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宇宙の旅・陰陽力の覚醒その2
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パンッとかわいらしい柏手(かしわで)の響きが聞こえると、部屋に充満していた煙はアタッシュケース型祭壇に消えていき、ピンクのセーラー服に身を包んだ一人の女の子がぺたっと女の子座りで座っていた。
座っていた女の子は立ちあがり、中学生のようなセーラー服のスカートをパッパと叩きシワを整え直した。
ひれ伏している龍之介を見た女の子は、額には太山府君と書かれた銀の前立てが髪飾りのように光っていた。
「呼び出したのはあなたね、顔を上げていいわよ。」
龍之介は、煙と共に出てきた女の子へと顔をあげる。
一同は太山府君を呼び出したはずなのに十代中頃の少女の出現に呆気を取られ言葉が出せずにいた。
どことなく見知った顔に似ている美少女。
「私の美少女さに見とれてしまって声も出ないのね?当然だわ。」
「えっと、太山府君様を呼び出したはずなのですが?」
「その名前は嫌い、フゥー様とお呼び!」
「ゴホン」と、咳払いをする司録。
その方向へと視線を向ける太山府君、見知った顔に驚く。
「え?え~?なに?なんでここに司録ちゃんがいるの?」
振り向き、壁際に座っている司録の顔を見る龍之介。
「司録殿、お知り合いですか?」
「え~もちろん、太山府君様は閻魔ちゃんの妹君ですので。」
「い、い、いもうと?だから、なんか呼び出したくない感じだったのですね?確かに似ていますね。」
「まぁ~そんなところです。」
「司録ちゃん、この人、誰?やたら親しげだけど。」
「私の御主人です。」
「司録殿…いつ、私があなたの主人になったと言うのですか?」
「それを言わせるのですか?あれは確か、一緒に露天風呂に入ったあの晩ズッポリと・・・」
「わ~~わかりました。真面目キャラ設定だったのに一気にキャラ崩壊しましたよ…フゥー様、確かに司録殿は私の側室の一人です。」
「一人って何人も側室をはべらかせているの?ん!あれ?司録ちゃんとお姉様の男って確か一緒じゃなかった?ハ-レム?ハ-レムル-トなのね。」
「あ~はい、多分それ、私だと思いますよ。閻魔ちゃんとの間にも子はいますので。」
「え!じゃあ、あなたがあの龍之介?」
「どのだかはわからないですが、はい、龍之介です。」
「お姉様の男なら私には義兄様?……お兄ちゃんって呼んであげても良くてよ、はっ!もしかして、私も手籠めにして側室にする気?姉妹丼なんてとんだ鬼畜ね。」
両腕を自らの体に回し、防御の体勢になる太山府君。
「遠慮させてください。」
目をギュッと瞑りまいったと言う表情をする龍之介。
「太山府君様、そろそろお仕事のお話を」
困り出していた龍之介をみかねて司録が話を進めてくれた。
「そうね、で、お姉様の男お兄ちゃんは私に何か用かしら?」
「はい、年老いた私たちの体を若さ溢れる体に戻したくご協力を願いたいのです。」
「寿命の上書き延命ではない願いなんて初めてだわ!」
「出来ませんか?」
「出来るか出来ないかってより、やったことがないわよ。でも、お姉様の男お兄ちゃんの頼みなら試してみても良いわよ。断ったなんてお姉様に知られたらどんな罰があるやら知れないわ!先ずは、寿命を確認してみるわね。」
太山府君はジャジャラと缶バッチの付いた鞄から、耳に掛ける片眼のサングラスな様なものを取り出し装着する。
「えっと、お姉様の男お兄ちゃんの戦闘力は・・・・・・」
「まさかの、スカウター!」
「あっ!寿命ね、寿命を見なきゃ、」
ピッ
耳に掛けた装置のボタンを押す。
「あれ?あれ?寿命……」
って言おうとした瞬間に、司録が太山府君にもう突進でラリアートをくらわし後ろに飛び倒れる太山府君。
「ぐうぇ~~、イタタタタタ、何するのよ!司録ちゃん!」
倒れ尻餅をつき腰をなでなでしながら座っている太山府君の耳もとに口を近付け、
「……………………………」
「うん、うん、え~……なるほど、なるほど、だからお姉様が唾つけたのね。司録ちゃんも?」
何やら話しているが龍之介達には司録の声が聞き取ることが出来ない。
司録の話が終ると立ちあがり、セーラー服のスカートをパッパと叩きシワを整え直した。
「えっと、お姉様の男お兄ちゃん、若返りならあなた自身の陰陽力で細胞活性再生をすれば良いじゃない。あなたの陰陽力はその次元まで到達しているわ。」
両手の掌をまじまじと見つめる龍之介。
「そんなに万能な陰陽力が?」
「陰陽力、妄想の具現化よ、異能力では最高位よ。今まで使わなかったの?」
「はい、ほとんど使っていません。」
