天寿を全うしたら美少女閻魔大王に異世界に転生を薦められました~戦国時代から宇宙へ~

常陸之介寛浩☆第4回歴史時代小説読者賞

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宇宙の旅・信用

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「はい、わかりました。ピロリン船長、開けてください」

そうパカルが指示すると出口につながるドアが開かれた。
扉は三十構造となっており一枚のドアを通ると後ろのドアが閉まり、前のドアが
開く、開いたドアを通ると今通ったドアが閉まり、最後のドアが開いた。
外に足を踏み出したのは4人、龍之介、春、パカル、ピロリンであった。
宇宙船の操縦士は先程の騒ぎで、行動を一緒にしようとする気がなくなっていた。
龍之介と言うより、龍之介の為ならと抑制の規かない美少女剣士の春を
恐れたためであった。
春は宇宙船を出るとき、立ち上がっていたタキムクの耳元に顔を近づけて、

「次に殿下に危害を加えようとしたら腕ではなく首を落とすからな」

と、小声で告げた。
それを聞き逃す龍之介ではなかっが、止めはしなかった。

エリリと司録は宇宙船内に残った。
残ったと言うより意図的に残る役目についた。
同舟、相救う。
そのような言葉を信じるほど龍之介は楽観的ではなかった。
王女であるパカルや船長であるピロリンが同行しても宇宙船が飛び絶たないという
保証はどこにもなかったからだ。
助かりたいという一心で反乱がおき宇宙船が飛び絶ってしまうかもしれない、
そうなれば残された4人は残された星で一生を終えることになる。
いざというときにそれを止める信用できる人物、腹心を残す必要があった。
それがエリリの役目であった。
エリリがいたからこそ、龍之介は安心して自由ができたのであった。

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