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宇宙の旅・スイゾクオオアライ星

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パカルが料理したチンアナコンダのソテーは、宇宙船に乗る全乗組員に振舞われた。
飯に関して、階級の高い低いなどで差別はされない、もちろん量もである。
このような密室で生活を長い期間ともにすると言う環境下では、そのようなことの
不満の積み重ねで、反乱を招いたりしかねない。
しかし、チンアナゴのソテーは評判は悪くパカルに見られないように処分する者が
ほとんどであった。
龍之介達もパカルを正面にいながら申し訳なさそうに箸をおいた。
味の云々より、腹を壊す可能性があったからであった。
パカル本人も完食することはなかった。

「しかし、困りました。食料の確保をしないとコウナン星までの
宇宙空間移動エネルギーの充電にしばらくかかるようで連絡もうまくできないらしく」

「では、しばらくは狩猟を続けて食料の確保を続けるしかないですね、
幸いなことにこの星には生物が多いようなので、私に任せていただければ
食料の確保には問題はないですよ。味の保証はできませんが。」

「はい、危険ではありますがそうしないと仕方ないですね、龍之介様お願いします」

「はっはっはっは、今の私にはあのくらいの生物など特段危険な物ではないですよ」

そう龍之介が言うと、春が同意のうなずきをしていた。
パカルの目には人類最強の男の勇ましい輝きを感じていたのかもしれない。

どうやらこのスイゾクオオアライ星も昼夜があるようで、外は暗くなっていた。
龍之介にとってその暗闇など問題ではない。
しかし、同行する春やパカル、ピロリンがいる為、夜は船内で就寝し次の日から
昼間は狩猟をし食材の確保、夜は船内に戻ってはその食材を食し就寝する日々が
続いた。

大空を泳ぐかのように大きなひれをパタパタと飛ぶ巨大エイ。

静かに俺は誰ですか?どこにいけばいいです?っとすっとぼけた顔して、
飛んでいる巨大マンボウ。

巨大すぎて大地に突如夜に変わったのではないか?と、思わせる空飛ぶクジラ。

陸には、手足を生やして光沢あるヌメっとした黒光りした皮膚を持つイルカ。

ぶよぶよとした巨大な体を八本の足を使って進み黒い液を大地を抉るかのような
勢いの高圧噴射してくる巨大タコ。

大地の色に変色し擬態して隠れ潜んでいる、巨大イカ。

この星に住む生物は、地球上の海の生物が巨大化し空を飛んだり陸に這い上がった
生物のようであった。
そんな巨大な生物に必ずと言っていいほど、ピロリン船長は一飲みにされそれを
龍之介が叩き斬る、そんな狩猟の日々が続いた。
ピロリン船長はルアーの役目を担っているかのようであった。
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