ラノベ作家を目指して無理をしたら下血して目覚めたら異世界病院でした~魔王を倒しお腹を負傷して下血でドバドバな勇者に転生したので隠居生活です~
常陸之介寛浩☆第4回歴史時代小説読者賞
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第21話 見舞客は女王様でした。
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トントン
と、病室のドアをノックする音がするとアリエッタが、ドアを開けた。
すると、きっちりとしたスーツと言うのか燕尾服と言うのか、異世界物アニメで見るような執事服?を着た白いひげを生やした紳士が立っていた。
アリエッタが一度廊下に出て小声で話すと、紳士ではなく、なんとも高飛車な女性の声が筒抜けに聞こえてきた。
「私が良いと言っているんだから会わせなさいよ」
「しかし、勇者様はすべての記憶を失っておいでで、別人格に御座います。今はまだ混乱しているご様子で、お見舞いには時期尚早かと思われますが」
と、廊下が騒がしくなっている。
「アリエッタ、俺に会いたいという者なら通して良いから」
と、ドアを開けて廊下に顔を出すと、まさに絵に描いた女王?プリンセス?ダイヤモンドだかが散りばめられたら王冠を被り、金髪碧眼のすらりと背の高い10代後半から20代前半くらいの女性が立っていた。
「なんだ!元気なんじゃない、心配したんだからね」
と、高飛車にも言いながら目には涙を滲ませ、本心から心配していた表情を見せるが、申し訳ない事に俺にはこの世界の記憶はない。
「誰?」
と、言うしかなく言葉を出すと、涙を滲ませ堪えていた女性は大粒の涙を頬を伝わせ流し始めた。
「他の全ての事を忘れていても、私の事は覚えていると思っていたのに、セバスチャン行くわよ」
と、急ぎ足で立ち去ってしまった。
俺は、この異世界で魔王を倒す冒険をし、魔王を倒した勇者の肉体に転生した。
いや、閻魔ちゃんの言う事が夢でなかったなら、転生をして冒険をして魔王を倒したのは俺なのだろう。
しかし、魔王から受けた傷、受けた呪いで、その記憶全てが抜け落ちてしまった。
どうするにも、こればかりは、自分で対処の仕様が無い。
「アリエッタ、女王様とは俺はどういう関係なんだ?」
一勇者の見舞いに来て、あの反応は明らかに尋常ならざる物。
鈍感主人公ではない。
前世では、それなりに恋愛もし、結婚もしていた。
女性の心をすべて把握できるとまではいかないが、あの涙は特別な物を感じた。
「御主人様と女王様は結婚のお約束をなされております。冒険の途中で、国際会議に出席された女王様を魔王軍からお助けしてからと言う物、女王様は御主人様を大層気に入ったのです。それまで男嫌いを公言して数々のお見合いを断ってきた女王様に奇跡が起きたとして、病床に着いておられた先の王様が御主人様を呼び出し、動かぬ体を必死に起こして、御主人様に女王様との結婚をお願いしたのです。その姿に心打たれた御主人様は了承して、仮祝言を挙げられ、魔王を倒した暁には、正式に婿入りする予定だったのです。その約束に先の王様は安堵なされて天に旅立ったのです」
・・・・・・俺、なんか、すげー約束を忘れてしまっている。
いや、この世界の記憶その物がないのだからどうしようもないが、病を押して頼んできた王様に失礼極まりない。
「俺って、その場合、王様?」
「いえ、貴族の最高位として女王様を補佐する役職になる事となっています。王位継承権はお二人の子が持つことになります」
なるほど、この世界の王位は男女関係なく世襲制度か。
「女王様に、いや、先代の王様に悪いことしちゃったかな?」
「そうとは言い切れませんよ。約束を反故になされたわけではないのですから。女王様は御主人様の今のお姿に驚いただけだと思います。あの方ならきっとまた来ますよ。そのとき、御主人様はお約束をどうなさるか、お考えしてはいかがでしょうか?」
と、アリエッタは言うと病室から出て行き、一人にしてくれた。
結婚か・・・・・・。
