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第3章

ヒルダの進む道

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ラハルト様の執務室に駆け込んで自分の思いをお伝えしようとしたのですが、

私のあまりの勢いに宰相様と側近の皆様がビックリされていて…

私の後にそっと付き添っていたリンが気を聞かせて

「皆様、そろそろお茶の時間ですわ。ヒルダ様は休憩のお誘いに来たのです!

さぁさぁ、中庭に移動してお茶にしませんか?
 
私の里からちょうど美味しいお茶受けが届きましたから皆様も食べましょ!」

リン…

私に足りないモノを補ってくれてる…

私って猪突猛進なとこあるから、後先考えてないんだよね…

反省しなきゃ!

リンの妹のラムが白うさぎ紅茶を淹れてくれて…

リンが杏の砂糖漬けと料理長の新作であるふわふわチーズケーキを切り分けている。

ラムは侍女見習いとして、侍女頭のメイさんに鍛えられている新人さんだ。

リンよりも長い毛足がふんわりしていて全体的にもっふりしているラムの愛らしさに…

「ラム!抱っこさせて?」とお願いしたら…

ビックリしてリンの後ろに隠れてしまって、リンに私達は愛玩動物ではないですよ?と注意されました…

私…もふもふに飢えてます…

もふもふさせてくれるもふもふ欲しいよ…

話がそれましたが、みんなでのんびりとお茶を楽しんでラハルト様には祈り用の部屋を用意して欲しいと伝えました!

ラハルト様から、王族専用の祈りの間があるよ?

一緒に見てみるかい?と誘われたので後で見に行ってきます。

ふわふわチーズケーキは、口の中で溶けてく美味しさでみんな大満足。

リンの里から送られてきた杏の砂糖漬けも美味しくて、宰相様はリンにお取り寄せはないの?と聞いてました。

リンのおばあちゃんが、杏の砂糖漬け名人らしく、沢山注文が入ってるんだとか…

宰相様は、王宮用に毎度卸してくれないか交渉してみると張り切っていた。

アーライの方々は甘いもの好きが沢山いらして、甘いものにはマジになっちゃう特徴があります!

ラハルト様も先程からお代りしたケーキに杏をトッピングして食べるのに夢中…

何でも難しいお仕事の後には甘味が必要なんですって!

私もお仕事を手伝うようになったら甘味を欲するようになるのかな?

白うさぎ紅茶にたっぷりのミルクとお砂糖を入れてもらって満足そうなラハルト様を見ながら考えていると、

「砂糖入れ過ぎだと思ってる?甘党過ぎる私に引いてるの?

私の可愛い、ヒルダ?」

などと、いきなり甘々モードになったラハルト様に、側近の皆様とリンたちはいないふりを決め込んで静かにしてるから

私はひとり返答に困りモダモダするのでした。

◇◇◇◇◇

ひとりで、考えて悩んだりしないで

これからは、ラハルト様に相談してやって行こうって思います。

とりあえず…

もふもふしていいもふもふが欲しいです。

ぬいぐるみじゃなくて生きてるヤツ。

その位のおねだりはわがままじゃないですよね?

一緒に午後のお祈りをした後にお願いしてみることにしますね。

それでは、皆様ごきげんよう。



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