上 下
205 / 323

世界巡察の旅~北アメリカ大陸編~

しおりを挟む
北アメリカ大陸は、西海岸のカリフォルニアのほとんどを含む、
北アメリカ西海岸州が大日本合衆国の州である。
州都は、ロサンゼルス・州知事に森蘭丸成利44歳である。
龍之介が本能寺の変回避したため、織田信長の家臣として、
鍛えられたのち、龍之介の家臣となり北アメリカ西海岸の、
守衛総督となったのち、大日本合衆国宣言でそのまま、
州知事に任命され統治を続けていた。
その北アメリカ西海岸州を除いた、北アメリカ大陸は、
北アメリカ合衆国として建国していた。
イギリスが統治していたわけではないので、独立戦争もなく、
大統領には、原住民が就任していた。
統治には、平和維持連合と森蘭丸成利が手助けをしていた。
この為、利便性から北アメリカ合衆国の首都はシアトルであった。

東海岸はヨ-ロッパ側との交易や入植によりニューヨークが副都市として発展
北アメリカ合衆国は、龍之介の指導により広大な土地を利用して農業立国となっていた。
メキシコは、マヤ人を中心とした「マヤメキシコ州立国」となっている。
その、南下に大日本合衆国・中アメリカパナマ州があり、南アメリカ大陸は、
インカ南アメリカ合衆国となっていた。

龍之介の飛行船艦艦隊は、北アメリカ西海岸州のロサンゼルスに着水したのである。

「龍之介、到着したのか?」

「はい、最初の目的地であるロサンゼルスにございます。」

ロサンゼルスは海城である。
出迎えに、森蘭丸成利と、北アメリカ合衆国大統領が
桟橋で待っていた。

「上皇陛下・関白殿下、無事な来州ようこそおいで下さいました。」

「出迎えご苦労である。」
上皇は初めての異国の地に足を踏み入れた。
周りを見回し、上皇は深呼吸を深くし、異国の空気を飲み込んでいた。
上皇の通訳には、エリリの教育を受けた者がしていたのである。

「大統領、歓迎ありがとうございます。」

「関白殿下が楽しみにしていた、キビヤックとびっきり熟成したのを
 準備してありますよ。上皇陛下は普通の物がよろしいとの事なので、
 トナカイや牛、七面鳥などを用意しておりますが、海産物のがよろしいですか?」

「大統領殿、あまり気を使わなくても大丈夫ですぞ。ただ、キビヤックなるものは、
 遠慮したい。」

上皇はキビヤックの話になると、しかめっ面になっていた。
そして、歩美や春・エリリは青ざめていた。
歩美や春も、エリリやトゥルル・エタ-二ャから言葉を習っていたため、
通訳なしで対応できていた。

歩美もだが春は、龍之介の護衛副隊長になってからは、龍之介の食事毒見役も
自ら率先してやっていたため、キビヤックも食べないとならないのかと、不安であったのだ。

「春、別に毒見役は頼んだ覚えはないから無理して食べなくていいのだぞ」

「しかし、殿下、やはり毒見を誰かはしなくては」

「キビヤックは私が食べたくて頼んだもの、無理することはない
 では、希望する兵士に食べさせたら良いではないか。
 鮒ずしが好きな者を聞いてみるとよい」

「殿下は、鮒ずしもお好きですもんね。」

「納豆も臭いほうが好きだしな、それより、視察をしなくては、
 兄上様、視察をしてくるので、ロサンゼルスで休んでください。
 案内には、森蘭丸に頼んでありますから。」


到着した日の晩は、歓迎の晩餐会が大統領主催で行われ、そこではバッファローの
ステ-キや七面鳥の丸焼きふんだんな海産物など振る舞われたのであった。
北アメリカ産ワインとともに。

次の日から龍之介は上皇と行動を別にしたのである。

北アメリカ大陸で、建設されている南北アメリカ大陸横断鉄道が、
建設されていた。
その現場を確認と、農地の様子を見るのが今回の、北アメリカ合衆国巡察の目的であった。
その為、龍之介は上皇と行動を別にしたのである。

上皇は、ロサンゼルス城を拠点に、グランドキャニオン観光に行った。
警備には、龍之助艦隊から300人と北アメリカ西海岸州から州兵が、
500人ほど出され、上空からも飛行船艦も一隻から着いたのでのである。
警備隊長は、龍之介三男の正忠であった。

