ラノベ作家を目指して無理をしたら下血して目覚めたら異世界病院でした~魔王を倒しお腹を負傷して下血でドバドバな勇者に転生したので隠居生活です~
常陸之介寛浩☆第4回歴史時代小説読者賞
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第36話 王女様再びです。
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体力をすり減るような魔力回復薬を連続投与されるわけにもいかずって、体力消費大って副作用でかすぎる。
魔力完全回復するまで飲んだら体力使い切って死んでしまう。
本末転倒だ。
次の日からは、普通のポーションを朝昼晩一日三回飲んで地道に回復となった。
これは、ルートビアくらすの味だったので、『薬だ』と、しっかりと思い込めばなんとか抑えられて無理矢理飲ませられなくても自分から飲めた。
一週間静かに寝室でそれを飲んでいると、毎日5000くらいずつ魔力は回復した。
一週間で魔力が半分まで回復、体力も回復。
まあ、体調も良くなった。
昼間、庭でサッカーボールほどの大きさのゴブリンのタマ袋に空気を詰めたボールで、ケロロンと遊んでいると、
「御主人様、シェルリー王女から使いが来ていますが、お会いになられますか?私が対応しても良いのですが」
と、アリエッタが聞いてきた。
「あ~ケロロンと遊べるくらいに回復しているのに会わないのは流石に失礼だから会うよ」
「では、お召し替えを」
と、紺色のサラリーマンスーツを出してきた。
これも『妄想の具現化』で以前の俺が作った物だそうだ。
それに着替え、ネクタイを締め応接室に出向く。
その部屋は20帖の畳の部屋に二人がけの革張りソファーが真ん中のテーブルを囲むように置いてある部屋。
以前、チラッと見たことがあるセバスチャンがソファーの脇に立っていた。
礼儀正しい。
「えっと、取り敢えず座って話しましょう」
「では、失礼いたします」
と、セバスチャンは頭を下げて座った。
アリエッタが紅茶を運んできたのでセバスチャンに勧め俺も飲む。
「で、御用はなんです?」
「はっ、勇者様の自宅療養の様子を見てこいと言うシェルリー王女陛下の命でして」
「体力、魔力はちゃんと回復してきているので大丈夫ですよ」
と、お茶をすすった。
「あの、その、大変言いにくいことなのですが、御記憶は?」
と、真剣な眼差しで言ってくる。
「残念ですが、それは皆無。無理でしょうね」
と言うとセバスチャンは残念そうに目を伏せた。
「それでは、シェルリー王女陛下との御約束も思い出せないのですね」
「思い出せないというか、記憶その物がないので。断片的になにかを思い出すとかではなく。だから、俺自身が、勇者だったこともわからないし、勇者だったころの自分の人格もわからないので、別人だと思って貰って良いと思いますよ」
と、言うと、後ろに静かに立っていたアリエッタが、
「いいえ、人格はそのままです。穏やかな心を持つ勇者様と全く一緒。ずっと、一緒にいたのだから私にはわかります」
と、口を挟んで来ると、手を自分の口に当て『はっ』として、頭を下げた。
「それを聞いて安心いたしました。シェルリー王女陛下の伝言は『いつになったら結婚してくれるのよ。記憶をなくしたってリューヤはリューヤでしょ』です。これをお伝えに来たのです」
「だから、俺はその記憶がない。だから、無効ではないですか?」
「いいえ、最大戦闘能力を持つ勇者様とシェルリー王女陛下の結婚破棄は、国を揺るがしかねない大事。忘れていようとも、勇者様との結婚をそう易々とは破棄出来ません。勇者様がどこぞの国の将軍になってししまうなどあれば一大事」
と、言うのでアリエッタをチラリと見ると頷きが帰ってきた。
「あの、どこかに行くとかは考えてないですから。そのあてとなる記憶がないのですから、家にとどまるしか。それに今は全力回復が目標ですので」
「なら、せめてイバラッキー王国軍最高司令官大将軍の任命式に出てはいただけないでしょうか?それで国民が安堵いたします。あっ、今すぐ答えを貰おうなどとは考えていません。また、来ますので、その時お返事をいただければ」