可愛かったしなぁ。悪くはないけど、貴族・・・・・・。
政治には関わりたくはないな。
出来るならひっそりと暮らしたい。
茨城県の袋田の滝近くの温泉宿街近くに小さなペンションを建てて細々と暮らしたかったという夢を思い出しながら、今後、女王様をどうするか静かに考えた。
と、病室のドアをノックする音がするとアリエッタが、ドアを開けた。
すると、きっちりとしたスーツと言うのか燕尾服と言うのか、異世界物アニメで見るような執事服?を着た白いひげを生やした紳士が立っていた。
アリエッタが一度廊下に出て小声で話すと、紳士ではなく、なんとも高飛車な女性の声が筒抜けに聞こえてきた。
「私が良いと言っているんだから会わせなさいよ」
「しかし、勇者様はすべての記憶を失っておいでで、別人格に御座います。今はまだ混乱しているご様子で、お見舞いには時期尚早かと思われますが」
と、廊下が騒がしくなっている。
「アリエッタ、俺に会いたいという者なら通して良いから」
と、ドアを開けて廊下に顔を出すと、まさに絵に描いた女王?プリンセス?ダイヤモンドだかが散りばめられたら王冠を被り、金髪碧眼のすらりと背の高い10代後半から20代前半くらいの女性が立っていた。
「なんだ!元気なんじゃない、心配したんだからね」
と、高飛車にも言いながら目には涙を滲ませ、本心から心配していた表情を見せるが、申し訳ない事に俺にはこの世界の記憶はない。
「誰?」
と、言うしかなく言葉を出すと、涙を滲ませ堪えていた女性は大粒の涙を頬を伝わせ流し始めた。
「他の全ての事を忘れていても、私の事は覚えていると思っていたのに、セバスチャン行くわよ」
と、急ぎ足で立ち去ってしまった。
俺は、この異世界で魔王を倒す冒険をし、魔王を倒した勇者の肉体に転生した。
いや、閻魔ちゃんの言う事が夢でなかったなら、転生をして冒険をして魔王を倒したのは俺なのだろう。
しかし、魔王から受けた傷、受けた呪いで、その記憶全てが抜け落ちてしまった。
どうするにも、こればかりは、自分で対処の仕様が無い。
「アリエッタ、女王様とは俺はどういう関係なんだ?」
一勇者の見舞いに来て、あの反応は明らかに尋常ならざる物。
鈍感主人公ではない。
前世では、それなりに恋愛もし、結婚もしていた。
女性の心をすべて把握できるとまではいかないが、あの涙は特別な物を感じた。
「御主人様と女王様は結婚のお約束をなされております。冒険の途中で、国際会議に出席された女王様を魔王軍からお助けしてからと言う物、女王様は御主人様を大層気に入ったのです。それまで男嫌いを公言して数々のお見合いを断ってきた女王様に奇跡が起きたとして、病床に着いておられた先の王様が御主人様を呼び出し、動かぬ体を必死に起こして、御主人様に女王様との結婚をお願いしたのです。その姿に心打たれた御主人様は了承して、仮祝言を挙げられ、魔王を倒した暁には、正式に婿入りする予定だったのです。その約束に先の王様は安堵なされて天に旅立ったのです」
・・・・・・俺、なんか、すげー約束を忘れてしまっている。
いや、この世界の記憶その物がないのだからどうしようもないが、病を押して頼んできた王様に失礼極まりない。
「俺って、その場合、王様?」
「いえ、貴族の最高位として女王様を補佐する役職になる事となっています。王位継承権はお二人の子が持つことになります」
なるほど、この世界の王位は男女関係なく世襲制度か。
「女王様に、いや、先代の王様に悪いことしちゃったかな?」
「そうとは言い切れませんよ。約束を反故になされたわけではないのですから。女王様は御主人様の今のお姿に驚いただけだと思います。あの方ならきっとまた来ますよ。そのとき、御主人様はお約束をどうなさるか、お考えしてはいかがでしょうか?」
と、アリエッタは言うと病室から出て行き、一人にしてくれた。
結婚か・・・・・・。
可愛かったしなぁ。悪くはないけど、貴族・・・・・・。
政治には関わりたくはないな。
出来るならひっそりと暮らしたい。
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