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第一章 迎え編
1話 決められた運命
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~森の中~
「...」
「...はあ~」
「...もう、朝か」
ガサガサ...
「...?」
ザッ
「...ああ、おはよ、奏。怪我してないみたいで
よかったよ」
奏「うん。おはよ。はい、ご飯」
「いつもありがとね、奏。大変でしょ?」
奏「まあ、ね。でも、食べる事は必要でしょ?」
「...まあ、うん」
私は梨花。この森で他の仲間達と生きている。
別に私らは民族とかじゃない。
...ただ、街と親から捨てられただけ。
奏は、私の親友。以前の儀式で、私らと一緒に
捨てられた鬽渦者だ。
ーーーーーーーー
~数ヶ月、儀式の間~
神主「...はあ、この子もだ」
街の人「ええっ?そんな感じしなかったのに?」
神主「そういうものなんですよ。にしても、
こんなにいるなんて」
街の人「さっさと捨ててしまいましょう!厄災が
訪れてしまうわ!」
神主「そうですね。彼女らの両親を呼んで、
話をします」
梨花「...なに、言ってるの?」
神主「お前には関係ない。鬽渦者が」
梨花「っ...?なんで、優しかったのに...っ!」
母「はあ、まさか貴方が鬽渦者だったなんて」
父「がっかりだよ。私達の娘なのに」
母「それじゃ、今日はここに泊まりなさい」
母「明日、貴方達が行くべきところに
連れて行くわ」
梨花「お母さん?お父さん?なんで、
そんなこと...」
父「もう俺らはお前の両親じゃない」
梨花「ッ...?」
母「鬽渦者に生まれたのを後悔しておきなさいな」
バタン(扉が閉じる)
梨花「あ、ああっ。待って、待ってよっ...!」
梨花「っ、お父さん、お母さん...」
??「ねえ、梨花もここに泊まるの?」
梨花「っえ?あ...」
奏「やっぱり、梨花だね。...同じ境遇、
だったんだね」
梨花「奏...?なんで?」
奏「見りゃわかるでしょ。私も鬽渦者として明日、森に捨てられるの」
梨花「そんな...捨てられるの?」
奏「あっちに他の人達がいる。行こう」
梨花「あ、うん...」
陽奈「はじめまして。私は陽奈。よろしくね」
梨花「あ、うん。よろしく...」
奏「梨花は、私の幼馴染でね。親も
仲良かったんだけど...」
陽奈「まあ、こんな状況じゃあね。当たりも
強くなるよ」
梨花「なんで、そんなに吹っ切れてるの?」
陽奈「吹っ切れてなんてないよ。むしろ、未練で
いっぱい」
陽奈「でも、未練を抱えてなにかを大人達に
言ったって、聞いてはくれないよ」
陽奈「私達は明日、捨てられる」
陽奈「その運命は変わらない」
梨花「っ...」
「...」
「...はあ~」
「...もう、朝か」
ガサガサ...
「...?」
ザッ
「...ああ、おはよ、奏。怪我してないみたいで
よかったよ」
奏「うん。おはよ。はい、ご飯」
「いつもありがとね、奏。大変でしょ?」
奏「まあ、ね。でも、食べる事は必要でしょ?」
「...まあ、うん」
私は梨花。この森で他の仲間達と生きている。
別に私らは民族とかじゃない。
...ただ、街と親から捨てられただけ。
奏は、私の親友。以前の儀式で、私らと一緒に
捨てられた鬽渦者だ。
ーーーーーーーー
~数ヶ月、儀式の間~
神主「...はあ、この子もだ」
街の人「ええっ?そんな感じしなかったのに?」
神主「そういうものなんですよ。にしても、
こんなにいるなんて」
街の人「さっさと捨ててしまいましょう!厄災が
訪れてしまうわ!」
神主「そうですね。彼女らの両親を呼んで、
話をします」
梨花「...なに、言ってるの?」
神主「お前には関係ない。鬽渦者が」
梨花「っ...?なんで、優しかったのに...っ!」
母「はあ、まさか貴方が鬽渦者だったなんて」
父「がっかりだよ。私達の娘なのに」
母「それじゃ、今日はここに泊まりなさい」
母「明日、貴方達が行くべきところに
連れて行くわ」
梨花「お母さん?お父さん?なんで、
そんなこと...」
父「もう俺らはお前の両親じゃない」
梨花「ッ...?」
母「鬽渦者に生まれたのを後悔しておきなさいな」
バタン(扉が閉じる)
梨花「あ、ああっ。待って、待ってよっ...!」
梨花「っ、お父さん、お母さん...」
??「ねえ、梨花もここに泊まるの?」
梨花「っえ?あ...」
奏「やっぱり、梨花だね。...同じ境遇、
だったんだね」
梨花「奏...?なんで?」
奏「見りゃわかるでしょ。私も鬽渦者として明日、森に捨てられるの」
梨花「そんな...捨てられるの?」
奏「あっちに他の人達がいる。行こう」
梨花「あ、うん...」
陽奈「はじめまして。私は陽奈。よろしくね」
梨花「あ、うん。よろしく...」
奏「梨花は、私の幼馴染でね。親も
仲良かったんだけど...」
陽奈「まあ、こんな状況じゃあね。当たりも
強くなるよ」
梨花「なんで、そんなに吹っ切れてるの?」
陽奈「吹っ切れてなんてないよ。むしろ、未練で
いっぱい」
陽奈「でも、未練を抱えてなにかを大人達に
言ったって、聞いてはくれないよ」
陽奈「私達は明日、捨てられる」
陽奈「その運命は変わらない」
梨花「っ...」
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