を大神殿に派遣しろ!直ぐにな?」

しばらくして…

カタレナの姫君が見つかったと影の者から報告があった。

皇帝様は…

「アーライの大神殿にいるなら安心だ!

良かった…無事ならそれでいいんだ…

私は国に帰るよ。

ラハルト…妹を宜しく頼むよ。

落ち着いたら…会いに行ってみるよ。

ラハルトと妹が結婚してくれたら安心だと思って婚約させたんだが…

妹には荷が重かったみたいだな。

聖女として生きたいなら、それでも良かったのだが…」 

皇帝様は寂しそうに呟いた。

妹想いのお兄様なんだろう。

気持ちがきちんと伝わらないとスレ違ってしまうから…

コミュニケーションって難しいね! 

私も…

ラハルト様と誤解がないようにいつでも話し合いたいな。

カタレナの宝石って言われてる姫気になるから大神殿に見に行こうかな?

どんな方なんだろう?

元婚約者さん…


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

~唯一王の成り上がり~ 外れスキル「精霊王」の俺、パーティーを首になった瞬間スキルが開花、Sランク冒険者へと成り上がり、英雄となる

静内燕
ファンタジー
【カクヨムコン最終選考進出】 【複数サイトでランキング入り】 追放された主人公フライがその能力を覚醒させ、成り上がりっていく物語 主人公フライ。 仲間たちがスキルを開花させ、パーティーがSランクまで昇華していく中、彼が与えられたスキルは「精霊王」という伝説上の生き物にしか対象にできない使用用途が限られた外れスキルだった。 フライはダンジョンの案内役や、料理、周囲の加護、荷物持ちなど、あらゆる雑用を喜んでこなしていた。 外れスキルの自分でも、仲間達の役に立てるからと。 しかしその奮闘ぶりは、恵まれたスキルを持つ仲間たちからは認められず、毎日のように不当な扱いを受ける日々。 そしてとうとうダンジョンの中でパーティーからの追放を宣告されてしまう。 「お前みたいなゴミの変わりはいくらでもいる」 最後のクエストのダンジョンの主は、今までと比較にならないほど強く、歯が立たない敵だった。 仲間たちは我先に逃亡、残ったのはフライ一人だけ。 そこでダンジョンの主は告げる、あなたのスキルを待っていた。と──。 そして不遇だったスキルがようやく開花し、最強の冒険者へとのし上がっていく。 一方、裏方で支えていたフライがいなくなったパーティーたちが没落していく物語。 イラスト 卯月凪沙様より

ユニークスキルの名前が禍々しいという理由で国外追放になった侯爵家の嫡男は世界を破壊して創り直します

かにくくり
ファンタジー
エバートン侯爵家の嫡男として生まれたルシフェルトは王国の守護神から【破壊の後の創造】という禍々しい名前のスキルを授かったという理由で王国から危険視され国外追放を言い渡されてしまう。 追放された先は王国と魔界との境にある魔獣の谷。 恐ろしい魔獣が闊歩するこの地に足を踏み入れて無事に帰った者はおらず、事実上の危険分子の排除であった。 それでもルシフェルトはスキル【破壊の後の創造】を駆使して生き延び、その過程で救った魔族の親子に誘われて小さな集落で暮らす事になる。 やがて彼の持つ力に気付いた魔王やエルフ、そして王国の思惑が複雑に絡み大戦乱へと発展していく。 鬱陶しいのでみんなぶっ壊して創り直してやります。 ※小説家になろうにも投稿しています。

追放された令嬢は記憶を失ったまま恋をする……わけにはいかないでしょうか?

ツルカ
恋愛
前世を思い出したら、婚約破棄の現場でした。あれよあれよというまに国外追放。 日本人の記憶しかないまま異世界での放浪生活をはじめたものの、あれ、何の問題もなく毎日楽しい! 拾った傭兵に恋をして、生きることが楽しくて、なのに、令嬢の記憶……思い出さなくちゃ、駄目ですか? 出会った男は訳ありの能力者。私も魔法が使えるみたい。 悪役令嬢であることが思い出せない少女の異世界転生恋愛譚

