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第四章  真実

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「えっ?うん」

「一回しか言わない、そして誤解しないよう最後まで聞いてくれ。上手く言えるかわからねぇからな」

前置きをしっかりする。

それほど今から口にする言葉は、俺にとって重要で、人生で最初で最後になってほしい言葉。

「うん」

千陽は左手にグッと力が入った。

「俺は千陽、お前を親友だとしか思えない」

「やっぱり普通の女の子の方が良いよね?」

握っていた手がちょっと千陽の力が抜けていくのが伝わってきた。

だけど、それを俺はしっかりと握り返す、どこにも行かせないかのように力強く、逃げないように。

「だから最後まで聞けって、俺は『愛』って、よくわかんないんだよ。だけどさ、誰かが突然消えるって悲しみは想像できる。いや、経験した。千陽お前だよ」

「親友が消えたんだもん当然だよ。引っ越し前日が卒園式だったし・・・・・・ごめんね、寂しい思いさせちゃったよね」

「違うから良いからちゃんと聞けって。これプロポーズなんだから」

「えっ?」

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