と、慌ただしく言って俺の返す言葉を遮るようにして帰ってしまった。
考える時間を与えてしまえば事の重要性がわかると言うことを計算しているかのようだった。
魔力完全回復するまで飲んだら体力使い切って死んでしまう。
本末転倒だ。
次の日からは、普通のポーションを朝昼晩一日三回飲んで地道に回復となった。
これは、ルートビアくらすの味だったので、『薬だ』と、しっかりと思い込めばなんとか抑えられて無理矢理飲ませられなくても自分から飲めた。
一週間静かに寝室でそれを飲んでいると、毎日5000くらいずつ魔力は回復した。
一週間で魔力が半分まで回復、体力も回復。
まあ、体調も良くなった。
昼間、庭でサッカーボールほどの大きさのゴブリンのタマ袋に空気を詰めたボールで、ケロロンと遊んでいると、
「御主人様、シェルリー王女から使いが来ていますが、お会いになられますか?私が対応しても良いのですが」
と、アリエッタが聞いてきた。
「あ~ケロロンと遊べるくらいに回復しているのに会わないのは流石に失礼だから会うよ」
「では、お召し替えを」
と、紺色のサラリーマンスーツを出してきた。
これも『妄想の具現化』で以前の俺が作った物だそうだ。
それに着替え、ネクタイを締め応接室に出向く。
その部屋は20帖の畳の部屋に二人がけの革張りソファーが真ん中のテーブルを囲むように置いてある部屋。
以前、チラッと見たことがあるセバスチャンがソファーの脇に立っていた。
礼儀正しい。
「えっと、取り敢えず座って話しましょう」
「では、失礼いたします」
と、セバスチャンは頭を下げて座った。
アリエッタが紅茶を運んできたのでセバスチャンに勧め俺も飲む。
「で、御用はなんです?」
「はっ、勇者様の自宅療養の様子を見てこいと言うシェルリー王女陛下の命でして」
「体力、魔力はちゃんと回復してきているので大丈夫ですよ」
と、お茶をすすった。
「あの、その、大変言いにくいことなのですが、御記憶は?」
と、真剣な眼差しで言ってくる。
「残念ですが、それは皆無。無理でしょうね」
と言うとセバスチャンは残念そうに目を伏せた。
「それでは、シェルリー王女陛下との御約束も思い出せないのですね」
「思い出せないというか、記憶その物がないので。断片的になにかを思い出すとかではなく。だから、俺自身が、勇者だったこともわからないし、勇者だったころの自分の人格もわからないので、別人だと思って貰って良いと思いますよ」
と、言うと、後ろに静かに立っていたアリエッタが、
「いいえ、人格はそのままです。穏やかな心を持つ勇者様と全く一緒。ずっと、一緒にいたのだから私にはわかります」
と、口を挟んで来ると、手を自分の口に当て『はっ』として、頭を下げた。
「それを聞いて安心いたしました。シェルリー王女陛下の伝言は『いつになったら結婚してくれるのよ。記憶をなくしたってリューヤはリューヤでしょ』です。これをお伝えに来たのです」
「だから、俺はその記憶がない。だから、無効ではないですか?」
「いいえ、最大戦闘能力を持つ勇者様とシェルリー王女陛下の結婚破棄は、国を揺るがしかねない大事。忘れていようとも、勇者様との結婚をそう易々とは破棄出来ません。勇者様がどこぞの国の将軍になってししまうなどあれば一大事」
と、言うのでアリエッタをチラリと見ると頷きが帰ってきた。
「あの、どこかに行くとかは考えてないですから。そのあてとなる記憶がないのですから、家にとどまるしか。それに今は全力回復が目標ですので」
「なら、せめてイバラッキー王国軍最高司令官大将軍の任命式に出てはいただけないでしょうか?それで国民が安堵いたします。あっ、今すぐ答えを貰おうなどとは考えていません。また、来ますので、その時お返事をいただければ」
と、慌ただしく言って俺の返す言葉を遮るようにして帰ってしまった。
考える時間を与えてしまえば事の重要性がわかると言うことを計算しているかのようだった。
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