ラノベ作家を目指して無理をしたら下血して目覚めたら異世界病院でした~魔王を倒しお腹を負傷して下血でドバドバな勇者に転生したので隠居生活です~
常陸之介寛浩☆第4回歴史時代小説読者賞
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第25話 退院です。
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退院が決めれば、病院にいつまでもとどまる理由はない。
記憶がなかろうと、新たな人生を始めなければならない。
幸いなことに衣食住の困ることはないらしく、美少女奴隷までいる。
だったら、退院だ。
退院して良いと決まった翌朝、アリエッタが用意してくれた、真っ赤な立派な軍礼服に腕を通した。
なんでも、記憶をなくす前の俺の正装がこれだったらしい。
真っ赤と金の2種類の軍礼服を正装と自ら定めたらしい。
・・・・・・うん、間違いなく俺の趣味だ。
人気ロボットアニメのモビルスーツをイメージ出来る色・・・・・・そして、白いヘルメット・・・・・・。
記憶なくす前の俺、結構無茶言って作らせたのか?
そんな軍礼服に身を包むと、アリエッタが鍵をかけていた棚から日本刀を取り出し
「はい、これが御主人様の武器だったのですよ。聖剣シシオウマル」
と、渡してきた。
受け取ると、不思議とさわり慣れた車のハンドルのように掌になじむ感じ。
一応抜いてみると、鉄とは明らかにちがう金属で、薄く青い光をぼんやりとだが出していた。
・・・・・・これがオリハルコン?閻魔ちゃんに頼んだ刀・・・・・・。
「俺は、これで魔王を倒したのか?」
と、聞くと、
「はい、御主人様は最後の力で魔王の心臓を。魔王は差し違えるかのように御主人様のお腹に一撃を」
と、アリエッタは俺のお腹を優しく触っていった。
「あっ、ごめんなさい」
と、手をすぐに引っ込めた。
「構わないさ。もう治ったんだからね」
と、言いながら納刀して、腰の革製の帯剣ベルトに装着した。
トントントン
と、部屋の戸がノックされて開けられるとプルート先生だった。
「ぬほほほほほほほほほほほほほほほほ~~~~、リューヤ様の凜々しいお姿、ぬほぬほぬほ、うお~~」
と、鼻息荒く興奮している。
アリエッタが、
「プルート先生は御主人様の軍礼服姿が大好きなのですよ」
と、耳打ちをしてくれた。
そんな少々変わった先生でも世話になった先生だ。
しっかりと挨拶をせねば
「先生、お世話になりました」
と、挨拶をするとプルート先生は抱きついてきた。
「なに水くさいこと言うのよ。良いのよ、良いのよ・・・・・・カプッ」
「うわ~~、何するんですか」
と、首筋を噛んできたプルート先生を両手で離すと、プルート先生は首を横に傾げ
「ずっと、今までもこうしてきたじゃない。今までは病人だったから遠慮してきたけど」
と、言う。
「御主人様、プルート先生はドラキュラ族の始祖、その始祖を倒してしまったからドラキュラ族の掟で御主人様の家臣になったのですよ」
と、設定を教えてくれた。
・・・・・・設定とか言ってはだめか。
過去の記憶だな。
「えっと、俺、たまに血を吸わせていたって事でOK?」
と、聞くと
「そうですよ」
と、アリエッタが言うと
「いつも吸わせさせてくれていたのに」
と、プルート先生は悲しげな表情を見せた。
「わかりました。腕でちょこっとだけですからね」
と、その表情に負けた俺は腕まくりをして、吸わせてあげると
「う~んデリシャ~~~ス」
と、喜びの表情に変わった。
「では、退院させていただきます」
と、初めて病室を一歩出ると廊下には、医者、看護師、患者、付き添いの人?が廊下の両脇に並んでいた。
「退院、おめでとう御座います」
「おめでとう御座います」
「勇者様、バンザイ、バンザイ、バンザイ」
パチパチパチパチ
と、拍手喝采。
・・・・・・うっ、恥ずかしい・・・・・・。
だが、こんな目立つ軍礼服を身にまとうくらいだ。
この異世界の過去の俺は、胸を張って歩いたはず。
顔をにやけるのを必死に堪えて、廊下をすすんだ。
そして、病院を始めて一歩踏み出した。
記憶がなかろうと、新たな人生を始めなければならない。
幸いなことに衣食住の困ることはないらしく、美少女奴隷までいる。
だったら、退院だ。
退院して良いと決まった翌朝、アリエッタが用意してくれた、真っ赤な立派な軍礼服に腕を通した。
なんでも、記憶をなくす前の俺の正装がこれだったらしい。
真っ赤と金の2種類の軍礼服を正装と自ら定めたらしい。
・・・・・・うん、間違いなく俺の趣味だ。
人気ロボットアニメのモビルスーツをイメージ出来る色・・・・・・そして、白いヘルメット・・・・・・。
記憶なくす前の俺、結構無茶言って作らせたのか?
