天寿を全うしたら美少女閻魔大王に異世界に転生を薦められました~戦国時代から宇宙へ~

常陸之介寛浩☆第4回歴史時代小説読者賞

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日本全国巡察の旅・~九州・琉球編~

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「殿下、お久しぶりにございます」

 肥前・名護屋城にて漆黒の影鷹・黒山影鷹に迎えられた
 本丸御殿に通された龍之介、両脇には春とエリリが護衛役として座る
 腹心の影鷹の城であるから、必要ないのであるが形式的にであった

 「久しぶりだの、変わりはないか?」

 「は!変わりなく、九州から台湾や上海にも睨みを効かせております」

 「南方の守りの要は影鷹だからの~」

 「しかし、拙者も歳…嫡男に家督を譲りたく、お願いいたします 嫡男には、忍の全てを伝授しております 」

 黒山影鷹の嫡男は二十歳
 影鷹の脇で、平伏していた

 「顔を上げなさい」

 若かれし、漆黒の影鷹の面持ちと瓜二つ美少年であった

 「黒山正鷹と名付ける 家督相続を許可する しっかり励めよ 黒山正鷹には従四位下参議を命じる」

 「かしこまりました」

 「影鷹は正鷹の後見役として、勤めるよう命じる 隠居して老け込むには早いぞ」

 「は!かしこまりました それと、次男を殿下の側近においては頂けませんか? こちらも、忍の技伝授しております」

 正鷹のさらに後ろに平伏していた

 「近くに来て顔を見せなさい」

 そうすると、腰に差してる小太刀を自分のいた場所に置き、上段の間に近付く次男

 「影鷹が次男、影正にございます 18になりましてございます」

 やはり、若かれし漆黒の影鷹を思わせる美少年であった

 「影正、海外遠征が多いが着いてこれるか?」

 「殿下の命で有ればどこえなりとも」

 「腕を見たい!春、少し手合わせを!」

 「はい、かしこまりました」

 庭にでる二人、木刀と万が一に備え鉢金を額に巻いていた

 「影正!春は女とはいえ、護衛副隊長 腕は確かだ遠慮なく腕を見せなさい」

 「は!」

 間合いをとり一礼する二人…

 正眼の構えから、繰り出される技は春に引けを取らなかった

 しかし、実戦の差が一瞬の隙を見逃すはずもなく、鉢金スレスレで春の木刀は止められた

 影正の負けであった

 「参りました」

 「春は、我が側室の中でも特別よ!負けは気にするな その腕前なら、我が部隊の入隊も許可できる しっかり励めよ」

 「ありがたき幸せ」

 「しかし、殿下あの時の刺客のくノ一が今では護衛副隊長ですか」

 「ははは、側室にして護衛副隊長!腕も中々だろ」

 「殿下は見る目がおありですね」

 「ん~ただ単に、顔が好みだっただけよ!」

 「御冗談を」

 「ハハハハハッ」

 影鷹は龍之介にとって一場古い家臣
 気のおける仲でもあった

 「影正はしっかり預からせてもらうぞ」

 「ご自由にお使いください」

 黒山影正は龍之介の配下に加わるのであった

 「殿下、今宵は九州料理を用意してあります どうかお泊まりください」

 「お~そうか、ならご馳走になるか!」

 龍之介は、名護屋城に一泊し影鷹のもてなしを受けた

 「蓮根にカラシを詰めたこの食べ物は中々刺激的だの~」
 などと、九州名物を堪能したのである

 その後、龍之介は名護屋城から出港して九州各地を見て回る
 特に圧政など受けていないか見て回ったのであるが、領民代表も幕府評定議会に参加するようになっていたためいらぬ心配であった
 天草の乱など起こる不満は民には無かったのを確認する龍之介

 鹿児島の指宿温泉で一休みしたあと、琉球巡察に行くのであった

 琉球は日本国の属国としての地位を守られ琉球王が健在である

 龍之介は琉球を正式な日本に取り入れるべく根回しはしていたのである

 琉球・首里城に向かう不動明王戦艦は今回の巡察の旅では珍しく兵士は甲冑を身に纏い戦仕度を整えて琉球国に上陸した

 琉球国王の使者が港にて、出迎える

 「関白殿下、お迎えに参りました」

 「よろしく頼む」

 首里城に向かう龍之介一行は久々に一戦交える事も出切る装備で首里城に入る
 しかし、懸念とは裏腹に龍之介は琉球国王より上座に案内された

 「ようこそおいでくださいました、私が琉球国王・尚寧にございます」

 「正一位関白太政大臣日国本総代大将軍藤原朝臣三上龍之介正圀にございます」

 「関白殿下…予てよりのお話し、琉球国は日本国に属する話、受け承ります 日本国に敵対する利益がありません」

 「話が早くて助かります 統治は引き続き琉球の民そして尚寧殿に一任しますが、日本国に二人の王が居ては困ります、王国としてはここで幕を引いていただきたい 従三位中納言・琉球守として統治を願いたい」

 「その事も心得ております。琉球王国は日本国王、帝の正式な家臣となります」

 「琉球国の統治に口出しは致しませんのでご安心下さい」

 「日本国のみならず世界を掌握したも同じ関白殿下に逆らうはずもありません」

 そう言うと、尚寧は膝まずいて臣下の礼をとり帝代理である龍之介に頭を下げたのであった

 琉球は正式に日本国に編入された

 龍之介は、首里城に一泊してはとの誘いがあったが流石に断ったのだ
 せっかく編入したばかりの琉球で問題でも起き武力衝突になるような事は避けたかったのである

 琉球からは宴の代わりにと、泡盛・ハブ酒・黒糖などの土産を受け取り、帝への忠誠の神文血判を受取り琉球を後にしたのである

 龍之介はハブ酒を大変気に入ったのである

 琉球から、九州に戻り別府・湯布院温泉で暫しの休息をしたのであった
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