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第33話 遺伝子改造治療薬
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「那珂湊教授、隠さず言ってくれ。どこまで出来るんだ。いや、今流行っている病原菌には有効で数は揃えられるのか?」
小山所長が再度質問をした。
確認のために。
今まで宇都宮秀男は自白剤や拷問で聞き出せなかったこと。
「まず、今流行っている病原菌に対してと言う答えはNOだ」
「まだ技術が万能ではないという事か?」
「いや、逆だ。そんな一つの病原菌に対してと言うのが出来ない。細かすぎる。そこで私が開発したのは『全ての病原菌』に対してだ。対病原菌改造遺伝子は万人共通の遺伝子改造治療薬として完成している。ワクチンのように注射で接種する」
「それは対病原菌だけのための遺伝子改造と考えて良いのか?」
「そう言うことだ。それを使えば二度と人間は地球上の病原菌を起因とした病気には罹らない」
と、那珂湊教授が言うと、
「そんなに万能なのか?」
「他にもあるが今は対病原菌の事だけを考えよう。小山所長、君だけの決断では実行までは出来ないのだろ?だが、やる準備はしないとならない。同じく留置されている久慈川拓馬を海外に飛ばしてくれないか?」
那珂湊教授の会見場にいた、ただ一人の弟子、久慈川拓馬はまだ留置されていた。
「那珂湊教授、今はどこも国を閉ざしています。受け入れてくれる国はありません」
と、宇都宮秀男が言うが小山所長は
「それも大丈夫なんだな?」
「あぁ、心配ない。私は私が逮捕されたときの保険をいくつもかけている。その一つが、亡命の手助けをすると約束がされている。あと1ヶ月ほど私を留置しておけば、その国が外交ルートを通して抗議する手はずにもなっていた。実は亡命申請が出されていると嘘をついてくれる手はずだ」
「外交圧力か・・・・・・人道的配慮をしてくれとか?それが言えるほどの強大な国を仲間に入れていたのか。ぬかりなしだな。それは那珂湊教授の弟子達もと言う事だな?」
「そう言うことだ。久慈川君を一度スイスに飛ばしてくれれば、あとは協力者任せで大丈夫だ」
「こんな状況下でもなのか?」
世界は国を閉ざし空港を閉ざし人の出入の制限をしている。
しかも、感染の危険性が高く、防護服やマスク、ゴーグルなどが必須の状況下、スパイだろうとそれは一緒だ。
「国が発表する数値ばかりを見ているから目が曇るんだぞ、小山所長」
「・・・・・・はっ!もしかして、協力者の国は?」
「国民全員までは、まだ始めていないはずだが、国の中枢に近いような人物達はもう摂取しているはずだ」
「・・・・・・そうか、絶対的独裁者がトップの国なら出来なくはないか?マスコミ報道も捏造して・・・・・・」
「今なら、新薬のテストと称して投与出来るからな」
「自分たちが遺伝子改造されているとも知らずにか・・・・・・」
「そうなるな」
「悔しいが考えている時間はない。君の助手を解放しよう。その対病原菌遺伝子改造治療薬の製造を開始してくれ。国、いや、世界保健連盟、いや、世界は私が説得しよう」
「世界は納得はしないだろうさ」
と、那珂湊教授は小さく呟いていた。
久慈川拓馬は解放され、那珂湊教授の指示を直接受け取ると、プライベートジェット機でスイスに飛んでいった。
小山所長が再度質問をした。
確認のために。
今まで宇都宮秀男は自白剤や拷問で聞き出せなかったこと。
「まず、今流行っている病原菌に対してと言う答えはNOだ」
「まだ技術が万能ではないという事か?」
「いや、逆だ。そんな一つの病原菌に対してと言うのが出来ない。細かすぎる。そこで私が開発したのは『全ての病原菌』に対してだ。対病原菌改造遺伝子は万人共通の遺伝子改造治療薬として完成している。ワクチンのように注射で接種する」
「それは対病原菌だけのための遺伝子改造と考えて良いのか?」
「そう言うことだ。それを使えば二度と人間は地球上の病原菌を起因とした病気には罹らない」
と、那珂湊教授が言うと、
「そんなに万能なのか?」
「他にもあるが今は対病原菌の事だけを考えよう。小山所長、君だけの決断では実行までは出来ないのだろ?だが、やる準備はしないとならない。同じく留置されている久慈川拓馬を海外に飛ばしてくれないか?」
那珂湊教授の会見場にいた、ただ一人の弟子、久慈川拓馬はまだ留置されていた。
「那珂湊教授、今はどこも国を閉ざしています。受け入れてくれる国はありません」
と、宇都宮秀男が言うが小山所長は
「それも大丈夫なんだな?」
「あぁ、心配ない。私は私が逮捕されたときの保険をいくつもかけている。その一つが、亡命の手助けをすると約束がされている。あと1ヶ月ほど私を留置しておけば、その国が外交ルートを通して抗議する手はずにもなっていた。実は亡命申請が出されていると嘘をついてくれる手はずだ」
「外交圧力か・・・・・・人道的配慮をしてくれとか?それが言えるほどの強大な国を仲間に入れていたのか。ぬかりなしだな。それは那珂湊教授の弟子達もと言う事だな?」
「そう言うことだ。久慈川君を一度スイスに飛ばしてくれれば、あとは協力者任せで大丈夫だ」
「こんな状況下でもなのか?」
世界は国を閉ざし空港を閉ざし人の出入の制限をしている。
しかも、感染の危険性が高く、防護服やマスク、ゴーグルなどが必須の状況下、スパイだろうとそれは一緒だ。
「国が発表する数値ばかりを見ているから目が曇るんだぞ、小山所長」
「・・・・・・はっ!もしかして、協力者の国は?」
「国民全員までは、まだ始めていないはずだが、国の中枢に近いような人物達はもう摂取しているはずだ」
「・・・・・・そうか、絶対的独裁者がトップの国なら出来なくはないか?マスコミ報道も捏造して・・・・・・」
「今なら、新薬のテストと称して投与出来るからな」
「自分たちが遺伝子改造されているとも知らずにか・・・・・・」
「そうなるな」
「悔しいが考えている時間はない。君の助手を解放しよう。その対病原菌遺伝子改造治療薬の製造を開始してくれ。国、いや、世界保健連盟、いや、世界は私が説得しよう」
「世界は納得はしないだろうさ」
と、那珂湊教授は小さく呟いていた。
久慈川拓馬は解放され、那珂湊教授の指示を直接受け取ると、プライベートジェット機でスイスに飛んでいった。
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