天寿を全うしたら美少女閻魔大王に異世界に転生を薦められました~戦国時代から宇宙へ~

常陸之介寛浩☆第4回歴史時代小説読者賞

文字の大きさ
上 下
168 / 323

茨城国・御下向

しおりを挟む
龍之介が茨城国き帰ると帝の御下向の準備は滞りなく行われたのである

 豪華絢爛なもてなしは避け、茨城国の現状を見ていただく為の巡察に近い下向として準備はされた

 「正長、帝の御迎えは御主の役目ぞ、不動明王艦隊で堺に御迎えに出向きなさい」

 「はい、父上様」

 「不動明王艦並びに、警護の最新式スクリュー式蒸気機関鉄甲船艦隊5隻をもって御迎えに行くように」

 
 2月中旬、嫡男・従一位征夷大将軍藤原朝臣三上虎之介正長は鹿島港を出港

 堺に到着したあと、弟の城、嵐山城に入場したのである
 次の日には、御所城に参内したのである

 「帝、御下向の仕度整いて御座います。父、正圀が茨城国で御待ちしております」

 「よし、では桃節句に間に合う日にちに出発する、いつが良いか?」

 「28日に堺を出港したく」

 「構わぬ、すでに忠仁親王に任せられるよう準備はこちらも出来ておる」

 「では、28日の朝御迎えに参ります、正光は前日から御所城に入るよう命じますが宜しいですか?」

 「構わぬ、そのように」

 
 2月27日、正光は3000の兵を率いて入城
 忠仁親王の警護の任務に就いた

 2月28日、正長が御所城に参内
 帝はかねてよりの約定通り供廻りは50人程であったが、京都から堺までの道中は近江八幡城・安土城の兵士が警護の任務に当り行列は約5000人となっていた

