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✽✽浮かれる脳筋エリックと戸惑うマリアのお話
やはり母上に相談して良かった!
近いうちにお礼を言いに行かなくてはな!
大聖女エリシア様の警護をしばらくお願いしたいとの旨を大神官から伝えられ、内心飛び上がりそうな位の喜びを隠し了承するエリックである。
明日からはマリア嬢に会えるのか…
母上には隣国の珍しい果物の盛り合わせを奮発しておくか…
エリシア様にも、同じ物を贈ろう!
果物が嫌いな女性はいないだろうからな!
◇◇◇◇◇
エリックは脳筋だが、リリーアンに仕込まれているので意外と女性の扱いは上手いのだ。
側近に命じて、水晶宮と大神殿に果物の籠盛り、花籠を贈らせたエリックは明日からの準備に忙しい。
◇◇◇◇◇
翌日、エリックは自ら厳選した近衛騎士団の精鋭を引き連れ大神殿にやってきた。
「本日からしばらくの間、大聖女様の身辺警護を任じられましたので宜しくお願い致します!」
純白の生地に金糸で縁取られた制服を身に着けたエリックは脳筋マザコン野郎には見えなかった。
品があり、見目麗しい騎士である。
部下の騎士たちに比べると筋肉量が違うところを見なければ…の話だが…
「皆さん!
今日からしばらくお世話になります。大神殿の警護をしている聖騎士だけでは心許ない位に最近はここに訪れる民衆が増加しているのよ。
中には聖女を誑かして誘拐しようとする輩や聖女を恋人にして聖女の力を自分のモノにしようとする悪い貴族もいるのよ。
聖女に個別に関わろうとするモノを見つけたら捕縛しても構わないわ!
キッチリ目を見張らせて警備をお願いしますね。
貴方達の活躍を期待しておりますわ」
「「「「「「「「大聖女様の仰せのままに!」」」」」」」」
大聖女エリシア様からの言葉にエリックの部下達は…
エリシア様から直接言葉をかけられたぞ!仲間に自慢しなくては…とか、
白百合の乙女最高!推せる!とか…
エリシア様にお仕えしたいから聖騎士に異動願い出したいな…とか色々な思いを抱いていた。
脳筋エリックはというと…
後ろに控えているマリア嬢に萌えていた。
マリアさん…純白が似合うよなぁ…
やっぱ天使?あのはにかんだ笑顔は最高過ぎる!!とマリアを見つめながら熱い想いに悶ていた。
その後、エリシア様は大聖女だけが入室出来る祈りの間に籠もられたので、エリックはエリシアに頼まれてマリアの手伝いをする事になった。
「申し訳ありません!殿下にこのような事を手伝って頂くなんて…」
マリアが管理している薬草園でふたりで薬草を摘んでいるとマリアが謝罪してくる。
「何を言いますか!これは私がエリシア様から受けた大切な任務ですよ?
今は任務中なので、殿下と呼ぶのは…エリックと呼んで頂けないでしょうか?」
エリックは男女に定評のあるキラースマイルを放った。
「では、エリック様はこちらの薬草を担当して頂きますね」
マリアは、エリックの王子様スマイルにあてられたのか頬を薔薇色に染め狼狽えながらもエリックに指示を出す。
エリックと共に薬草園の手伝いに来た騎士は内心、エリック様のお気に入りはこの方か…エリック様!頑張って!と応援しながらマリアに指定された薬草を摘んで籠に入れていた。
◇◇◇◇◇◇
マリアの心中はというと…
えっ?
待って!
いきなり乙女ゲーム的な展開が一気に来たんだけど…
エリシア様の専属になってからヤバいわ!
エリシア様からは次期大聖女にならないか?と打診されるし…
エリック王子からは好意を示されるし…
イケメン神官からはお付き合いを申し込まれるし…
2作目プレイしてないから分かんないんだけど、私モブだよね?
ヒロインが聖女として大神殿に来るはずだし?
せめてヒロインの名前と攻略対象を教えてくれないかな神様!
…と自分がお願いしたゲームではない2作目の世界に転生させたうっかり神様に訴えていた。
マリア…自力で真実の愛を探すの頑張ってね!
脳筋エリックなら既に攻略しちゃったみたいだよ?
マリアの真実の愛探しはどうなる事やら…
純情脳筋エリックの初恋は実るのか?