龍之介は、ロサンゼルスからシアトルまで、完成していた蒸気機関車に
大統領の案内のもと試乗していた。
龍之介も、玉林暗殺未遂事件から、飛行船艦艦隊が上空から警備にあたっていたのである。
歩美・春・エリリは勿論、龍之介に着いてきている。

「大統領、問題なくできておりますね。」

「はい、西海岸線は最終的に、べ-リング海峡まで伸ばす予定で、工事を進めております。」

「まさに、大陸横断ですな。」

「東海岸も南北に横断する鉄道を引いております。
 最終的には、サンフランシスコからニュ-ヨ-クまでの東西横断鉄道を計画しております。」

「壮大ですが、必要な鉄道ですな、しかし、物資の移動には必要かと思います。」

「はい、これからの時代は輸送が大事ですからね。」

「物資・食料の輸送は国を支え繁栄をもたらしますからね。」

ゆっくり進む蒸気機関車はロサンゼルスからシアトルまで一泊で到着した。
蒸気機関車は、寝台列車であり、龍之介の乗る列車は一両専用列車である。

壮大な景色を楽しみながら、進む列車
春・エリリは異国の風景に慣れていたが、歩美は目を輝かせながら、外を眺め
車窓から見えるバッファローの群れなどを見て喜んでいたのであった。

蒸気機関車は、たまに停車し農地の視察をしたのであった。
北アメリカ大陸では、麦と米の生産が盛んであった。
そして、牧畜も行われていた。

シアトルに到着すると、大統領主催の個人的主催の歓迎会が開かれたのである。
シアトルには、大統領の邸宅がありその庭先でバ-べキュウであった。
その場には、異臭を放つアザラシの死体が庭に置かれていた。

「これが、キビヤックですか?」

「はい、とても発酵が進んでおり食べごろに御座います。
 殿下の配下の方々は、食べたがらないようですな、
 私が、毒見役として食べ方をお見せいたしましょう。」
大統領はニヤニヤして言うのであった。

そう言うと、コックらしき人物が腐敗しているアザラシの腹に
入っている海鳥を取り出し、尾羽をもぎり更に盛られたのであった。
大統領は、それを受け取ると液状になった海鳥の内臓を、むしり取った
尾羽の部分からチュウチュウと吸ったのであった。

漂う臭い・・・・・・

歩美や春・エリリは鼻を抑えるのを我慢していた。
せっかく、準備してくれた料理に失礼であったからだ。

「さあ、どうぞ、関白殿下も」

龍之介は、大統領に習ってもぎりとった尾羽の部分から、すすってみた。

「ぬぉ~・・・・・・凄まじい!この鼻に突き抜ける臭いは凄まじい」

「美味しいでしょ、関白殿下」

「いや~何と答えていいやら、ただ単に凄まじい料理ですな
 しかし、臭いさえなければ美味!病みつきになりそうですな
 皆も食べてみてはどうか?」

「殿下、それだけはご勘弁ください。」

「他国の食文化に触れてみるのも勉強ぞ」

「・・・・・・」

沈黙する側室と家臣たち

誰も食するとなく歓迎会の宴は終わったのであった。

次の日にはシアトルからロサンゼルスに帰るのは、飛行船艦艦隊で
帰ったのであった。

上皇と合流した、龍之介は北アメリカ大陸視察を終え、飛行船艦艦隊に
乗船し離陸し寄りたかったイエローストーンを上空から眺めた後、
マヤメキシコ州立国に向かったのであった。
しおりを挟む
感想 37

あなたにおすすめの小説

異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜

KeyBow
ファンタジー
 間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。  何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。  召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!  しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・  いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。  その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。  上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。  またぺったんこですか?・・・

