天寿を全うしたら美少女閻魔大王に異世界に転生を薦められました~戦国時代から宇宙へ~

常陸之介寛浩☆第4回歴史時代小説読者賞

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宇宙の旅・一番長い肩書

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宇宙条約惑星間協定会議の場に龍之介の宇宙惑星同盟軍、軍最高指揮官連合艦隊司令長官就任に異議を唱える者が一人大きく、

「異議あり」

と、叫んでいた。
それは、なんの実績もない龍之介が軍のトップになるのだから当然である。
異議を出ないほうがおかしな話である。

「ミランボッチ星大使シュマール・バリバリ・ブッフはこの人事に異議を申し上げます、そのどこぞの御人かわからぬような人に軍の指揮を任せるのは納得できません、ましてやその戦闘力すらわからぬ人物がトップなどとふざけています」

再度その人物は異議の言葉を言い直した。

すると、バシレウスが龍之介に、

「彼は一度、パカルに婚姻を申し出ているのですが断られているのですよ、戦闘にもそれなりの腕があるのでこの人事に異議を唱えるのは予想出来ていたのですが」

と、耳打ちをしたあとバシレウスは会場に向けて発言した。

「彼の実力は本物、この私ですら刃を交える事すらできませんでした」

と、発言すると会場に驚きのどよめきが上がっていた。

「では、その実力見せていただきたい。私と模擬試合を」

と、ミランボッチ星大使シュマール・バリバリ・ブッフは発言した。
その発言に会場内では確かに、実力を見なければ任せられないという賛同の声がちらほらと聞こえていた。
龍之介はこの展開だと何人かと闘わなければならなくなる、ラノベにありそうな展開だなと思っていた。
そこで龍之介は、目を閉じ両手を合わせ指は印を結ぶようにし、ぶつぶつと唱え始めていた。

「ノウマクサンマンダバザラダンセンダマカショラダソヤタラタウンタラタカンマン」

そうすると、龍之介は目を見開き、眼光炯炯に会場をにらみつけると黄金の光に包まれ光輝きだす。
宇宙を行き来する人々にとってそれくらいの科学的な仕掛けはたやすくできる為、会場にいた大使たちは最初はその輝きもその類いであろうとさして驚く様子もなかったがその光は次第に会場全体に広がる。
すると、龍之介から近い大使からだんだんと顔色が真っ青になり全身の毛穴が広がり鳥肌が立ち、涙を流すもの、泡を吹いて気絶する者、何かに祈り許しを請うもの、拝み続ける者が続出していた。
立ち上がっていたミランボッチ星大使シュマール・バリバリ・ブッフも地べたに腰を着き震えだし腰を抜かして後ろに逃げたくても逃げられない状況に陥っていた。

「婿殿?なにを?」

光はもちろん龍之介が自在に操り、春やエリリ、司録、バシレウス、ピルターはなんともないのである。

「少し、神のお力を借りただけにございます。害はありません」

パンっ

と、手を叩くと一気に光は消えていた。

「今は力の片りんを出させていただきました。申し訳ありませんが今の一割ほどの力でしかありません、それでも私と戦いと申し出られるのでしたら受けて立ちますがいかがでしょうか?」

と、会場に向けて言う龍之介。
会場は静まり返っていた。

「え~言い忘れておりましたが、こちらの方がこの現空間世界でのただ一人しか現れない転生者であり、神の祝福を受けているものでございます」

と、バシレウスが言うと、

「宇宙惑星同盟軍、軍最高指揮官連合艦隊司令長官就任、賛成」

「私も賛成」

「異議なし」

との声が出始める。

「では、採決を取ります。お手元の投票ボタンをお願いいたします」

賛成235、反対0

「これにより三上龍之介正圀を宇宙惑星同盟軍、軍最高指揮官連合艦隊司令長官と任命いたします」

と、バシレウスが言う。

「一つよろしいでしょうか?」

「なんですか?婿殿」

「私は肩書が長いのを誇りとしています。私の地球では平和維持連合代表・正一位終身関白太政大臣帝代理大日本合衆国統治責任者全権大使大将軍藤原朝臣三上龍之介正國と申します。宇宙惑星同盟軍、軍最高指揮官連合艦隊司令長官となるのであるならば、その肩書もそのままつけていただきたい」

バシレウスはその長い肩書を情報端末に打ち込む。

「了承いたしました。宇宙惑星同盟軍・軍最高指揮官連合艦隊司令長官・地球代表大使・平和維持連合代表・正一位終身関白太政大臣帝代理大日本合衆国統治責任者全権大使大将軍藤原朝臣三上龍之介正國を正式名といたします」

ラノベ史史上最も長い肩書の人物が誕生した瞬間だった。

 
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