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嵐が去れば晴れるのか?

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幾筋もの青白い光が、白夜狐に降りかかる。犀花は、白夜狐を倒したいという気持ちよりも、倒れてほしくない気持ちで見つめていた。
「迷っているの」
犀花の意識の中に、聖女が現れた。
「迷っている」
犀花は、答えた。自分の中にある巫女の魂が揺らいでる。
「何としてでも、あなたを留めたかったんでしょうね」
聖女は、犀花を見つめた。
「私でも、どうしようもない事がたくさんあった。犀花。彼が、あなたに残した思いを、無駄にしない為には、どうしたらいいと思う?」
「私と彼の問題でしょうか?」
「全ての始まりは、何処にあったの?」
「巫女の私が、彼と離れられなかった事。私が先に逝ってしまった事。」
「あなたは、どうして、亡くなったのかしら?」
「彼を傷つけられた事が、耐えられず、霊力が制御できなかった」
聖女は、微笑んだ。
「彼は、それを知らない」
「白夜狐は、そこにいたのでは?」
「彼は、あまりに痛みに、気を失っていた。彼が、視力を取り戻したのは、霊力のお陰だけど、それも、ずっと、後の事よね。彼は、闇の中で、八百万の神を呪った。」
犀花は、一瞬、目眩を感じた。
「呪いに駆られた彼を救うのは、あなたしかいないのでは」
聖女が、差し出した両手には、溢れんばかりの、たくさんの花々で、満ち溢れていた。
「犀花。終わりではない。また、解き放たれ、始まるのです。まだ、終わっていない」
「でも!」
たくさんの青白い光が、白夜狐に降りかかろうとしている。これを止める事はできない。白夜狐は、逃げる事もなく、受け入れようとしている。
「私は・・・」
犀花は、叫んだ。解き放たれた光が、止まってくれる事を祈りながら。宙に、舞った光は、その先から、白く光を変え、大粒の雨粒屁と姿を変えていった。
「雨だ・・・」
降り注ぐ光に覚悟を決めた、白夜狐の顔を、大粒の雨が流れていく。
「できないよ・・」
犀花は、両膝をついた。
「このまま、白夜狐だけを死なせるなんて、できない」
地に付く両腕を伝い大粒の雨が流れていく。
「時間を戻す事は、できないけど。白夜狐。あの時、私には、勇気がなかっただけ。今なら、その覚悟は、ある」
犀花は、手にした剣を自分の、胸に突き刺した。
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