人魚の姫様はボクっ娘魔女のお人形

神月るあ

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11話 改変されし事実

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~最初会った池~

「...久々、だなあ」

ルア「そう?前にも来なかったっけ?」

「...?あれ、そうでしたっけ」

ルア「そうそう。まあ、監禁されてたし
記憶混濁くらいなるよね」

ルア「本当、ごめんね」

「い、いえ。もうご飯も貰いましたし」

「大丈夫ですよ...」

ルア「ニーラ、本当、優しいんだね...」

ルア「僕が街にいた時は見なかった優しさだ」

「そんな...私はただ」

バシャッ

「っ?」

ルア「うん?」

シーニィ「...っ」

「ぁ...え?シーニィ?なんでここに」

シーニィ「お姉様、なんで魔女なんかと
近づいてんのよ」

シーニィ「その魔女は人魚を狙う私たちの敵よ⁈」

「ルアさんは、そんな人じゃ...」

シーニィ「全く!暗殺も碌にできないお姉様を
持った私も身にもなって欲しいわ!」

ルア「あん、さつ?」

「あ、ルアさん。違、くて...」

ルア「...」

シーニィ「はあ。お母様とお父様に伝えないとね」

シーニィ「私のお姉様が人魚を裏切ってるって」

「あ、待って。違う、そんなんじゃ...」

シーニィ「なにが違うのかしら?現に魔女と
歩いて来たじゃない!」

シーニィ「私が見に来なかったら、危なかったわ」

「待って、シーニィ。これは...」

シーニィ「これは、なに?まさか、魔女に近づいて油断した所を殺すとかなのかしら」

ルア「...ニーラ?君は、僕を殺すの?」

「違う、違う...殺さない。絶対...」

ルア「...」

シーニィ「お姉様が殺さないなら私がやるわ!」

「ッ⁈ 待って、触っちゃダメ...」

がんっ

「ッ...?」

ルア「...あははっ。駄目だよね、水が金に
近づいちゃ」

ルア「弾かれて、閉じ込められちゃうからさ」

「っう、ぁ...」

ルア「ねえ、ニーラ」

「は、はい...」

ルア「...後ろ。向いてよ」

「えっ?」

ルア「大丈夫さ。殺さない」

「はい...」

くるっ(後ろを向いて座る)

ギュッ

「っ?あの、なんで抱き締めてるんですか?」

ルア〈ねえ、貴方の名前。なんだっけ?〉

「...」

〔...私の名前?...ない、です〕

ルア〈そっか。ないのね、名前。本当に?〉

〔...はい〕

ルア〈ふ~ん。なら、僕が名前あげる〉

〔はい...感謝します...〕

ルア〈そうだなぁ。カルにしようか〉

ルア〈いい?君の名前はカルだ。言ってみて〉

〔カル...が、私の名前...?〕

ルア〈そう。僕の名前は?僕のことはなんて
呼んでた?〉

〔...名前は、ルア。呼び方は...〕

〔呼び、方?なんて...呼んで〕

ルア〈忘れちゃったの~?僕のことは"ご主人様"
って呼んでたんだよ?〉

〔そう、でしたね...〕

ルア(もう、このブローチいらないよね)

ルア(人魚としての記憶。僕との関係性の記憶)

ルア(思い出されると困るしね)

ぷちっ(ブローチを取る)
ぽちゃん

〔...?なんか、落ちた?〕

ルア〈気のせいさ。葉っぱでも落ちたんでしょ〉

ルア〈さっ、カル。僕らの家に帰ろっか〉

〔はい...ご主人様...〕

ルア〈ふふふ。いい子いい子〉

〔はい...〕

ドガン!

「...?」

ルア「...へえ。出てこれたんだ」

シーニィ「アンタ、何してんのよ...!」

シーニィ「お姉様に、何してんのよ!」

ルア「君に取ってこの姉は大事なのかい?」

ルア「僕にはとても、そうは見えないねえ」

シーニィ「ッ...なにをしたのよ!」

ルア「...」

ルア「僕、この子が気に入ったから」

ルア「でも、人魚として見ないって
約束したからね」

ルア「人魚としての記憶を全部消して、そして
僕との関係性の記憶を少し弄った」

ルア「まあ、簡単に言えば洗脳した」

シーニィ「ッ⁈」

ルア「この子は僕のものだ」

シーニィ「お姉様⁈ 嘘、ねえ!」

〔...?ごめんなさい、知り合い?〕

シーニィ「ッ...お姉様?」 

ルア「...そんなに悲しいんなら、君の記憶も
弄ってあげる」

ルア〈姉なんていない。都合のいい記憶にね〉

シーニィ「ぁ、いや、いやぁぁ...」
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