「そっか、なら使い方教えてあげるわ、筆下ろしね!」
「っつぁ~、美少女台無し。」
にんまりとしてやったり顔の太山府君に、ギロっと見つめる司録。
「司録ちゃん、冗談よ。」
座っていた女の子は立ちあがり、中学生のようなセーラー服のスカートをパッパと叩きシワを整え直した。
ひれ伏している龍之介を見た女の子は、額には太山府君と書かれた銀の前立てが髪飾りのように光っていた。
「呼び出したのはあなたね、顔を上げていいわよ。」
龍之介は、煙と共に出てきた女の子へと顔をあげる。
一同は太山府君を呼び出したはずなのに十代中頃の少女の出現に呆気を取られ言葉が出せずにいた。
どことなく見知った顔に似ている美少女。
「私の美少女さに見とれてしまって声も出ないのね?当然だわ。」
「えっと、太山府君様を呼び出したはずなのですが?」
「その名前は嫌い、フゥー様とお呼び!」
「ゴホン」と、咳払いをする司録。
その方向へと視線を向ける太山府君、見知った顔に驚く。
「え?え~?なに?なんでここに司録ちゃんがいるの?」
振り向き、壁際に座っている司録の顔を見る龍之介。
「司録殿、お知り合いですか?」
「え~もちろん、太山府君様は閻魔ちゃんの妹君ですので。」
「い、い、いもうと?だから、なんか呼び出したくない感じだったのですね?確かに似ていますね。」
「まぁ~そんなところです。」
「司録ちゃん、この人、誰?やたら親しげだけど。」
「私の御主人です。」
「司録殿…いつ、私があなたの主人になったと言うのですか?」
「それを言わせるのですか?あれは確か、一緒に露天風呂に入ったあの晩ズッポリと・・・」
「わ~~わかりました。真面目キャラ設定だったのに一気にキャラ崩壊しましたよ…フゥー様、確かに司録殿は私の側室の一人です。」
「一人って何人も側室をはべらかせているの?ん!あれ?司録ちゃんとお姉様の男って確か一緒じゃなかった?ハ-レム?ハ-レムル-トなのね。」
「あ~はい、多分それ、私だと思いますよ。閻魔ちゃんとの間にも子はいますので。」
「え!じゃあ、あなたがあの龍之介?」
「どのだかはわからないですが、はい、龍之介です。」
「お姉様の男なら私には義兄様?……お兄ちゃんって呼んであげても良くてよ、はっ!もしかして、私も手籠めにして側室にする気?姉妹丼なんてとんだ鬼畜ね。」
両腕を自らの体に回し、防御の体勢になる太山府君。
「遠慮させてください。」
目をギュッと瞑りまいったと言う表情をする龍之介。
「太山府君様、そろそろお仕事のお話を」
困り出していた龍之介をみかねて司録が話を進めてくれた。
「そうね、で、お姉様の男お兄ちゃんは私に何か用かしら?」
「はい、年老いた私たちの体を若さ溢れる体に戻したくご協力を願いたいのです。」
「寿命の上書き延命ではない願いなんて初めてだわ!」
「出来ませんか?」
「出来るか出来ないかってより、やったことがないわよ。でも、お姉様の男お兄ちゃんの頼みなら試してみても良いわよ。断ったなんてお姉様に知られたらどんな罰があるやら知れないわ!先ずは、寿命を確認してみるわね。」
太山府君はジャジャラと缶バッチの付いた鞄から、耳に掛ける片眼のサングラスな様なものを取り出し装着する。
「えっと、お姉様の男お兄ちゃんの戦闘力は・・・・・・」
「まさかの、スカウター!」
「あっ!寿命ね、寿命を見なきゃ、」
ピッ
耳に掛けた装置のボタンを押す。
「あれ?あれ?寿命……」
って言おうとした瞬間に、司録が太山府君にもう突進でラリアートをくらわし後ろに飛び倒れる太山府君。
「ぐうぇ~~、イタタタタタ、何するのよ!司録ちゃん!」
倒れ尻餅をつき腰をなでなでしながら座っている太山府君の耳もとに口を近付け、
「……………………………」
「うん、うん、え~……なるほど、なるほど、だからお姉様が唾つけたのね。司録ちゃんも?」
何やら話しているが龍之介達には司録の声が聞き取ることが出来ない。
司録の話が終ると立ちあがり、セーラー服のスカートをパッパと叩きシワを整え直した。
「えっと、お姉様の男お兄ちゃん、若返りならあなた自身の陰陽力で細胞活性再生をすれば良いじゃない。あなたの陰陽力はその次元まで到達しているわ。」
両手の掌をまじまじと見つめる龍之介。
「そんなに万能な陰陽力が?」
「陰陽力、妄想の具現化よ、異能力では最高位よ。今まで使わなかったの?」
「はい、ほとんど使っていません。」
「そっか、なら使い方教えてあげるわ、筆下ろしね!」
「っつぁ~、美少女台無し。」
にんまりとしてやったり顔の太山府君に、ギロっと見つめる司録。
「司録ちゃん、冗談よ。」
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