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弐の章 1590年 陰謀
弐の弐
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1590年 山形城
「お義、これを政宗の膳に入れよ」
「兄上様、こ、これは?」
最上義光は、伊達政宗の母である妹の義、保春院に小さな紙の包みを渡していた。
明らかに粉薬に思えるその包み。
「兄上様、私に我が子を殺せと言うのですか?どうかそれだけはご勘弁ください」
「お義、関白の怒りは極限、このままでは伊達家は取り潰される。
そこで、私が徳川家康殿に取り計らってもらい政宗の首を持参して上洛し許しをこう。
伊達家は小次郎に継がせてもらえるようお願いする、領地は減るであろうが、
流石に、政宗の首を差し出せば取り潰しはない」
青い顔色になり唇を紫になり小さな紙の包みを持っている手が震えていた。
「兄上様・・・・・・」
「お義、伊達家を残すためにはこの道を選ぶ以外他はない、北条攻めのあとには
関白の大群が攻め寄せてくるぞ、そうなれば伊達家は滅亡、この最上もとばっちりが
あるやもしれぬ、伊達も最上も消えてなくなるかもしれぬのだぞ」
「しかし、兄上様」
「わかった、子殺しをさせようとして悪かったな。お義は黙って見ておれ、良いな。
お茶子、これを良いな」
「かしこまりました」
お茶子、義姫が最上から伊達輝宗に嫁ぐ際、義姫のお傍衆としてつけられた者であったが
その正体は、伊達家を中から崩すために配属された忍び『くノ一』であった。
「お義、これを政宗の膳に入れよ」
「兄上様、こ、これは?」
最上義光は、伊達政宗の母である妹の義、保春院に小さな紙の包みを渡していた。
明らかに粉薬に思えるその包み。
「兄上様、私に我が子を殺せと言うのですか?どうかそれだけはご勘弁ください」
「お義、関白の怒りは極限、このままでは伊達家は取り潰される。
そこで、私が徳川家康殿に取り計らってもらい政宗の首を持参して上洛し許しをこう。
伊達家は小次郎に継がせてもらえるようお願いする、領地は減るであろうが、
流石に、政宗の首を差し出せば取り潰しはない」
青い顔色になり唇を紫になり小さな紙の包みを持っている手が震えていた。
「兄上様・・・・・・」
「お義、伊達家を残すためにはこの道を選ぶ以外他はない、北条攻めのあとには
関白の大群が攻め寄せてくるぞ、そうなれば伊達家は滅亡、この最上もとばっちりが
あるやもしれぬ、伊達も最上も消えてなくなるかもしれぬのだぞ」
「しかし、兄上様」
「わかった、子殺しをさせようとして悪かったな。お義は黙って見ておれ、良いな。
お茶子、これを良いな」
「かしこまりました」
お茶子、義姫が最上から伊達輝宗に嫁ぐ際、義姫のお傍衆としてつけられた者であったが
その正体は、伊達家を中から崩すために配属された忍び『くノ一』であった。
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