幼なじみの男の子は男らしい女の子で女っぽい幼なじみは男でした

常陸之介寛浩☆第4回歴史時代小説読者賞

文字の大きさ
上 下
33 / 82
第二章 学校生活

2-13

しおりを挟む
「クックックックックックッ、汝か?我に会いたいと申す者は?くるしゅうない」

放課後、隣のクラスに千陽に無理矢理手を引かれ連れて行かれると、綺麗な顔に傷出来なくて良かったと言いたくなる磐城広巳と、その隣に変なのがいた。

小鳩ちゃん?那月先生具現化?

ゴスロリのふんわりした服に、無理矢理ブレザー?しかも、そのブレザーには黒いレースのフリフが付けられている。

間違いなく絶賛厨二病発症中ですよね?

こじらせて、慢性厨二病症候群になっていますよね?

尻まで長い強いウエーブがかった黒髪が面妖なオーラを出しているようだ。

ストレートにしたら地面に届くんじゃないか?

目はコンタクトで左右違う色をしている。

磐城広巳と並ぶと姉妹に見える。

磐城広巳は俺の泳ぐ目を見て察してあげてって苦笑いするなよ。

「なんだか幼稚園の時、友達だったらしいな」

「汝、だったらしいなとはどういうことだ?我との契約を覚えていないというのか?」

フリフリとした扇子まで出して口元を隠した。

「俺なんか約束したっけ?ってか、時見?も、俺の事覚えているのかよ?」

「覚えているぞ、漆黒の勇者よ」

「誰だよ、それ!」

「汝だ」

俺たちの空間が突如マグロの冷凍庫か?ひたちなかの海浜公園にある南極体験極寒アトラクションみたいなのあったよな?そのくらい冷え込んだ。

今、遠足か?

寒さを出すのは名前に反して千陽の視線だった。

お前は暖かな日差しを千人に届けろよ。

「いたいいたいいたい、なんでつねるんだよ千陽」

俺の余っている脇腹の肉をつねる千陽、それを磐城広巳は憧れの眼差しで見ていた。

その視線はなにか間違っているぞ。

「良いなぁ~そうやって男友達とじゃれ合うの。僕なかなか出来なくて」

そりゃ~お前がしたら、その男は前屈みになりそうだよ。勘違いして惚れちまうよ。

「クックックックックックッ我とするか?」

「女の子のお肉なんてつかめないよ~」

抵抗を見せる磐城広巳をよそに千陽はニンマリしてゴスロリ女子の脇腹をつまんだ。

「痛い、痛い、痛い、我、下僕の分際でなにをする」

「誰が下僕よ!」

千陽はその言葉でゴスロリ女子の後ろに回って胸をわしづかみにして揉む揉む揉む。

「この憎たらしいおっぱいお化けが、なんでこんなに成長した。俺にも半分よこせ」

ブレザーに隠された胸は大きいらしい、ゴクリ。

「こらなにをする・・・・・・やめろ・・・・・・やめて・・・・・・だめっ、だめっ、駄目だよチーちゃん、これ以上はだめ、あっ」

「可愛い声で鳴きやがる」

ん???

「ん?な~んか名前だけ思い出してきたぞ?ミーか?なんか、俺はそんな風に呼んでいたお人形抱えた女の子いたよな?」

「そうだと言っておろうに!主の顔を見忘れおって」

「暴れん坊将軍ですか?って、その横にいつもいたヒロか?」

ゴスロリ女子ミーの言葉を借りるなら記憶の奥底に封印されし記憶が今、解き放たれる。

「なんだ、覚えてくれたんじゃん僕のこと」

「あんとき確か隣にいたのは丸坊主小僧だったような?」

お人形を抱えた物静かな女の子ミーと、そのおままごとに付き合わされていた丸坊主の男の子ヒロを思い出す。
「名前と外見くらいだぞ、覚えているのは」

「それでも僕のこと覚えていてくれて嬉しいよ」

女の子っぽく指を組んでうるうるした目で見るのやめて。

それを縄張りを侵され怒る秋田犬のように牙を見せて、うなり声を上げそうにキツい目で見ている千陽が恐い。
「我が勇者よ、よくぞ思い出した」

「なぁ~ずっとこうなのか?」

ヒロに聞くとうんうんと頷く。

「あっ、千陽、こいつが磐城広巳」

「うん、そりゃ~会話聞いてればわかるよ、変わってないよね~」

「変わってないのか?これで?俺の丸坊主ヒロから想像すると高校球児だがな、キャラクター性までは思い出せない」

ミーが息荒く腰砕けになっているのをヒロは見つめていた。

「チーちゃん、もう、やめてあげて、ミーちゃんお漏らししちゃうから」

「うっ・・・・・・それは冗談にならないから、千陽やめてあげろ」

ヒロのうるうるした目が、千陽が犯罪をしているかのように訴えていた。

それを俺も止めてやる。

教室でお漏らしなんて大惨事だからな。

てか、おっぱい揉み揉みは同性同士ならセーフなのか?嫌がればアウトか?

