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第6話 大腸カメラは触手でした。

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 「いっせ~のせ」

そう言うかけ声で俺は目を覚ますと、窓のない無骨な部屋に堅いまるでまな板のような台に乗せられた。

「ここは?」

小さなかすれ声がなんとか出せた。

「おお~ようございました。勇者様の意識が戻られました。これより大腸出血の止血処置をいたします」

と、言うと全身白衣の医師達六人が俺の体を必死に抑えていた。

先ほどの小柄の医師が持つ物は俺が知っている大腸カメラではない。

まるで巨大なミミズのような物。

ウナギにも見えるような黒光りしているひょろ長い何か。

それはウネウネと動いている。

「うわ~なんなんだよそれは、おい、何なんだ」

「これでございますか?アガストリアスメメズ、良いモンスターにございます。これを尻の穴から入れると体液で傷口を塞いでくれるのです」

ウニョウニョと動く長細い生物、

「おい、おい、そんな物入れるな、やめろ~~~~~~」

「勇者様に死がれたら私達も打ち首、御免、みんなしっかり抑えろよ」

「うわ~やめろ~」

俺の下半身が向かれると、

尻の穴にニュルッと冷たい感触がする。

「勇者様、治療なんです。我慢してください。さあ、息をゆっくり吐いて、お尻の力を抜いて~」

俺は尻の穴に力を入れてしぼみさせ、その謎の物が入ってくるのを拒絶したが、抵抗むなしくニュルと入ってきた。

「おわ~~~俺の尻が犯される~~~~~~」

俺は尻に異物を入れる性癖はなかった。

ソープランドで舐められても、指でいじられても気持ちよいなどと思ったことがないノーマルだ。

だから、尻は排泄だけ、一方通行。

しかし、その一方通行が今ゲートを破り入ってきた。

「うううううううぅぅぅ、なんなんだよ・・・・・・これ・・・・・・」

腹の中が自分の感覚でないものが、うにゅうにゅと遡上している。

気持ちが悪い・・・・・・。

「やめろーーーーーーーーーーー」

と、叫んだ瞬間、またブラックアウトした。
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