天寿を全うしたら美少女閻魔大王に異世界に転生を薦められました~戦国時代から宇宙へ~

常陸之介寛浩☆第4回歴史時代小説読者賞

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世界巡察の旅~新シルクロード完成編~

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ジブラルタル城の執務室にいた龍之介に、伊達政宗から知らせが届いた。

「新シルクロードの線路がつながりました」

「お~遂につながったか、しかし5年完成に至るとは早いものだな」

「各国、分担工事制により各国が競い合って作りましたので、」

「突貫工事だな・・・・・・ゆっくり最徐行で、蒸気機関車の試験走行を繰り返して、
 通常走行ができるようになったら完成とする」

「わかりました。走行試験開始いたさせます。」

流石に突貫工事により所々で、脱線が発生したのであった。
その報告が、ジブラルタル城に届く幸い、最徐行であったため死者が
出るほどの事故は発生しなかった。
報告がジブラルタル城に届くため龍之介は、次の地に行くタイミングを
逃していたのである。
上皇は、スペイン・バレンシアの温泉で湯治をしていた。
スペインにも温泉がある。
護衛に、正忠が飛行船艦「青龍」で任務に就いていた。
上皇は、龍之介仕事での巡察旅行であるのを理解していたので自分なりに
楽しんでいた。それがスペイン国内なので好都合であった。
飛行船艦艦隊にヨ-ロッパ地中海州蒸気機関鉄甲船艦隊が駐留しているため
護衛の兵数の心配がなかったのである。

この為、龍之介はジブラルタル城での執務に集中できていたのである。

「関白殿下、蒸気機関車がボスポラス海峡の可動橋の通行に成功できたとの事」

ボスポラス海峡の一番狭いところで、跳開橋が建設されていた。
吊り橋では、流石に蒸気機関車の通行を出来るだけの強度を確保に問題があった。
そこで可動橋を採用していたのである。そこが、この新シルクロード一番の難所であった。
ヨ-ロッパ側の線路は心配はしていなかった。
戦が続いていたため、製鉄技術と馬車道を作る技術がそれなりにあったからである。

「そこが通過出来れば問題ないな、ここで到着を待つとしよう」

1620年11月末
 ジブラルタルに蒸気機関車がゆっくり到着した。
 ジブラルタルの町に蒸気機関車が入ると市民は歓声を上げ出迎えたのであった。

「ようやく到着したか、これでリスボンまで走れば完成だな太平洋から大西洋に
 抜ける新しき道、新シルクロード。最後の区間には私も乗車する」

「はっ!準備いたします。」

龍之介は、最後の区間のジブラルタル、リスボン間の試運転に同乗した。
両脇は、騎馬隊で護衛されたのである。
蒸気機関装甲車、それはヌルハチの暗殺部隊に襲われた時の列車の為、
ア-ムストロング砲とガトリング砲で武装していたためさほどの軍隊の
護衛は必要としてはいなかったが、その油断を突いたのがヌルハチの暗殺部隊であった。
そこで、護衛部隊は必ず着けるようにした。

ジブラルタルからゆっくり出発する蒸気機関車
初めての走行であるからゆっくりゆっくりであった。
龍之介が乗る客車は、前回襲われた時と同じ車両である。
龍之介・歩美・春・エリリと30名ほどの供回りが乗った車両は特別車両
車両は鉄甲貼り、外装には菊水の家紋が大きく金で装飾され、
屋根にはバルカン砲が設置され見張りが乗れる準二階建ての仕組み
内装はヨ-ロッパから取り寄せたソファーが設置され
床にはペルシャ絨毯が惹かれた蒸気機関装甲車特別車両である。

ジブラルタルからリスボンまでは脱線などの事故や問題は発生せず、
三日間で到着した。

大西洋が見えてくる

「関白殿下、ついに完成いたしましたね。」

春が言う、春とエリリは出発点の上海からハノイまでの試験走行に
乗っていたから感慨深いのであった。
リスボンにも、大日本合衆国の海城がある、そこに到着した蒸気機関車
一同は降り立ち、大西洋を眺めていた。

「上海から、ここまで一本の線路でつながったが、正規の速度で走っても
 なかなか日数はかかるな、これで旅するには全身が痛くなりそうだ」

「あははは!確かに関白殿下、これで旅は遠慮したいです。
 ずっと座りっぱなしではお尻が痛くなります。
 しかし、陸路が一本の道でつながれば物流が盛んになりますね。」

「歩美、それが当初の目的だからな、座りっぱなしについては考えよう
 寝台列車とかを導入すれば良いがな」

背伸びをして、一息ついた龍之介
 次の日、リスボンに飛行船艦を呼び寄せジブラルタル城に戻ったのである。

1620年11月29日
 上海からリスボンまで続く、線路がながり茨城都を出発地とする
 「新シルクロ-ド」は、完成した。

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