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第四章 美少年と異世界生活

大人のお風呂屋さん

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「あ~ん、はぁ~ん、御主人様~はぁ~ん、気持ちいいですか~」

「ハイトン、やめなさい、俺の背中を洗って変な声出すのやめなさい」

ピシッ!

と、ハイトンのデコにデコピンをした。
肩まであるハイトンの赤色の髪は縛り上げられて、ポニーテール右横縛り状態でデコ丸出し。
デコピンで赤く腫れ上がっていた。
俺ははっきり言って引きこもりだ。
何がどういう風に調子が悪いとは表現しずらいが怠い。
引きこもっては調子のよい日に庭に出る、そんな暮らしをしている。
そんな生活をしていても毎日風呂には入りたい。
俺は自分の臭いが極端に気になる、いや、はっきり言って嫌いだ。
だからこそ、毎晩風呂には入りたい。
ハイトンが家来になって風呂の準備、水張り、湯沸し、清掃はハイトンの仕事になっていた。
俺が入っていると釜戸で火を見ている、そして、毎日毎日、「お背中洗わしてください」と、懇願してくるが断っていたが、断り続けていたが、季節が春から夏へとかわりだすと汗をかくせいか背中が痒かったので今日は頼んでみると凄く喜び浴室に入ってきた。
ハイトンは髪を縛り、上はシャツを臍が見えるくらいの位置で裾を縛り、下は白い捻った褌スタイル。
なんか、狙ってますか?
ゴシゴシと糸瓜(へちま)だか瓢箪(ひょうたん)だかから作った繊維で出来た物で優しく洗うハイトンは、変な声さえ出さなければ素直に心地よい。

「御主人様、痛くないですか?」

「あ~気持ちいい」

「はぁ~、気持ちいいだなんて、あ~ん」

ピシッ!とまた振り向きデコピンをした。

デコに手を当ててクゥ~と痛がるハイトンはちょっと可愛い。

また、背中を洗うハイトン。

「これって硬くて痛いじゃないですか?実家から海綿取り寄せましょうか?フワフワして海綿のほうが気持ちいいですよ~ドロドロ海草エキスを染み込ませて使うと気持ちいいですよ」

何かのお店ですか?特殊なお風呂屋さんですか?それで人に触られたら確かに理性は飛びそう。

「いや、いらないから」

「え~そうですか~気持ちいいのに~、それに~ドロドロ海草エキス浴槽にいっぱい入れて入ると温まるし肌も艶々しますよ」

ん~それは確かに、ここの風呂は流石に小さいから一人用だしハイトンは純粋に入浴剤として勧めているのだろう。

「それに~あれで二人で入ってヌルヌルと遊ぶと~あ~ん」

バシっと勢いよくチョップで叩いてしまった。

「もう、良いから」

ん~衆道教育オソロシア、誰が教えるんだろう。
温かい湯船に入っているのに身震いをしてしまった。
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