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大日本合衆国最高権力者兄弟
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龍之介は、大日本合衆国最高機密会議を終えると次の日の朝、柳生宗矩が準備した特別急行蒸気機関車で、
東御所水戸城に登城した。
兄である上皇陛下に会いに来た。
勿論、地球外生命体と大日本合衆国最高機密会議の報告の為である。
上皇と龍之介は東御所水戸城内にある茶室で二人っきりとなっていた。
外には春が、さらにそこから離れたところを龍之介の側近家臣団が警護していた。
「龍之介、珍しいな、連絡なしに来るとは。」
「はい、緊急事態が発生したもので。」
「緊急事態?龍之介がそういうのだからよほどの事であるな。」
「これから話す事は、大日本合衆国最高機密会議ですでに報告してある話で本日の事は、他言無用に願います。」
「帝にもか?」
「帝には正光から報告が上がるようになっています。」
「では、問題ない。で、今回は何事であるか?」
「ずばり、地球外生命体と接触しました。その生命体と・・・・・・」
「龍之介、待て待て待て待て、今、なんと申した?」
「はい、ですから地球外生命体と申し上げました。」
「この星以外の生命か?月から兎でも、かぐや姫でも来たのか?」
「外見で言えば、異国の娘と言われれば私たちとさほど変わらない外見ですので、かぐや姫と言われればそうでしょうか、月ではなくコウナン星と言う星から来たのだと申しておりました。すでに裏は閻魔ちゃんからとっています。」
「美少女か?」
「はい、美少女です。」
「その地球外生命体も手籠めにでもしたのか?」
「いやいや、一応使者ですし、側室の中でも手籠めにしたのは春一人だけですので。」
「使者?地球外からの使者とは、また突拍子もない話だな、どのような内容での使者なのだ?」
龍之介は使者の概要を説明したのだ。
上皇は龍之介の説明を疑うことなく聞いていた。
それは、上皇が龍之介が転生者であることを知っているからでもあった。
「そうか、異国の次は異星か?帰ってこれるのか?」
「帰ってきたいですね。ただ、どのくらいかかるかが私も初めてなのでわからないのです。」
「そうか、お互いに歳でもあるから今生の別れになる可能性もあるのだな?」
「可能性はあります、こればかりはわからないのです。」
「しかし、龍之介しか適任者がいないのなら今世の為にやってもらわねばならぬか、ではまた国を留守にするのだな。」
「はい、そこで兄上様にはまた、私の留守の監視役をお願いいたしたく。」
「征夷大将軍正忠による幕府評定議会制度はうまくいっておる、懸念はないであろう。」
「国を大きくしすぎたため、絶対的な君臨する鏨がなければいつまた戦乱の世に戻るかわかりません。」
「その鏨にはまだ正忠は弱弱しいか?親が思うほど弱くわないぞ、正忠は長引く龍之介の異国への遠征の留守を守ってきたのだから。」
「さように御座いますね。我が息子たちを信頼しなければなりませんね。」
「だが、存命中は、この水戸から朕が手助けはする、安心して龍之介は自分のすべき仕事をこなせ。」
「兄上様、よろしくお願いいたします。」
龍之介は、上皇である兄に頭を下げたのであった。
その晩、二人は東御所水戸城から偕楽園を眺めながら酒を酌み交わし語り合ったのであった。
翌朝、日が昇るよりも先に、龍之介は東御所水戸城を後にした。
上皇はその気配を感じながらも見送ることはしなかった。
二人は別れの言葉は言わなかったのであった。
戦乱を沈め日本国史上最大国家を築いた二人の立役者は異母兄弟と言えども固い絆で結ばれていた。
上皇は龍之介とまた会えると信じていたのだった。
龍之介もまた兄と会うために何が何でも帰ってこようと心に決めたのであった。
東御所水戸城に登城した。
兄である上皇陛下に会いに来た。
勿論、地球外生命体と大日本合衆国最高機密会議の報告の為である。
上皇と龍之介は東御所水戸城内にある茶室で二人っきりとなっていた。
外には春が、さらにそこから離れたところを龍之介の側近家臣団が警護していた。
「龍之介、珍しいな、連絡なしに来るとは。」
「はい、緊急事態が発生したもので。」
「緊急事態?龍之介がそういうのだからよほどの事であるな。」
「これから話す事は、大日本合衆国最高機密会議ですでに報告してある話で本日の事は、他言無用に願います。」
「帝にもか?」
「帝には正光から報告が上がるようになっています。」
「では、問題ない。で、今回は何事であるか?」
「ずばり、地球外生命体と接触しました。その生命体と・・・・・・」
「龍之介、待て待て待て待て、今、なんと申した?」
「はい、ですから地球外生命体と申し上げました。」
「この星以外の生命か?月から兎でも、かぐや姫でも来たのか?」
「外見で言えば、異国の娘と言われれば私たちとさほど変わらない外見ですので、かぐや姫と言われればそうでしょうか、月ではなくコウナン星と言う星から来たのだと申しておりました。すでに裏は閻魔ちゃんからとっています。」
「美少女か?」
「はい、美少女です。」
「その地球外生命体も手籠めにでもしたのか?」
「いやいや、一応使者ですし、側室の中でも手籠めにしたのは春一人だけですので。」
「使者?地球外からの使者とは、また突拍子もない話だな、どのような内容での使者なのだ?」
龍之介は使者の概要を説明したのだ。
上皇は龍之介の説明を疑うことなく聞いていた。
それは、上皇が龍之介が転生者であることを知っているからでもあった。
「そうか、異国の次は異星か?帰ってこれるのか?」
「帰ってきたいですね。ただ、どのくらいかかるかが私も初めてなのでわからないのです。」
「そうか、お互いに歳でもあるから今生の別れになる可能性もあるのだな?」
「可能性はあります、こればかりはわからないのです。」
「しかし、龍之介しか適任者がいないのなら今世の為にやってもらわねばならぬか、ではまた国を留守にするのだな。」
「はい、そこで兄上様にはまた、私の留守の監視役をお願いいたしたく。」
「征夷大将軍正忠による幕府評定議会制度はうまくいっておる、懸念はないであろう。」
「国を大きくしすぎたため、絶対的な君臨する鏨がなければいつまた戦乱の世に戻るかわかりません。」
「その鏨にはまだ正忠は弱弱しいか?親が思うほど弱くわないぞ、正忠は長引く龍之介の異国への遠征の留守を守ってきたのだから。」
「さように御座いますね。我が息子たちを信頼しなければなりませんね。」
「だが、存命中は、この水戸から朕が手助けはする、安心して龍之介は自分のすべき仕事をこなせ。」
「兄上様、よろしくお願いいたします。」
龍之介は、上皇である兄に頭を下げたのであった。
その晩、二人は東御所水戸城から偕楽園を眺めながら酒を酌み交わし語り合ったのであった。
翌朝、日が昇るよりも先に、龍之介は東御所水戸城を後にした。
上皇はその気配を感じながらも見送ることはしなかった。
二人は別れの言葉は言わなかったのであった。
戦乱を沈め日本国史上最大国家を築いた二人の立役者は異母兄弟と言えども固い絆で結ばれていた。
上皇は龍之介とまた会えると信じていたのだった。
龍之介もまた兄と会うために何が何でも帰ってこようと心に決めたのであった。
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