 先頭には錦御旗が掲げられた行列は、豪華絢爛ではないが盛大な行列であった

 堺に着くと、不動明王艦に乗る帝

 「お~これが、世界を一周してきた船か?」

 「はい、世界と戦ってきた船に御座います、さぁ~こちらへ帝の御座所を設けてあります」

 「いや、あの一番高い所に案内せよ」

 と、帝が指を指したのは、天守と命名されている不動明王艦艦橋の一番高い高欄を指していた

 「帝、天守上は揺れが強いですが」

 「正長、これでも正圀の兄ぞ!そんなに柔ではないから安心せい」

 「は!失礼致しました」

 確かに、60近いとはいえ若々しい帝であった
 それは、龍之介や正長が精が着く品々を贈っていたからとも言えた

 「これが、正圀が見ている気色か!
  ん!気持ちが良い、ここで暫く景色を眺めるから準備ができ次第、出港してよいぞ」

 「かしこまりましてございます」

 「ピーーーー」

 不動明王艦隊は汽艇を鳴らし、堺を出港したのである

 帝は離れる堺の港を見ていた

 「誠に、帆がなく進むのだな」

 「私も慣れてはいないもので…」

 「なるほどな」

 「帝、寒くなってまいりましたので中に」

 「確かに寒いから入ろう」

 帝は御座所に通されたのである

 「もし、冷えたならお風呂もありますが」

 「まことか?流石に風呂好きな龍之介だな!入ろう」

 帝は風呂に入り体を温めたのだ

 不動明王艦隊で振る舞われた料理は、さほど豪華な料理ではなかったが温かい食べ物に帝は満足していた

 3月2日

 鹿島港に入港

 帝は高覧から眺めていた

 「これが茨城国か!凄いな」

 「はい、鹿島港は特に造船所が盛んで」

 「なるほどな、」

 「父が出迎えているはずです」

 着岸する不動明王艦

 「帝、船旅はいかがでしたか?」

 「素晴らしく快適であったしかも、風呂まであるとはな!」

 「はい、風呂はどうしても欲しくて…」

 「正圀らしいな」

 「はい…」

 「で、まずはどこに行くのだ?」

 「蒸気機関車で、茨城城を」

 「予定通りに進めて構わぬからな」

 「ありがとうございます」

 蒸気機関車の御成列車に乗り込む帝、

 「誠に、陸も馬なしで進むのだな」

 「全てが蒸気機関で御座います」

 「これが京都にも引かれるのだな」

 「はい、今順調に進めております」

 「これを全国に張り巡らせるのか?」

 「全国に留まらず、世界に走らせたいと思っております」

 「龍之介の頭には先を見ているな」

 「ありがとうございます」

 帝は茨城幕府の拠点、霞ヶ浦・北浦を望む地に建つ茨城城に入城する

 「なるほどな茨城国の発展は目を見張るな」

 「ありがとうございます」

 「茨城国は実験的です、これを日本全国・世界に広めたく」

 「世界を繋ぐ手立てか?」

 「はい、いかにも」

 「今宵の宿は水戸城であったな?」

 「御下向中の宿は水戸城の御成御殿を用意してあります」

 「では、行こうではないか 温泉に入りたい」

 「はい、かしこまりました」

 帝の一行は、茨城城を経由したのちに水戸城に入った

 水戸城に着いたのは夜になっていたが、偕楽園と千波湖は提灯と富益恵時尊トマスエジソンの電球によりライトアップがされていた

 水戸城の御成門から入城した帝は御成御殿から、偕楽園の眺めを見ながら夕食を正圀と共に食していた

 「この、鮟鱇鍋は体を温めるな!濃厚な汁が美味い」

 「ありがとうございます!茨城国の冬の名物にございます」

 「酒も美味いぞ、そしてここから見る偕楽園の気色も悪くない」

 「茨城国は水も米も良いのがありますので」

 「魚も美味い 良い国だ」

 「ありがとうございます」

 「正圀、やはり確信したぞ」

 「兄上様何がですか?」

 「遷都をしようではないか!」
しおりを挟む
感想 37

あなたにおすすめの小説

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

勇者パーティーにダンジョンで生贄にされました。これで上位神から押し付けられた、勇者の育成支援から解放される。

克全
ファンタジー
エドゥアルには大嫌いな役目、神与スキル『勇者の育成者』があった。力だけあって知能が低い下級神が、勇者にふさわしくない者に『勇者』スキルを与えてしまったせいで、上級神から与えられてしまったのだ。前世の知識と、それを利用して鍛えた絶大な魔力のあるエドゥアルだったが、神与スキル『勇者の育成者』には逆らえず、嫌々勇者を教育していた。だが、勇者ガブリエルは上級神の想像を絶する愚者だった。事もあろうに、エドゥアルを含む300人もの人間を生贄にして、ダンジョンの階層主を斃そうとした。流石にこのような下劣な行いをしては『勇者』スキルは消滅してしまう。対象となった勇者がいなくなれば『勇者の育成者』スキルも消滅する。自由を手に入れたエドゥアルは好き勝手に生きることにしたのだった。

銀河英雄戦艦アトランテスノヴァ

マサノブ
SF
日本が地球の盟主となった世界に 宇宙から強力な侵略者が攻めてきた、 此は一隻の宇宙戦艦がやがて銀河の英雄戦艦と 呼ばれる迄の奇跡の物語である。

猿の内政官 ~天下統一のお助けのお助け~

橋本洋一
歴史・時代
この世が乱れ、国同士が戦う、戦国乱世。 記憶を失くした優しいだけの少年、雲之介(くものすけ)と元今川家の陪々臣(ばいばいしん)で浪人の木下藤吉郎が出会い、二人は尾張の大うつけ、織田信長の元へと足を運ぶ。織田家に仕官した雲之介はやがて内政の才を発揮し、二人の主君にとって無くてはならぬ存在へとなる。 これは、優しさを武器に二人の主君を天下人へと導いた少年の物語 ※架空戦記です。史実で死ぬはずの人物が生存したり、歴史が早く進む可能性があります

能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?

火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…? 24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

スライムすら倒せない底辺冒険者の俺、レベルアップしてハーレムを築く(予定)〜ユニークスキル[レベルアップ]を手に入れた俺は最弱魔法で無双する

カツラノエース
ファンタジー
ろくでもない人生を送っていた俺、海乃 哲也は、 23歳にして交通事故で死に、異世界転生をする。 急に異世界に飛ばされた俺、もちろん金は無い。何とか超初級クエストで金を集め武器を買ったが、俺に戦いの才能は無かったらしく、スライムすら倒せずに返り討ちにあってしまう。 完全に戦うということを諦めた俺は危険の無い薬草集めで、何とか金を稼ぎ、ひもじい思いをしながらも生き繋いでいた。 そんな日々を過ごしていると、突然ユニークスキル[レベルアップ]とやらを獲得する。 最初はこの胡散臭過ぎるユニークスキルを疑ったが、薬草集めでレベルが2に上がった俺は、好奇心に負け、ダメ元で再びスライムと戦う。 すると、前までは歯が立たなかったスライムをすんなり倒せてしまう。 どうやら本当にレベルアップしている模様。 「ちょっと待てよ?これなら最強になれるんじゃね?」 最弱魔法しか使う事の出来ない底辺冒険者である俺が、レベルアップで高みを目指す物語。 他サイトにも掲載しています。

ニートの俺がサイボーグに改造されたと思ったら異世界転移させられたンゴwwwwwwwww

刺狼(しろ)
ファンタジー
ニートの主人公は一回50万の報酬を貰えるという治験に参加し、マッドサイエンティストの手によってサイボーグにされてしまう。 さらに、その彼に言われるがまま謎の少女へ自らの血を与えると、突然魔法陣が現れ……。 という感じの話です。 草生やしたりアニメ・ゲーム・特撮ネタなど扱います。フリーダムに書き連ねていきます。 小説の書き方あんまり分かってません。 表紙はフリー素材とカスタムキャスト様で作りました。暇つぶしになれば幸いです。

処理中です...