悪役令嬢の追放エンド………修道院が無いじゃない!(はっ!?ここを楽園にしましょう♪

naturalsoft
ファンタジー
シオン・アクエリアス公爵令嬢は転生者であった。そして、同じく転生者であるヒロインに負けて、北方にある辺境の国内で1番厳しいと呼ばれる修道院へ送られる事となった。 「きぃーーーー!!!!!私は負けておりませんわ!イベントの強制力に負けたのですわ!覚えてらっしゃいーーーー!!!!!」 そして、目的地まで運ばれて着いてみると……… 「はて?修道院がありませんわ?」 why!? えっ、領主が修道院や孤児院が無いのにあると言って、不正に補助金を着服しているって? どこの現代社会でもある不正をしてんのよーーーーー!!!!!! ※ジャンルをファンタジーに変更しました。

[完結]異世界転生したら幼女になったが 速攻で村を追い出された件について ~そしていずれ最強になる幼女~

k33
ファンタジー
初めての小説です..! ある日 主人公 マサヤがトラックに引かれ幼女で異世界転生するのだが その先には 転生者は嫌われていると知る そして別の転生者と出会い この世界はゲームの世界と知る そして、そこから 魔法専門学校に入り Aまで目指すが 果たして上がれるのか!? そして 魔王城には立ち寄った者は一人もいないと別の転生者は言うが 果たして マサヤは 魔王城に入り 魔王を倒し無事に日本に帰れるのか!?

お荷物認定を受けてSSS級PTを追放されました。でも実は俺がいたからSSS級になれていたようです。

幌須 慶治
ファンタジー
S級冒険者PT『疾風の英雄』 電光石火の攻撃で凶悪なモンスターを次々討伐して瞬く間に最上級ランクまで上がった冒険者の夢を体現するPTである。 龍狩りの一閃ゲラートを筆頭に極炎のバーバラ、岩盤砕きガイル、地竜射抜くローラの4人の圧倒的な火力を以って凶悪モンスターを次々と打ち倒していく姿は冒険者どころか庶民の憧れを一身に集めていた。 そんな中で俺、ロイドはただの盾持ち兼荷物運びとして見られている。 盾持ちなのだからと他の4人が動く前に現地で相手の注意を引き、模擬戦の時は2対1での攻撃を受ける。 当然地味な役割なのだから居ても居なくても気にも留められずに居ないものとして扱われる。 今日もそうして地竜を討伐して、俺は1人後処理をしてからギルドに戻る。 ようやく帰り着いた頃には日も沈み酒場で祝杯を挙げる仲間たちに報酬を私に近づいた時にそれは起こる。 ニヤついた目をしたゲラートが言い放つ 「ロイド、お前役にたたなすぎるからクビな!」 全員の目と口が弧を描いたのが見えた。 一応毎日更新目指して、15話位で終わる予定です。 作品紹介に出てる人物、主人公以外重要じゃないのはご愛嬌() 15話で終わる気がしないので終わるまで延長します、脱線多くてごめんなさい 2020/7/26

お妃さま誕生物語

すみれ
ファンタジー
シーリアは公爵令嬢で王太子の婚約者だったが、婚約破棄をされる。それは、シーリアを見染めた商人リヒトール・マクレンジーが裏で糸をひくものだった。リヒトールはシーリアを手に入れるために貴族を没落させ、爵位を得るだけでなく、国さえも手に入れようとする。そしてシーリアもお妃教育で、世界はきれいごとだけではないと知っていた。 小説家になろうサイトで連載していたものを漢字等微修正して公開しております。

パーティーの役立たずとして追放された魔力タンク、世界でただ一人の自動人形『ドール』使いになる

日之影ソラ
ファンタジー
「ラスト、今日でお前はクビだ」 冒険者パーティで魔力タンク兼雑用係をしていたラストは、ある日突然リーダーから追放を宣告されてしまった。追放の理由は戦闘で役に立たないから。戦闘中に『コネクト』スキルで仲間と繋がり、仲間たちに自信の魔力を分け与えていたのだが……。それしかやっていないことを責められ、戦える人間のほうがマシだと仲間たちから言い放たれてしまう。 一人になり途方にくれるラストだったが、そこへ行方不明だった冒険者の祖父から送り物が届いた。贈り物と一緒に入れられた手紙には一言。 「ラストよ。彼女たちはお前の力になってくれる。ドール使いとなり、使い熟してみせよ」 そう記され、大きな木箱の中に入っていたのは綺麗な少女だった。 これは無能と言われた一人の冒険者が、自動人形(ドール)と共に成り上がる物語。 7/25男性向けHOTランキング1位

処理中です...