愛無き子供は最強の神に愛される

第二章 神の世界編

９話 死への宣告

～？？？～

「...ん、？」

「あれ...。私...」

「ここ、何処？」

(暗いし、なんか...牢屋みたい？)

「...」

「もし戻らなければ、殺される...？」

「...死ぬのは、嫌だ」

「死にたくは、ない...」

「...」

カチャン

「...？なにこれ。よく見えないけど...」

エレアス「おはよう。梨花」

「ッ⁈」

エレアス「目眩はどうだ？」

「え？あ、それは、大丈夫です...」

エレアス「治療が効いたんならよかったよ」

「あ、あの...ここは？」

エレアス「城の地下にある牢屋兼...」

エレアス「拷問場だ」

「ぁ、え...？」

エレアス「大丈夫だ。私の質問に答えてくれれば
拷問はしない」

エレアス「まあ、答えなかったら思ってる
通りだけどな」

エレアス「で、お前が隠してるこの本。なんなのか
聞いてるよな？」

「それ...！なんで...」

「持って来て、隠してたのに...」

エレアス「まあ、探し出すのは簡単だったしな」

エレアス「で、だ。私が聞きたいのは」

エレアス「お前が最初別れた時、もう三人は
どうしてるか知ってるか？」

「...えっ？それは、普通に部屋にいるんじゃ？」

エレアス「違うな。あの三人はもう契約をしてる」

エレアス「そして契約の力が合わず、死んだ」

「ッ...？死ん、だ...？」

エレアス「ああ。まあ、死んだと言っても
神としてだ」

エレアス「あの三人は人間界に戻っている」

エレアス「それも、三人をちゃんと認めてくれる
街にな」

「っ、それなら、よかった...！」

エレアス「...もう一度聞く。この本はなんなのか」

エレアス「わかってるよな？」

「...はい」

エレアス「そこでだ。選択肢をやる」

「っ？選択肢？」

エレアス「ああ。一つ目」

エレアス「この本と契約をし、陰葉達とはバラバラになる」

エレアス「二つ目」

エレアス「陰葉達と契約し、本の契約を破棄する」

エレアス「まあ、一番デメリットはないかもな」

エレアス「三つ目」

エレアス「本の契約も陰葉達の契約もせず...」

エレアス「私らに殺される」

エレアス「三つ目に関しては、選んだ瞬間
殺すからな」

エレアス「痛みすら感じない。即死だ」

「ッ？」

エレアス「今は午前三時。十二時になったら答えを聞きにくる」

エレアス「その手枷と足枷は私らの能力で
作ったやつだから」

エレアス「壊せないからな」

エレアス「じゃあ、答えを聞きにまた来るよ」

バタン

「ッ...」

(本の加護...いや。持ってないと効かないか)

(一つ目を選んだら、陰葉達が大変になる)

(二つ目を選んだら、死ぬ事はなくとも、本は相手側に渡る)

(...？そもそも、なんで本を狙ってるんだ)

(まあいいや。三つ目は、まあ...)

(選んだ瞬間、私は死ぬ)

(絶対に選べない...死への直行便だ)

(どうすれば...)

ーーーーーーーー

陰葉「そういや。本にかけた加護って
なんなんです？」

黒苑「うん？あれは～、結構特殊な奴なんだよね」

黒苑「まあ、死の危機になれば発動するさ」

陰葉「...」

黒苑「まあ、一つ言い忘れてたこと
あったんだよね」

陰葉「...は？」

黒苑「そんなトーンにならないで」

黒苑「ただ単に、本が持ち主の半径2m以内に
あれば加護は発動するってだけさね」

陰葉「ああ。なら、まあ...」

黒苑「それより、消えた気配に関してはいいの？」

陰葉「まあ、それに関しては陽葉の方が得意
なんで」

黒苑「そうだねえ」