上 下
2 / 153
第1章

亡命するならこっそりと!

しおりを挟む
次の日の朝。

バラッド王国の神殿はもぬけの殻だったという。

まるで最初から誰もいなかったかのように‥

誰もいない神殿に早朝から沢山の従者を連れてやってきたのは、ヒルダを妻にしようと企んでいたおバカな第二王子だ。

誰もいない神殿で彼は‥

「僕の麗しの君は何処にいる?誰かいないのか?僕を焦らそうと隠れるなんて可愛いじゃないか‥」などと独り呟いていたらしい。

おバカ通り越して病気だよね?

バラッドの王族‥

終わってるな‥

◇◇◇◇

一方、ヒルダたちは無事にアーライ神国のパトリスの妹の屋敷に到着していた。

パトリスの妹であるアデルから熱烈な歓迎を受けてビビるヒルダとマリッサ‥

アデルは可愛い女子に目がないのである。

転移魔方陣から下り立ったヒルダとマリッサに

「いらっしゃい!待ってたわ。」と抱きつく迫力美人にふたりはタジタジになっていた。

マリッサは、アデルがパトリスに似ているせいか顔が真っ赤。

ヒルダは、色々と緊張しすぎて吐きそうになっている。

ここで吐くわけにいかないと必死になり過ぎて顔が真っ青になって‥

慌てたマリッサが回復魔法をかけている。

それを見ていたアデルは、何だかお疲れのようだから今日はもう休んだらどうか?と提案し、

ヒルダは与えられた部屋で休む事に。

「ねぇ。マリッサ!この部屋広すぎて落ち着かないんだけど?ひとりにしないで!」

神殿で与えられていた個室の10倍位の広さがある部屋に戸惑っているようだ。

ベッドも4人位は余裕で眠れる広さなのでひとりで寝るのは勿体ないと思いながら

疲れていたらしく、いつの間にか眠りについていた。

それを見て安心したマリッサは、部屋をヒルダ好みに飾るべく神殿から持ってきたヒルダの私物を片付けていた。

マリッサは元々ヒルダの家から着いてきた侍女なので、ヒルダに対する愛情は本物である。

マリッサは、ヒルダ様を守る会の会員でもあるのだ。  

パトリス様はどうなったのかしら?

あの方の事だから無事に決まっているけど‥

アデル様に後で聞かなくては‥


どうやらパトリスの顔を見ないと安心出来ないらしい。


◇◇◇◇◇ 

夜になるとパトリスとその部下達が次から次へとやってきて

またまたびっくりする事になるのですが、今はアデル様に呼ばれて一緒にお茶の時間を楽しんでおります。

アデル様が言うには、ヒルダ様と私を学校に行かせるようにとパトリス様から伝言があり 

ヒルダ様が落ち着き次第、学校を見学しに行く事が決定した。

とても楽しみである。

それにしても、ヒルダ様ってよく寝るよね?

起きたらまたまたびっくりするゲストが‥

次回に続く!

しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

社長、嫌いになってもいいですか?

恋愛 / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:73

【完結】英雄様、婚約破棄なさるなら我々もこれにて失礼いたします。

ファンタジー / 完結 24h.ポイント:234pt お気に入り:6,246

婚約破棄後、かぼちゃの馬車で。

恋愛 / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:10

コドク 〜ミドウとクロ〜

キャラ文芸 / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:0

平凡な私が選ばれるはずがない

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:6,107pt お気に入り:252

【完結】見えるのは私だけ?〜真実の愛が見えたなら〜

恋愛 / 完結 24h.ポイント:213pt お気に入り:116

魔術師の妻は夫に会えない

ファンタジー / 完結 24h.ポイント:14pt お気に入り:38

処理中です...