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第16話 主治医はドラキュラでした。

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「っとに、私が王都に行ってる間に目覚めるって、なんの間の悪さよ」

と、突如ドアを開け入ってきた人物はピンク色の髪で目は赤く背は小さく、黒いヒラヒラが多いゴスロリドレスに床に擦りそうなくらいの白衣を着た人物だった。

「だれ?」

「本当にリューヤちゃん私が誰だかわからないの?穴に棒を突っ込み合う仲じゃないの!」

???セックスをする関係?恋人?夫婦?セックスフレンド???

「変な事言わないで下さい。プルート先生と御主人様は宝箱の鍵を一緒に開けたくらいじゃないですか!」

「アリエッタ、それ本当?」

「あら、いたの?アリエッタ」

「ずっといましたよ、御主人様とは一心同体」

「あら~入れて貰った事ないくせに」

「それは、プルート先生だって一緒じゃないですか。私は冒険が終わったら一緒に暮らす約束してるんですから、きっと初めての夜は・・・・・・」

と、顔を赤らめながら上目づかいで俺を見てきた。

一緒に暮らす約束をしたのか?ん~、可愛いが好きと言う愛情なしに女性は抱きたくないし・・・・・・。

「って、先生?」

「そうよ、リューヤちゃんの主治医よ。リューヤちゃんの体にいろんな物を刺したのは私よ」

「だから、プルート先生、変な言い回しはしないでください。御主人様の血管に的確に針を刺したのは認めますけど」

「アリエッタ、こんなのが医者なの?」

と、ゴスロリ娘に指をさして言うとゴスロリ娘は口をニヤリとあけ鋭い牙を出し

「こんなのって酷い!一緒に冒険して精力回復役に徹して来たのに。魔王に受けた致命傷もなんとか押さえ込んで病院まで運んできたのは私なのに」

アリエッタを見ると、

「精力ではなく、傷の回復役。悔しいけど確かにプルート先生は医者です。ドラキュラ族の最後の生き残りにして最強の医者」

「ドラキュラ族?」

「そうよ、そんな事も忘れちゃったの?私はリューヤちゃんの血を貰う代わりに従者として一緒に冒険したんじゃない。私はもうリューヤちゃんなしでは生きられないわ」

「それはプルート先生が御主人様の血の味を気に入っただけじゃないですか!いい加減にしてください。御主人様、混乱してますよ」

混乱するも何も、覚えていないものは覚えていない。

俺は異世界転生ハーレム冒険をしていたのか?わからない。
そんな記憶をなくしてしまうとはもったいない。

「まっ、冗談はさておき、ちょっとシャツを上げてお腹を出して、パンツを下ろしてオチンチンを出して横になりなさい」

と、聴診器を構えた。

パンツを下ろすのは、この人特有の冗談なのだろう、シャツを上げて横になると、

「くっ、パンツは気が付いたようね」

と、言いながら聴診器をお腹に当てた。

「凄い凄いはドクドクと流れる音。あ~体が熱くなっちゃう」

と、身をクネクネとしていた。

「で?どうなの?」

「ちゃんと腸は動いているわ。まさか、あれほどの傷が治るとは思わなかったわよ。王都に術師を集めさせ交代で24時間365日魔力を与え続け生かし続ける予定だったのに」

「植物人間状態?」

「王女様の命令だったのよ。生かし続けている間に賢者を育てて複数人で強力な回復魔法をすれば治るのでは?って賭けで」

なるほどな、平成の地球でも機械を使って延命させて医療技術の進歩、新薬の承認を待つ、聞かない話ではない。

「それって星をも掴む奇跡的な話では?」

「あら、記憶はそこまで欠如しているのね。リューヤちゃんは勇者でありながら魔法も最強、そして、回復呪文も最強。心臓や脳が傷付きえぐられようと『回復呪文・神の手』で治していたのよ」

そんな力が俺に?

今も使えるのだろうか?

それより今は退院したい。

「退院出来ますよね?」

「流石にそれは駄目よ。1カ月は見守らせて頂きます。ちゃんと下血していないか確認しないと。お腹の調子は良さそうだから、食事は全食にするわね。それじゃ~またあとで。王女様に報告書書かなきゃ」

と、言いながら部屋を出て行った。
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