リリーアン王妃の頭痛の種はしばらく無くなりそうもない雰囲気が濃厚ですね!
やはり母上に相談して良かった!
近いうちにお礼を言いに行かなくてはな!
大聖女エリシア様の警護をしばらくお願いしたいとの旨を大神官から伝えられ、内心飛び上がりそうな位の喜びを隠し了承するエリックである。
明日からはマリア嬢に会えるのか…
母上には隣国の珍しい果物の盛り合わせを奮発しておくか…
エリシア様にも、同じ物を贈ろう!
果物が嫌いな女性はいないだろうからな!
◇◇◇◇◇
エリックは脳筋だが、リリーアンに仕込まれているので意外と女性の扱いは上手いのだ。
側近に命じて、水晶宮と大神殿に果物の籠盛り、花籠を贈らせたエリックは明日からの準備に忙しい。
◇◇◇◇◇
翌日、エリックは自ら厳選した近衛騎士団の精鋭を引き連れ大神殿にやってきた。
「本日からしばらくの間、大聖女様の身辺警護を任じられましたので宜しくお願い致します!」
純白の生地に金糸で縁取られた制服を身に着けたエリックは脳筋マザコン野郎には見えなかった。
品があり、見目麗しい騎士である。
部下の騎士たちに比べると筋肉量が違うところを見なければ…の話だが…
「皆さん!
今日からしばらくお世話になります。大神殿の警護をしている聖騎士だけでは心許ない位に最近はここに訪れる民衆が増加しているのよ。
中には聖女を誑かして誘拐しようとする輩や聖女を恋人にして聖女の力を自分のモノにしようとする悪い貴族もいるのよ。
聖女に個別に関わろうとするモノを見つけたら捕縛しても構わないわ!
キッチリ目を見張らせて警備をお願いしますね。
貴方達の活躍を期待しておりますわ」
「「「「「「「「大聖女様の仰せのままに!」」」」」」」」
大聖女エリシア様からの言葉にエリックの部下達は…
エリシア様から直接言葉をかけられたぞ!仲間に自慢しなくては…とか、
白百合の乙女最高!推せる!とか…
エリシア様にお仕えしたいから聖騎士に異動願い出したいな…とか色々な思いを抱いていた。
脳筋エリックはというと…
後ろに控えているマリア嬢に萌えていた。
マリアさん…純白が似合うよなぁ…
やっぱ天使?あのはにかんだ笑顔は最高過ぎる!!とマリアを見つめながら熱い想いに悶ていた。
その後、エリシア様は大聖女だけが入室出来る祈りの間に籠もられたので、エリックはエリシアに頼まれてマリアの手伝いをする事になった。
「申し訳ありません!殿下にこのような事を手伝って頂くなんて…」
マリアが管理している薬草園でふたりで薬草を摘んでいるとマリアが謝罪してくる。
「何を言いますか!これは私がエリシア様から受けた大切な任務ですよ?
今は任務中なので、殿下と呼ぶのは…エリックと呼んで頂けないでしょうか?」
エリックは男女に定評のあるキラースマイルを放った。
「では、エリック様はこちらの薬草を担当して頂きますね」
マリアは、エリックの王子様スマイルにあてられたのか頬を薔薇色に染め狼狽えながらもエリックに指示を出す。
エリックと共に薬草園の手伝いに来た騎士は内心、エリック様のお気に入りはこの方か…エリック様!頑張って!と応援しながらマリアに指定された薬草を摘んで籠に入れていた。
◇◇◇◇◇◇
マリアの心中はというと…
えっ?
待って!
いきなり乙女ゲーム的な展開が一気に来たんだけど…
エリシア様の専属になってからヤバいわ!
エリシア様からは次期大聖女にならないか?と打診されるし…
エリック王子からは好意を示されるし…
イケメン神官からはお付き合いを申し込まれるし…
2作目プレイしてないから分かんないんだけど、私モブだよね?
ヒロインが聖女として大神殿に来るはずだし?
せめてヒロインの名前と攻略対象を教えてくれないかな神様!
…と自分がお願いしたゲームではない2作目の世界に転生させたうっかり神様に訴えていた。
マリア…自力で真実の愛を探すの頑張ってね!
脳筋エリックなら既に攻略しちゃったみたいだよ?
マリアの真実の愛探しはどうなる事やら…
純情脳筋エリックの初恋は実るのか?
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