嫌われ者は最高の愛を貰える最強神の愛し子様

第一章 迎え編

７話 神の世界へ

～梨花side～

「...で、私はどうすればいいの？」

「殺さないんだよね？」

陰葉「ああ。何度も言うがな、殺さない」

陰葉「殺したら困るのは私らだからな」

陽葉「でしたら、あちらの準備が出来次第と
いうことで」

陰葉「そうだ。当たり前のことを聞くが、
飛べないよな？空」

「...もちろん」

陰葉「なら、神の世界に行く時、私に乗れ」

「...？」

陰葉「あ～。言い方が悪かったな」

陰葉「私らは龍に変化できる。神話に書かれてる
ような、蛇のような状態にな」

陰葉「だから、その状態で乗ってくれ。そしたら、神の世界に連れて行く」

「はあ...」

(なんか、頭が追いつかないや...)

ーーーーーーーー
「っあ！みんな！」

陽奈「ッ！　はあっ、よかった...！」

奏「梨花、陽奈！無事でよかったよ！」

葵蘭「皆さん、大丈夫でしたか？」

奏「うん。私は大丈夫だよ」

陽奈「私も問題ないよ。梨花もだよね？」

「うん。体調は、なにも」

葵蘭「...そうですか」

「...うん。でさ、"それ"については触れない感じ？」

奏「...え～、あ～」

陽奈「...ん～と～」

陰葉「なにを黙ってるんだ？別に話していいぞ？」

水波「そうそう。僕ら、知り合いだから」

琴㮈「特になにも、気まずいことはないよ」

陽奈「...じゃあ、うん。わかった」

「みんな、同じ状況なの？」

陽奈「うん。少なくとも、私はね」

奏「私もだよ。葵蘭達は？どうなの？」

葵蘭「私達もですよ。まだ、びっくりしてますよ」

のの「神様が迎えに来るなんて、考えも
してなかったからね」

音空「私は若干、思考停止してるかも...？」

奏「まあ、考えたら負けじゃないかな？」

「私も説明は受けたけど、まだよくわかって
ないしね」

陰葉「詳しい事は城で説明するよ」

陰葉「今はさっさと帰りたいしな」

水波「そうだねえ。僕もフェルア様に報告
しないとだし」

奏「フェルア様？」

水波「まあ、そこら辺もついてから話すよ」

陰葉「そうだ。梨花は私が連れて行くが、そっち側はどうするんだ？」

「えっ？あれ、私、名前教えたっけ」

陰葉「うん？いや、教えてない」

陰葉「ただ、私らの能力で見ただけだ」

陰葉「自己紹介の手間が省けるからな」

「そう、なんだね...」

陽葉「そちらの方々は良ければ私が運びますよ？」

陽葉「蝶の力にも限界があるでしょう？」

琴㮈「ああ。なら、私とアルセは大丈夫だから」

アルセ「そうですね、翠理と流羅の契約者さんを
お願いできます？」

陽葉「はい。でしたら、そちらの方々はこちらに」

陽葉「皆さん、人間が来る前に帰りましょう」

陰葉「ああ。言われなくとも」

水波「さぁ～って！ちょっと待っててね！」

ぽんっ

陰葉〈よし。これでいいな〉

水波〈うんうん。ちゃんと出来てるね〉

水波〈じゃあ奏。僕に乗ってね！〉

陰葉〈梨花もな。角とかを掴んでてくれ〉

「え、いいの？折れない？」

陰葉〈折れない折れない。さっ、翻訳魔法はあんま長くは続かないからな〉

「あ、これって翻訳してるの？」

陰葉〈普通なら、私らは神の言語を話すからな〉

陰葉〈さっ。早く〉

「う、うん...」

奏「本当に、大丈夫？」

ぽすっ

奏「っ...？温かい」

「...。本当、だね」


陽奈「これ、大丈夫？」

琴㮈「大丈夫。蝶達が支えてくれるから」

のの「いい、の？」

陽葉〈いいですよ。さっ、乗って下さい〉

ぽすっ

陰葉〈よし。みんな準備出来たか？〉

アルセ「はい。こちらも大丈夫です」

陰葉〈なら行くぞ。ちゃんと捕まってろよ〉

「う、うん...」

バサッ！

「ッ...。」

ヒュウッ

「ッ？あれは...？」

陰葉〈神世界への扉だ。入るぞ〉

シュン！