そんな軍礼服に身を包むと、アリエッタが鍵をかけていた棚から日本刀を取り出し
「はい、これが御主人様の武器だったのですよ。聖剣シシオウマル」
と、渡してきた。
受け取ると、不思議とさわり慣れた車のハンドルのように掌になじむ感じ。
一応抜いてみると、鉄とは明らかにちがう金属で、薄く青い光をぼんやりとだが出していた。
・・・・・・これがオリハルコン?閻魔ちゃんに頼んだ刀・・・・・・。
「俺は、これで魔王を倒したのか?」
と、聞くと、
「はい、御主人様は最後の力で魔王の心臓を。魔王は差し違えるかのように御主人様のお腹に一撃を」
と、アリエッタは俺のお腹を優しく触っていった。
「あっ、ごめんなさい」
と、手をすぐに引っ込めた。
「構わないさ。もう治ったんだからね」
と、言いながら納刀して、腰の革製の帯剣ベルトに装着した。
トントントン
と、部屋の戸がノックされて開けられるとプルート先生だった。
「ぬほほほほほほほほほほほほほほほほ~~~~、リューヤ様の凜々しいお姿、ぬほぬほぬほ、うお~~」
と、鼻息荒く興奮している。
アリエッタが、
「プルート先生は御主人様の軍礼服姿が大好きなのですよ」
と、耳打ちをしてくれた。
そんな少々変わった先生でも世話になった先生だ。
しっかりと挨拶をせねば
「先生、お世話になりました」
と、挨拶をするとプルート先生は抱きついてきた。
「なに水くさいこと言うのよ。良いのよ、良いのよ・・・・・・カプッ」
「うわ~~、何するんですか」
と、首筋を噛んできたプルート先生を両手で離すと、プルート先生は首を横に傾げ
「ずっと、今までもこうしてきたじゃない。今までは病人だったから遠慮してきたけど」
と、言う。
「御主人様、プルート先生はドラキュラ族の始祖、その始祖を倒してしまったからドラキュラ族の掟で御主人様の家臣になったのですよ」
と、設定を教えてくれた。
・・・・・・設定とか言ってはだめか。
過去の記憶だな。
「えっと、俺、たまに血を吸わせていたって事でOK?」
と、聞くと
「そうですよ」
と、アリエッタが言うと
「いつも吸わせさせてくれていたのに」
と、プルート先生は悲しげな表情を見せた。
「わかりました。腕でちょこっとだけですからね」
と、その表情に負けた俺は腕まくりをして、吸わせてあげると
「う~んデリシャ~~~ス」
と、喜びの表情に変わった。
「では、退院させていただきます」
と、初めて病室を一歩出ると廊下には、医者、看護師、患者、付き添いの人?が廊下の両脇に並んでいた。
「退院、おめでとう御座います」
「おめでとう御座います」
「勇者様、バンザイ、バンザイ、バンザイ」
パチパチパチパチ
と、拍手喝采。
・・・・・・うっ、恥ずかしい・・・・・・。
だが、こんな目立つ軍礼服を身にまとうくらいだ。
この異世界の過去の俺は、胸を張って歩いたはず。
顔をにやけるのを必死に堪えて、廊下をすすんだ。
そして、病院を始めて一歩踏み出した。
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