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第五章 幸福編

5話 消しきれない違和感

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~二週間後~ ♢日瑠暗視点♢

「…」

「……」

頭が重い...
意識があるのか、それともないのか...
それすらもわからないような...
ずっと、浮かされていたような?
わからない...何が、あった?

「………ぁ?」

「ゲホッ、ゲホッ...はぁ」

「ぁ、っんん"……」

(声が出ない...歌を連続で歌ったみたい)

ここは...私の部屋か。
最近は入ってなかった気がする。まだ一年間すら
過ごしてないけど。

「ッ...ぅ」

(頭痛が...ヤバい)

(意識を持ってかれそう...)

コンコン

「...?」

??「入っていいかい?というか、起きてる?」

「...」

ガチャ

黒苑「ああ、よかった。体調はどう?」

「...」

黒苑「...話せないなら、テレパシー使って。
こちらから話しかけるからさ」

「(こくっ)」

黒苑[で、体調はどうかな?声とか、出る?]

[出ないです...それと、頭痛が凄いです...]

黒苑「そっか。ちょっと待ってて。魅白呼ぶから」

黒苑「治療しないとね」

[ありがとうございます]

~治療中~

魅白「……よし。これでいいかな」

魅白「声はどう?出せる?」

「……あ、はい、出せるみたいです」

魅白「ふう。よかった」

黒苑「無事なようでよかったよ」

「えっと...私、黒苑様に加護を付けてもらった後、
何してたんですか?」

黒苑「加護を付けた後、元人間の君を妬んだ龍が
襲いかかってきて、君を殴った(嘘)」

黒苑「それで、君は邪悪な魔力に体を侵されて、
気絶したままだったのさ(嘘)」

「そ、そうだったんですか...?」

黒苑「君にトラウマが残らないように襲いかかった龍の顔とかの記憶は消したんだ。ごめんね(嘘)」

「い、いえ。謝らなくていいです...」

「元人間がいきなり最上位の神から愛される事自体が特殊ですし...」

「妬む者が現れたりしても、それは仕方ない事です」

黒苑「そっっ、か。君は本当、優しいね」

「...所で、どうしてエレアス様やエル様じゃなくて
黒苑様達が居るんです?」

黒苑「私らが部屋に居たらダメなのかな?」

「いえ。ダメではありませんが...」

「何か、大きな事情でもあるのかなと...」

魅白「日瑠暗ちゃんは気にしなくていいんだよ」

魅白「君はいつも通り、私達と友達に接して
いればいい」

魅白「そこに未練も何もない。いいね?」

「はっ、はい...」

ーーーー☆ーーーー
~森内~

「...モヤモヤする」

(頭痛は無い。声も出せる。体調も良いし、特に
皆んなとの接し方も変わってなかった)

(じゃあ、このモヤモヤするのはなに?私の
気のせい?)

フェル「悩んでるね~。今度は何についてだい?」

「あ、フェルア様...」

琴㮈「また悩み事?今さっき会った時も何かに
悩んでたわね」

「わからない...でも、黒苑様から顔とかの記憶は
消したって言ってたから、それかもしれないけど」

琴㮈「つまりは何なの?」

「ずっと、モヤモヤする。何か、大切な事を
忘れてる...気がする」

フェル「気がするだけなら気のせいなんじゃない
のかい?」

「...そうならいいんですけどね」

フェル「あんま気になるならエレアスとかに会ってみれば?」

「あ、そういえば。会ってないですね」

琴㮈「日瑠暗...自分の主の所にくらい、一番に
行くべきじゃない?」

「そう、だね。じゃあ、行って来る」

琴㮈「いってら~」

ーー☆ーー

琴㮈《ふむ...やっぱ忘れてるか》

翠理《まあ、予想通りではある。消さないと
いけないのもあるし...》

流羅《まだ受け入れる事は出来ないと決めつけて
いるのもあるのでしょうね》
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