幼なじみの男の子は男らしい女の子で女っぽい幼なじみは男でした

常陸之介寛浩☆第4回歴史時代小説読者賞

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第一章  高校入学

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「先入ってて」

「なんだ小便か?体流すときにすれば良いだろ」

「・・・・・・変態、俺のおしっこ姿、見たいの?」

「はぁ?何言ってんだ、普通だろ、座ってシャワーで頭流しながらしれっと小便するって」

「・・・・・・普通しないから、兎に角先入ってて」

「おう、わかった」

男は風呂でシャワーを浴びながら小便する。

勿論、使い終わったらシャワーでしっかりと流す。
 
そんなことは普通だと思っていたのだが、変態と否定されてしまった。

マナー違反と怒られるなら、まだわかるが・・・・・・。

体を洗って、2人で入るには、もったいない大きい岩風呂に入り竹垣の間から見える海原に目を向ける。

砂浜の海岸の先に大きな岩山が見られる。

島と呼ぶにはいささか小さい気がするが、『二ツ島』と呼ばれている。

昔はもう一つ小さな島が見えていたらしいが、浸食で海の中に消えてしまって、今は大きな岩山が見えている。
元々は松が生え、鵜が生息していたそうだが、311の地震で松は落ちてしまい、鵜もほとんど他に行ってしまった。

だが、砂浜にポツンとある大きな岩山は、一枚の絵画のように大海原の太平洋のアクセントになっている。

地元民でもその景色を見ながら入る風呂は贅沢だ。

眺めていると、千陽が入ってきた。

シャワーで体を流している。

「あっ、島は残っていたんだね。海外で311のニュース見ていたからどうなったか心配だったけど・・・・・・」

「この辺も川から津波があがって被害はあったんだぞ、港は結構手ひどくやられたし」

答えながら体を流している千陽のほうをチラリと見る背中、ん?・・・・・・なにか違和感?何だろう?華奢なせいかな?

「なんかした?リュウちゃん」

しっかりと振り向いて千陽の姿を見るが、湯気でぼやけ、夕焼けが背になりはっきりとは見えない。

華奢過ぎるから違和感につながるのかな?そんな疑問を持ちながら見続ける物でもないはず。

「いんやなんでもない」

"男"が体を洗っているの見てもつまらん。

また岩山と大海原を見ているとシャワーが終わったようで、

「よいしょっ」

湯船に入れる足が妙に艶やかで綺麗だ・・・・・・毛がない?上に視線をずらすと・・・・・・ないないないないないな~い!

隠されていない体に大切な物がなかった。

「えぇぇぇぇぇえ?」
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