上 下
47 / 108
第五章 幸福編

6話 歯向かえる者

しおりを挟む
~広間~

「...体が、重い」

「治療、してもらったはずだけど...」

「部屋戻ろ...寝たいや」

「はあ...なんで、こんな」

...?契約...あれ?え?」

「『解除するのは許さない。もし、次にそれを
言ったら』...」

「...そうだ。一旦、陰葉達の所に行こう」

「何か、思い出したかも」

シュン!


エル「……」

エレア「……はあ」

ーーーー☆ーーーー
~精神世界~

「っはあ、は~...」

「また、頭痛が...」

陰葉「よく消されてるのに気づけたな」

陰葉「思い出せ。黒苑様に加護を付けてもらう前、私らと話してただろ」

「……うん...思い出した。なんで、
忘れてたんだろう」

陰葉「おそらく、私らが合った情報を渡した上で
日瑠暗が黙っていた可能性を潰す為に消したん
だろうな」

陰葉「だが、変調無効がギリギリ悪効果だと認識
して、削除された記憶が少し戻ったんだ」

「そう、なんだ」

「でも、加護を付けてもらってからの記憶は...」

陰葉「今言えばきっと嫌われる。エル様達の口から言うのはまだまだ先だ」

「...なんで」

陰葉「日瑠暗。私らはお前が隠されるのを嫌ってるのがわかる」

陰葉「だからこそ、お前に一つ。手段をやる」

「手段...?」

陰葉「ああ。お前も持ってる特殊な才能」

陰葉「『干渉かんしょう』だ。これさえ使えれば、脳や精神、
記憶への干渉を自由に操れる」

陰葉「まあ、今は真実へ向かった際の削除を
されない為の保護目的だな」

陰葉「教えてやる。こっち来な」

「うん。お願いするよ」

ーー☆ーー
「これでいいの?」

陰葉「ああ。保護は出来てる。消されることはないはずだ」

陽葉「ですが、闇は力を吸い取ることも可能なのを忘れないで下さいね」

「そういえば...」

陽葉「どうしました?」

「陰葉達はどうなの?一応、私と一心同体で
暮らしてるんだよね?」

陽葉「暮らしてますね。貴方の感覚は私達の感覚。
ですが、精神世界に暮らす住人と元の人格との接続を一時的になら切れるので、私達はそれで
乗り切ってました」

陰葉「だから、記憶や見てた景色の共有も
出来てない」

陰葉「だが、お前なら思い出せるはずだ。
...その覚悟があるんならな」

「...覚悟、ね。エレアス様達に歯向かうような行為だとは思うけど、私が聞きたいから」

「例え自分の主で合っても、いや主だからこそ」

「従属の望む程度の...私が欲しい情報と秘密は、 渡して欲しい」

「その為なら何度でも『解除したい』と
言ってやる」

「じゃあね」

シュン!

陰葉「へえ。随分なことだな」

陽葉「でしたら、お手伝いをしないとですね」

陽葉「圧倒的強者の前に出られる者は想像以上に
少ないもの」

陽葉「なら、私達はそれを守らなくてはいけない」

陰葉「ああ。準備してくるよ」

陽葉「はい」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです

飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。 だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。 勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し! そんなお話です。

剣ぺろ伝説〜悪役貴族に転生してしまったが別にどうでもいい〜

みっちゃん
ファンタジー
俺こと「天城剣介」は22歳の日に交通事故で死んでしまった。 …しかし目を覚ますと、俺は知らない女性に抱っこされていた! 「元気に育ってねぇクロウ」 (…クロウ…ってまさか!?) そうここは自分がやっていた恋愛RPGゲーム 「ラグナロク•オリジン」と言う学園と世界を舞台にした超大型シナリオゲームだ そんな世界に転生して真っ先に気がついたのは"クロウ"と言う名前、そう彼こそ主人公の攻略対象の女性を付け狙う、ゲーム史上最も嫌われている悪役貴族、それが 「クロウ•チューリア」だ ありとあらゆる人々のヘイトを貯める行動をして最後には全てに裏切られてザマァをされ、辺境に捨てられて惨めな日々を送る羽目になる、そう言う運命なのだが、彼は思う 運命を変えて仕舞えば物語は大きく変わる "バタフライ効果"と言う事を思い出し彼は誓う 「ザマァされた後にのんびりスローライフを送ろう!」と! その為に彼がまず行うのはこのゲーム唯一の「バグ技」…"剣ぺろ"だ 剣ぺろと言う「バグ技」は "剣を舐めるとステータスのどれかが1上がるバグ"だ この物語は 剣ぺろバグを使い優雅なスローライフを目指そうと奮闘する悪役貴族の物語 (自分は学園編のみ登場してそこからは全く登場しない、ならそれ以降はのんびりと暮らせば良いんだ!) しかしこれがフラグになる事を彼はまだ知らない

転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】

ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった 【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。 累計400万ポイント突破しました。 応援ありがとうございます。】 ツイッター始めました→ゼクト  @VEUu26CiB0OpjtL

ジャージ女子高生による異世界無双

れぷ
ファンタジー
異世界ワーランド、そこへ神からのお願いを叶えるために降り立った少女がいた。彼女の名前は山吹コトナ、コトナは貰ったチートスキル【魔改造】と【盗む】を使い神様のお願いをこなしつつ、ほぼ小豆色のジャージ上下でテンプレをこなしたり、悪党を改心させたり、女神になったりするお話です。

料理屋「○」~異世界に飛ばされたけど美味しい物を食べる事に妥協できませんでした~

斬原和菓子
ファンタジー
ここは異世界の中都市にある料理屋。日々の疲れを癒すべく店に来るお客様は様々な問題に悩まされている 酒と食事に癒される人々をさらに幸せにするべく奮闘するマスターの異世界食事情冒険譚

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣で最強すぎて困る

マーラッシュ
ファンタジー
旧題:狙って勇者パーティーを追放されて猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣だった。そして人間を拾ったら・・・ 何かを拾う度にトラブルに巻き込まれるけど、結果成り上がってしまう。 異世界転生者のユートは、バルトフェル帝国の山奥に一人で住んでいた。  ある日、盗賊に襲われている公爵令嬢を助けたことによって、勇者パーティーに推薦されることになる。  断ると角が立つと思い仕方なしに引き受けるが、このパーティーが最悪だった。  勇者ギアベルは皇帝の息子でやりたい放題。活躍すれば咎められ、上手く行かなければユートのせいにされ、パーティーに入った初日から後悔するのだった。そして他の仲間達は全て女性で、ギアベルに絶対服従していたため、味方は誰もいない。  ユートはすぐにでもパーティーを抜けるため、情報屋に金を払い噂を流すことにした。  勇者パーティーはユートがいなければ何も出来ない集団だという内容でだ。  プライドが高いギアベルは、噂を聞いてすぐに「貴様のような役立たずは勇者パーティーには必要ない!」と公衆の面前で追放してくれた。  しかし晴れて自由の身になったが、一つだけ誤算があった。  それはギアベルの怒りを買いすぎたせいで、帝国を追放されてしまったのだ。  そしてユートは荷物を取りに行くため自宅に戻ると、そこには腹をすかした猫が、道端には怪我をした犬が、さらに船の中には女の子が倒れていたが、それぞれの正体はとんでもないものであった。  これは自重できない異世界転生者が色々なものを拾った結果、トラブルに巻き込まれ解決していき成り上がり、幸せな異世界ライフを満喫する物語である。

解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る

早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」 解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。 そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。 彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。 (1話2500字程度、1章まで完結保証です)

処理中です...