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第二章 学校生活
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時は残酷、9年の空白。
きっと大人にとっての9年と、俺たちの9年は大きく違うんだろうな。
ヒロとミーそして千陽。
千陽のことは鮮明に覚えていたが、ヒロとミーの事は友達だったという事だけが思い出されて、なにかエピソードがあったとかが出てこない。
阿武隈山脈に沈む夕日を背にしていると、俺の前に立っている千陽が、
「な~に黄昏れてるのよ。らしくない」
「そうか?いつも、こんなんだぞ。千陽が帰ってくるまで一日、家族以外と話さないなんて普通だった。よく景色を眺めていたさっ」
「そっか、なんかごめんってか、なんか、悩んでいる目だったよ今。隠し事は寂しいな。俺に言えよ。夜のおかずか?わけてやるか?」
「千陽が言うとなんか意味深だな、おい」
「そりゃそうさ、脱ぎたてパステルカラーのシマシマパンツをプレゼントしようか?って言ってるんだから。体育の汗が染みこんだ一日履いた至極の一品のパンツだよ」
「・・・・・・電車で下ネタ禁止。っとに、なんなんだよ、至極の一品のパンツって。そんなことよりさっ、昔、仲良かったやつを覚えていないって覚えている方からしたら寂しいかなって。そう思っただけだよ。ちょっと失礼かなって」
「ヒロミちゃんとトッキーなら気にしていないって。俺の事は覚えてたけどね」
「覚えていたよ、男の親友をな。って、だったはずなのに、なんで女なんだろな?俺の記憶がおかしいのか?」
「そんなの、リュウちゃんの記憶力が悪いだけなんじゃん。別に男だろうと女だろうと親友だろ?」
「あぁ、親友だ。ただし、変な事しなければなって・・・・・・普通はお前が言う台詞だろ、ヒロインが『変な事したら口きいてあげないんだからね』ってツンデレを見せる場面だよ」
「あはははははははははっ、なにそれ?なんかのヒロイン?真似してあげるから、題名教えてよ」
大笑いをしたと思うと俺の背に沈みかけている夕日を遠くに見て、一言、
「普通ってなんだろうね・・・・・・普通の女の子なら言う台詞かもしれないけどね」
先ほどの大笑いは嘘のように目が死んだように落ちた瞬間に気がつく。
「ごめん。俺、普段使わないようにしている言葉なのに、なんでわかっている風に言ってしまったんだか・・・・・・ごめん」
「・・・・・・脱ぎたてパンツ一枚で許す」
俺のデコに人差し指の爪が食い込むように突き刺してきて言う。
「ばーか」
いつものように返事をした。
きっと大人にとっての9年と、俺たちの9年は大きく違うんだろうな。
ヒロとミーそして千陽。
千陽のことは鮮明に覚えていたが、ヒロとミーの事は友達だったという事だけが思い出されて、なにかエピソードがあったとかが出てこない。
阿武隈山脈に沈む夕日を背にしていると、俺の前に立っている千陽が、
「な~に黄昏れてるのよ。らしくない」
「そうか?いつも、こんなんだぞ。千陽が帰ってくるまで一日、家族以外と話さないなんて普通だった。よく景色を眺めていたさっ」
「そっか、なんかごめんってか、なんか、悩んでいる目だったよ今。隠し事は寂しいな。俺に言えよ。夜のおかずか?わけてやるか?」
「千陽が言うとなんか意味深だな、おい」
「そりゃそうさ、脱ぎたてパステルカラーのシマシマパンツをプレゼントしようか?って言ってるんだから。体育の汗が染みこんだ一日履いた至極の一品のパンツだよ」
「・・・・・・電車で下ネタ禁止。っとに、なんなんだよ、至極の一品のパンツって。そんなことよりさっ、昔、仲良かったやつを覚えていないって覚えている方からしたら寂しいかなって。そう思っただけだよ。ちょっと失礼かなって」
「ヒロミちゃんとトッキーなら気にしていないって。俺の事は覚えてたけどね」
「覚えていたよ、男の親友をな。って、だったはずなのに、なんで女なんだろな?俺の記憶がおかしいのか?」
「そんなの、リュウちゃんの記憶力が悪いだけなんじゃん。別に男だろうと女だろうと親友だろ?」
「あぁ、親友だ。ただし、変な事しなければなって・・・・・・普通はお前が言う台詞だろ、ヒロインが『変な事したら口きいてあげないんだからね』ってツンデレを見せる場面だよ」
「あはははははははははっ、なにそれ?なんかのヒロイン?真似してあげるから、題名教えてよ」
大笑いをしたと思うと俺の背に沈みかけている夕日を遠くに見て、一言、
「普通ってなんだろうね・・・・・・普通の女の子なら言う台詞かもしれないけどね」
先ほどの大笑いは嘘のように目が死んだように落ちた瞬間に気がつく。
「ごめん。俺、普段使わないようにしている言葉なのに、なんでわかっている風に言ってしまったんだか・・・・・・ごめん」
「・・・・・・脱ぎたてパンツ一枚で許す」
俺のデコに人差し指の爪が食い込むように突き刺してきて言う。
「ばーか」
いつものように返事をした。
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