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第1章

天然サンしかいないお茶会

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「さぁ、ここよ!ふたりとも入って!」


ミリア様の案内でやってきたのは、こじんまりした可愛らしい内装の部屋だ。

すでにアーライ神様が座っているのが見える。

「ようこそ!我が家へ。私はミリアの兄のリハルトです。」

アーライ神様‥

今日は、あくまでミリア様の兄設定なのかしら?

マリッサは面白い!と思いながらヒルダを見てみたが‥特に反応はなかった。

「初めましてリハルト様。お目にかかれて光栄に存じます。私、ヒルダ・シュタルトと申します。ミリア様とは同じクラスなのです。今日はお招き頂き有り難うございます。」

ヒルダ様‥

ちゃんと挨拶出来てる!良かった‥

「そう固くならないでくれないか?今日はミリアの兄としてだからね」

「そうだよ!ヒルダは私の初めてのお友達なんだからね。お兄様の事はラル兄って呼んだらいいよ?ねっ!ラル兄!」

「ミリア‥今日はご機嫌なんだね?」

「そりゃそうよ。うちに招きたいお友達なんて初めてなんだもの」

ミリア様が可愛いです!

今日はピンクのドレスを着てるんですがとっても似合ってます!

「お兄様!ヒルダ様がお土産に持ってきてくれたお菓子なのよ?見て!美味しそうでしょ?」

「これは‥素晴らしい!早く食べないと!」

どうやらふたりとも甘党のようです。

◇◇◇◇◇

ラハルト様はマロンパイに夢中!

ミリア様はキャラメルチーズタルトをあと1切れ食べるべきか悩んでいるみたい‥

私は今日初めて作ったリーフパイの出来映えに満足しながら、美味しい紅茶を飲んでいる。

マリッサは、ミリア様の侍女のエリーさんと気が合ったみたいで控えの間で一緒にお茶するって‥

マリッサさんも一緒にってミリア様が言ってくれたんだけど‥

マリッサは、エリーさんからミリア様の事を聞いておくからお楽しみに!って言われたから諦めたよ。

ミリア様とお兄様があまりに幸せそうに私と料理長が作ったお菓子を食べるから見てたら幸せになってきたの。

「ねぇ?ヒルダ様!このチョコクッキー普通のクッキーみたいなのに中までチョコのかけらが入っててとろける美味しさなんだけど?」

ミリアは止まらない‥ヤバい!と言いながらクッキーを次から次へと口に入れる。

「ミリア!私の分も残しといてくれよ?このリーフパイもいいぞ!サクサクだ!ずっとサクサクだ!」

ニコニコしながらリーフパイを食べるラハルト様‥

大人の男性なのに何だか可愛らしいと思ってしまいます!

自分が作ったお菓子を嬉しそうに食べてるのを見るのって幸せなんですね。

「ヒルダ様!ごめんなさい!何か食べるのに夢中になってたわ。お詫びに兄をしばらくレンタルするから一緒に薔薇園を散策してきて!」

「ミリア様は行かないの?」

「私はマリッサさんに普段のヒルダさんの事を聞きたいのよ。」

ラハルト様とふたりきり!

これってデートっぽくないですかね?

何だか思わぬ展開になってきたところで‥

次回に続く!




    
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