天寿を全うしたら美少女閻魔大王に異世界に転生を薦められました~戦国時代から宇宙へ~

常陸之介寛浩☆第4回歴史時代小説読者賞

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宇宙の旅・一歩

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龍之介は開かれた扉より一歩踏み出す、大きく深呼吸をし呼吸が出来ることを
確認した。

「うん、大丈夫だ、息はできるし有害なものは検知していない」

龍之介は陰陽力と言うにはその域を脱した力で大気の状態を確認していた。
そして、タラップから一歩一歩慎重に歩みを進める。
この一歩は人類にとって大きな一歩。
月に降り立つよりも先に地球より遥かかなたの星の大地に一歩と足跡を
着けている。
龍之介は始めて降り立つ異星の大地を足の裏の全神経を集中させかみしめていた。
歓喜感激感無量
言葉にできない、声に出せない喜びをグッと拳を握りしめる事で表現していた。
大地は土と言うよりじゃりじゃりとした砂、ところどころに背の低い草が
生えている。
安土桃山時代設定異世界に転生したはずの龍之介は異星の土を踏みしめている。
その光景を龍之介は流石に予想していなかった。
遥かかなたの異星の地平線をひたすら立ちすくみ見ている。
すると、続いて降りた春が、

「これが異星ですか?
ずいぶん磯の香りがする大地ですね、まるで茨城の夏の海岸にいるような」

と言うと、ピロリン船長が、

「はい、この星は常に湿度が90%以上ありますから」

「ベタベタして不快な大気です」

と、パカルが自分の腕のべたつきを確かめながら語った。
大気は夏の湿度の高い靄(もや)がかった海水浴場のようであった。
磯の香りが強く充満し、舌を出せばしょっぱい味が感じられそうな靄(もや)
常人には遠くまで見渡すことはできないが龍之介にはなんら問題がなかった。
千里眼?心眼?神眼(しんがん)?の力で遠くを見渡している。
龍之介は指を差し、

「この方向のおおよそ30分くらい歩く距離になにやらゆらゆらとうごめく
林のようなものが見えます」

「では、そちらのほうに行ってみましょう」

パカルの同意を得た龍之介は先頭となり歩みを始める。
龍之介、春、パカル、ピロリンの順、
龍之介の護衛である春が先頭になりそうなものだが、春には龍之介のような
常軌を逸した力は持っておらず、この靄の中目的の地へ足を進めるのは龍之介
でしかできないことであった。

30分ほど歩くと、目的の地へとたどり着くがそこには林などなく赤い砂の
砂漠が広がっていた。

「ぬ?おかしい?先ほどこの辺りにゆらゆらと揺れる物たちが見えたのだが?
巨大なニョ〇ニョロだかヌコの集団のようなものが・・・・・・」

一同が周りを見渡していると靄(もや)は濃くなり霧(きり)、濃霧となり視界が
前方10メートルぐらいしか見えなくなっていた。

「みなさん気を付けてください、ぬわーーーーーーーーーーーーーーー」

ピロリン船長が悲鳴が響き渡った。
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