「千陽ほどほどにしとけよ。ってか、電車逃すと一時間後になるから急いで帰るぞ、俺は相棒再放送見たいんだから」

「僕たちは家近いから、歩きだからまたね、リュウちゃん、チーちゃん」

「おう、これで来月からの体育グループも問題なさそうだな」

「だね、じゃ~また明日ね、リュウちゃん、チーちゃん」

ヒロが昔の俺の呼び方をして手を振っていた。

ミーは腰砕けで息を荒くして、床に座り込んでいた。

髪の合間から見える目はどこか艶っぽかった。

昔も俺たちが乗る登園バスを見送る2人、そんな光景を断片的に一枚の写真のように思い出す。

家から少し離れた幼稚園に通っていた俺たちはバスで登園。

その幼稚園には、スイミングスクールも併設されていたため、親がそこを選んだ。

結果的に家から離れた幼稚園のせいで入学時にはグループ形成からハブかれてしまう。

小学校で同じ幼稚園がいなく、そこからボッチ人生が始まっていくんだけど。

しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

彼女に振られた俺の転生先が高校生だった。それはいいけどなんで元カノ達まで居るんだろう。

遊。
青春
主人公、三澄悠太35才。 彼女にフラれ、現実にうんざりしていた彼は、事故にあって転生。 ……した先はまるで俺がこうだったら良かったと思っていた世界を絵に書いたような学生時代。 でも何故か俺をフッた筈の元カノ達も居て!? もう恋愛したくないリベンジ主人公❌そんな主人公がどこか気になる元カノ、他多数のドタバタラブコメディー! ちょっとずつちょっとずつの更新になります!(主に土日。) 略称はフラれろう(色とりどりのラブコメに精一杯の呪いを添えて、、笑)

幼馴染と話し合って恋人になってみた→夫婦になってみた

久野真一
青春
 最近の俺はちょっとした悩みを抱えている。クラスメート曰く、  幼馴染である百合(ゆり)と仲が良すぎるせいで付き合ってるか気になるらしい。  堀川百合(ほりかわゆり)。美人で成績優秀、運動完璧だけど朝が弱くてゲーム好きな天才肌の女の子。  猫みたいに気まぐれだけど優しい一面もあるそんな女の子。  百合とはゲームや面白いことが好きなところが馬が合って仲の良い関係を続けている。    そんな百合は今年は隣のクラス。俺と付き合ってるのかよく勘ぐられるらしい。  男女が仲良くしてるからすぐ付き合ってるだの何だの勘ぐってくるのは困る。  とはいえ。百合は異性としても魅力的なわけで付き合ってみたいという気持ちもある。  そんなことを悩んでいたある日の下校途中。百合から 「修二は私と恋人になりたい?」  なんて聞かれた。考えた末の言葉らしい。  百合としても満更じゃないのなら恋人になるのを躊躇する理由もない。 「なれたらいいと思ってる」    少し曖昧な返事とともに恋人になった俺たち。  食べさせあいをしたり、キスやその先もしてみたり。  恋人になった後は今までよりもっと楽しい毎日。  そんな俺達は大学に入る時に籍を入れて学生夫婦としての生活も開始。  夜一緒に寝たり、一緒に大学の講義を受けたり、新婚旅行に行ったりと  新婚生活も満喫中。  これは俺と百合が恋人としてイチャイチャしたり、  新婚生活を楽しんだりする、甘くてほのぼのとする日常のお話。

自称未来の妻なヤンデレ転校生に振り回された挙句、最終的に責任を取らされる話

水島紗鳥
青春
成績優秀でスポーツ万能な男子高校生の黒月拓馬は、学校では常に1人だった。 そんなハイスペックぼっちな拓馬の前に未来の妻を自称する日英ハーフの美少女転校生、十六夜アリスが現れた事で平穏だった日常生活が激変する。 凄まじくヤンデレなアリスは拓馬を自分だけの物にするためにありとあらゆる手段を取り、どんどん外堀を埋めていく。 「なあ、サインと判子欲しいって渡された紙が記入済婚姻届なのは気のせいか?」 「気にしない気にしない」 「いや、気にするに決まってるだろ」 ヤンデレなアリスから完全にロックオンされてしまった拓馬の運命はいかに……?(なお、もう一生逃げられない模様) 表紙はイラストレーターの谷川犬兎様に描いていただきました。 小説投稿サイトでの利用許可を頂いております。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

Bグループの少年

櫻井春輝
青春
 クラスや校内で目立つグループをA(目立つ)のグループとして、目立たないグループはC(目立たない)とすれば、その中間のグループはB(普通)となる。そんなカテゴリー分けをした少年はAグループの悪友たちにふりまわされた穏やかとは言いにくい中学校生活と違い、高校生活は穏やかに過ごしたいと考え、高校ではB(普通)グループに入り、その中でも特に目立たないよう存在感を薄く生活し、平穏な一年を過ごす。この平穏を逃すものかと誓う少年だが、ある日、特A(特に目立つ)の美少女を助けたことから変化を始める。少年は地味で平穏な生活を守っていけるのか……?

切り札の男

古野ジョン
青春
野球への未練から、毎日のようにバッティングセンターに通う高校一年生の久保雄大。 ある日、野球部のマネージャーだという滝川まなに野球部に入るよう頼まれる。 理由を聞くと、「三年の兄をプロ野球選手にするため、少しでも大会で勝ち上がりたい」のだという。 そんな簡単にプロ野球に入れるわけがない。そう思った久保は、つい彼女と口論してしまう。 その結果、「兄の球を打ってみろ」とけしかけられてしまった。 彼はその挑発に乗ってしまうが…… 小説家になろう・カクヨム・ハーメルンにも掲載しています。

俺の家には学校一の美少女がいる!

ながしょー
青春
※少しですが改稿したものを新しく公開しました。主人公の名前や所々変えています。今後たぶん話が変わっていきます。 今年、入学したばかりの4月。 両親は海外出張のため何年か家を空けることになった。 そのさい、親父からは「同僚にも同い年の女の子がいて、家で一人で留守番させるのは危ないから」ということで一人の女の子と一緒に住むことになった。 その美少女は学校一のモテる女の子。 この先、どうなってしまうのか!?

キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。

たかなしポン太
青春
   僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。  助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。  でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。 「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」 「ちょっと、確認しなくていいですから!」 「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」 「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」    天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。  異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー! ※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。 ※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。

処理中です...