アイテムボックス無双 ~何でも収納! 奥義・首狩りアイテムボックス!~

明治サブ🍆スニーカー大賞【金賞】受賞作家
ファンタジー
※大・大・大どんでん返し回まで投稿済です!! 『第1回 次世代ファンタジーカップ ~最強「進化系ざまぁ」決定戦!』投稿作品。  無限収納機能を持つ『マジックバッグ』が巷にあふれる街で、収納魔法【アイテムボックス】しか使えない主人公・クリスは冒険者たちから無能扱いされ続け、ついに100パーティー目から追放されてしまう。  破れかぶれになって単騎で魔物討伐に向かい、あわや死にかけたところに謎の美しき旅の魔女が現れ、クリスに告げる。 「【アイテムボックス】は最強の魔法なんだよ。儂が使い方を教えてやろう」 【アイテムボックス】で魔物の首を、家屋を、オークの集落を丸ごと収納!? 【アイテムボックス】で道を作り、川を作り、街を作る!? ただの収納魔法と侮るなかれ。知覚できるものなら疫病だろうが敵の軍勢だろうが何だって除去する超能力! 主人公・クリスの成り上がりと「進化系ざまぁ」展開、そして最後に待ち受ける極上のどんでん返しを、とくとご覧あれ! 随所に散りばめられた大小さまざまな伏線を、あなたは見抜けるか!?

転生したおばあちゃんはチートが欲しい ~この世界が乙女ゲームなのは誰も知らない~

ピエール
ファンタジー
おばあちゃん。 異世界転生しちゃいました。 そういえば、孫が「転生するとチートが貰えるんだよ!」と言ってたけど チート無いみたいだけど? おばあちゃんよく分かんないわぁ。 頭は老人 体は子供 乙女ゲームの世界に紛れ込んだ おばあちゃん。 当然、おばあちゃんはここが乙女ゲームの世界だなんて知りません。 訳が分からないながら、一生懸命歩んで行きます。 おばあちゃん奮闘記です。 果たして、おばあちゃんは断罪イベントを回避できるか? [第1章おばあちゃん編]は文章が拙い為読みづらいかもしれません。 第二章 学園編 始まりました。 いよいよゲームスタートです! [1章]はおばあちゃんの語りと生い立ちが多く、あまり話に動きがありません。 話が動き出す[2章]から読んでも意味が分かると思います。 おばあちゃんの転生後の生活に興味が出てきたら一章を読んでみて下さい。(伏線がありますので) 初投稿です 不慣れですが宜しくお願いします。 最初の頃、不慣れで長文が書けませんでした。 申し訳ございません。 少しづつ修正して纏めていこうと思います。

大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです

飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。 だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。 勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し! そんなお話です。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

異世界の剣聖女子

みくもっち
ファンタジー
 (時代劇マニアということを除き)ごく普通の女子高生、羽鳴由佳は登校中、異世界に飛ばされる。  その世界に飛ばされた人間【願望者】は、現実世界での願望どうりの姿や能力を発揮させることができた。  ただし万能というわけではない。 心の奥で『こんなことあるわけない』という想いの力も同時に働くために、無限や無敵、不死身といったスキルは発動できない。  また、力を使いこなすにはその世界の住人に広く【認識】される必要がある。  異世界で他の【願望者】や魔物との戦いに巻き込まれながら由佳は剣をふるう。  時代劇の見よう見まね技と認識の力を駆使して。  バトル多め。ギャグあり、シリアスあり、パロディーもりだくさん。  テンポの早い、非テンプレ異世界ファンタジー! *素敵な表紙イラストは、朱シオさんからです。@akasiosio

王宮で汚職を告発したら逆に指名手配されて殺されかけたけど、たまたま出会ったメイドロボに転生者の技術力を借りて反撃します

有賀冬馬
ファンタジー
王国貴族ヘンリー・レンは大臣と宰相の汚職を告発したが、逆に濡れ衣を着せられてしまい、追われる身になってしまう。 妻は宰相側に寝返り、ヘンリーは女性不信になってしまう。 さらに差し向けられた追手によって左腕切断、毒、呪い状態という満身創痍で、命からがら雪山に逃げ込む。 そこで力尽き、倒れたヘンリーを助けたのは、奇妙なメイド型アンドロイドだった。 そのアンドロイドは、かつて大賢者と呼ばれた転生者の技術で作られたメイドロボだったのだ。 現代知識チートと魔法の融合技術で作られた義手を与えられたヘンリーが、独立勢力となって王国の悪を蹴散らしていく!

S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります

内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品] 冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた! 物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。 職人ギルドから追放された美少女ソフィア。 逃亡中の魔法使いノエル。 騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。 彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。 カクヨムにて完結済み。 ( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )

処理中です...