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第1章

君は薔薇より美しい!?◇ラハルトside

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私の想い人は恐ろしく鈍感でビックリする位に純真無垢で‥

今まで彼女の周りから大切にされて来たのがわかる。

うちのミリアもかなりの箱入り娘だけど‥それより素晴らしいレベル!

箱入り、鍵付き、番犬付きで迂闊に手を出すと戦争になりそうな危険を孕んでいる‥

そんな危険な女性にひとめぼれしてしまった私は愚か者かもしれない。

初めて彼女に会った時、言葉を交わした時の胸のトキメキは‥

少年時代に拗らせた初恋を塗り替えるレベルの衝撃で

彼女に出逢う為に、今まで自分は恋愛から目を背けていたのではないか?と思う程だ。

一緒に手を繋いで薔薇を見ている時の彼女の幸せそうな横顔。

目が合うたびにふんわりと微笑む彼女に‥

心を奪われていた。

一瞬、自分の立場を忘れてこのまま彼女を奪い、誰も知らない場所に連れて行って独り占めしたいとさえ思った。

これまで、彼女に執着してきた男の気持ちを一瞬で理解した。

彼女は‥傾国の乙女に違いない。

隣国であるバラッド王国は、彼女を国外追放し事実上は既に崩壊しているのだから‥

私が今より若く堪え性のないモノだったなら彼女を我が者とし

それが遠因となり、アーライ神国は彼女の父母により滅ぼされたかもしれない。

私が惚れた女性は取り扱いを間違えば最悪の未来を招く傾国の乙女であるのは避けられない事実だ。

彼女を巡る恋愛レースは既に始まっていて、次世代最強魔道師と呼ばれているロラン、次期聖騎士団長シリウス、ラトゥール商会の跡継ぎであるパリスなどが既に名乗りを挙げている。

同居している事と彼女の家庭教師をしているロランはかなり高得点でのスタート。

シリウスは最初がマイナスだった分、普通に接するだけで好感度が上がりやすいのと彼女が出入りする神殿に勤務している事や妹が彼女と仲良くしている事もあり注意が必要だ。

ラトゥール伯の息子パリスに関しては旧知の仲であり、彼女が絶大な信頼を寄せている侍女マリッサの幼なじみである事やクラスメートである事から油断大敵な相手だ!

今のところ、彼女の両親やマリッサ嬢は私に好意的なのでなるべく早くに外堀から埋めていき

学園を卒業同時に嫁に貰うという計画を進行中!

天然人たらしの彼女には笑顔を自重してもらいたいものだと思っているのだが‥

どうしたものか‥

私の遅れてやってきた恋は中々に前途多難である事をは間違いないらしい‥

君に出逢って恋してしまった私は世界で1番幸せな男だと信じてるんだが‥

早く私のところに君が来てくれる事を心から願っているよ。

傾国の乙女であり、白薔薇の聖女ヒルダ‥

君の事を愛し始めてる‥



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