【完結】追放された聖女は隣国で…神王に愛され求婚される

第１章

ラハルト様に会いたいから‥

ラハルト様の手紙の意味を考えていたらどうしてよいのかわからなくなった私はアデル様に教えてもらう事にした。

ラハルト様から頂いたお手紙をアデル様にお見せしてみると‥

「そうね‥いつでもと書いてるけど、これは貴女の都合のよい時間に私の予定を合わせられますから連絡して下さいね！って事になるのよ。

いつでもいいと言われて今からいきなり行くのは勿論ダメだとわかるでしょ？


これはね。

仕事の合間にほんの少しでもよいから貴女に会いたいのでいつでも連絡下さいって意味にも取れるわね。

ラハルト様がヒルダちゃんに伝えたいのは、仕事が忙しくても貴女の為に時間を開けられますから、さみしがらないでね！

貴女の笑顔みたいに可憐な薔薇を一緒に見たいから薔薇が咲いているうちに連絡して下さいね。って事だから、ヒルダちゃんに早く逢いたいって意味になるわね。

ヒルダちゃんは、ラハルト様をどう思っているの？

彼を少しでも好ましいと思うならお返事差し上げないとね」

◇◇◇◇◇

私‥

ラハルト様の事！

好ましいと思っています！

私の魔力暴走を止めてくれた時の冷静な対処、ミリア様の事を話す時の穏やかな表情‥

何といっても、ミリア様と子供みたいに取り合いをしながら必死になってまで

私が作ったお菓子を食べてくれたのを見ていたらとっても幸せな気分になって

これからずっとお菓子を作ってもいいかな？って思ったのです。

こんな感情を殿方に感じたのは生まれて初めてなので‥

どうしたらよいのでしょう？

ミリア様に相談するのは‥ちょっと恥ずかしいんです！

ラハルト様は、ミリア様のお兄様だから‥

◇◇◇◇◇

まずは、ラハルト様にお返事を書かないといけませんね。


こんな感じでどうでしょう？

◈◈この度はお誘い頂き有り難うございます。

学園の休日であれば予定が空いておりますので、

ラハルト様のお時間が空いている時にご一緒出来たらと思います。

薔薇が咲いているうちにお会い出来るのを楽しみにしております。

無難にまとめてみましたけど‥

アデル様にお見せしてOKが出たらよいのだけど‥

◇◇◇

「ヒルダちゃんらしいからよいと思うわ、これでいきましょう」　

アデル様から頂いたレターセットに清書して、宛先を書くと‥

宛先に配達してくれるようになってるんですって！

ルイス様が開発された魔法具なのですが、とっても便利ですね！

私用にと、可愛いらしい模様のレターセットをアデル様が用意してくれました！

これで気軽にみんなと文通が楽しめそうですね。

私‥

ラハルト様からのお返事が来るのを楽しみにしているみたいなのです！

何故なんでしょう？

私は‥ラハルト様をお慕いしているって事！

そう考えると‥

何だか‥

恥ずかしくてどうしようもありません‥

マリッサが神殿から帰ってきたら聞いてもらうつもりです。

ヒルダがひとりで、ドキドキしているみたいなので‥

次回に続く！