酒涙雨で終わりにしようか?君の心臓を天に捧ぐから。

蘇 陶華

文字の大きさ
6 / 75

窓の外に彩雲見たなら

しおりを挟む
結局、犀花は、次の日の授業の準備を一人で行う事になった。こんな事は、よくあったし、あまり、早く自宅に帰りたくないので、嫌がる事もなく、引き受けたいた。後片付けを行い、明日の授業に使う道具を1人で、準備していると日暮れは、早く、校舎に夕闇が迫っていた。
「結局、暗くなってしまう」
昼間は、賑やかな校舎も、日が暮れてくると不気味な雰囲気が漂う。前日にあんな事があると、1人でいるのが、少し、不安になる。
「護身符を与えてもね」
ふと、顔を上げると真っ黒な猫が、窓の隙間から、顔を覗かせている所だった。
「何を考えて、ばら撒いたかは、知らないけど」
黒猫は、窓の隙間から、容易く教室に入ってきた。
「自分のした事がわかっているの?」
そう言うと、フワッと床に舞い降りる。
「あなたは、何?」
犀花は、後ろに後ずさると、猫は、構わず、犀花の足元に、近づいてくる。
「大人しくするように、言われなかったの」
猫の背中の毛は、逆立ち怒っている様だった。
「あなたの言っている事は、わからない」
猫は、犀花に、飛びかかろうと牙を剥いていた。
「あなたは、本来なら私の使い魔になる筈でしょう?」
殺気立つ猫に、構わず、犀花は、言った。
「誰の使い魔?」
話しかける猫に臆する事なく、犀花は、明日の準備を終え、自分の荷物を片付け始めた。
「私が、護符を渡す事を嫌がる人は、何人もいるけど、使い魔に言われるとは、思わなかった」
犀花は、カバンの中から、茶色い皮の袋を取り出した。
「簡単なルーン遊びよ。使い魔を持つ呪い手が、身近にいるとは思わなかったけど」
犀花は、茶色い袋から、一つの小石を取り出すと、黒猫の額に投げつけ、呪文を飛ばした。
「不味い!マスター」
背後から、昨夜の声が響き、振り向くと教室の壁に大きな蜘蛛の影が浮かぶ上がっていた。
「今の力では、無理だ!」
猫の額めがけて飛んだ小石は、軽くかわされ、床に落ちて弾いていった。飛び上がる黒猫は、跳ね上がり、瞬く間の、巨大な三つ目の猫の化け物になった。
「無駄に、使うではない」
黒猫の口は、耳まで、裂け、口の中からは、生臭い息が上がっていた。
「マスター」
黒猫が、飛びかかろうとした時に、犀花との間に、黒い柱が突き刺さった。大きな蜘蛛の足だった。
「何なの!」
黒猫の存在より、大きな蜘蛛の存在だった。自分をマスターと呼び、庇うように間に入ってきたのだ。
「あなたの今の力では、叶わない。早く、逃げて」
犀花は、あまり昆虫は、得意ではない。が、全身黒光する苦手な生き物が現れ、犀花を助けている。
「どう言う事?」
逃げる事を忘れ、立ちすくんでいると、
「先急ぐなよ」
昨夜の少年が、蜘蛛の足元に立っていた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~

放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」 大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。 生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。 しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。 「すまない。私は父としての責任を果たす」 かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。 だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。 これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。

わたくしがお父様に疎まれている?いいえ、目に入れても痛くない程溺愛されております。

織り子
ファンタジー
王国貴族院の卒業記念パーティーの場で、大公家の令嬢ルクレツィア・アーヴェントは王太子エドワードから突然の婚約破棄を告げられる。 父であるアーヴェント大公に疎まれている―― 噂を知った王太子は、彼女を公衆の面前で侮辱する。

【 完 結 】スキル無しで婚約破棄されたけれど、実は特殊スキル持ちですから!

しずもり
ファンタジー
この国オーガスタの国民は6歳になると女神様からスキルを授かる。 けれど、第一王子レオンハルト殿下の婚約者であるマリエッタ・ルーデンブルグ公爵令嬢は『スキル無し』判定を受けたと言われ、第一王子の婚約者という妬みや僻みもあり嘲笑されている。 そしてある理由で第一王子から蔑ろにされている事も令嬢たちから見下される原因にもなっていた。 そして王家主催の夜会で事は起こった。 第一王子が『スキル無し』を理由に婚約破棄を婚約者に言い渡したのだ。 そして彼は8歳の頃に出会い、学園で再会したという初恋の人ルナティアと婚約するのだと宣言した。 しかし『スキル無し』の筈のマリエッタは本当はスキル持ちであり、実は彼女のスキルは、、、、。 全12話 ご都合主義のゆるゆる設定です。 言葉遣いや言葉は現代風の部分もあります。 登場人物へのざまぁはほぼ無いです。 魔法、スキルの内容については独自設定になっています。 誤字脱字、言葉間違いなどあると思います。見つかり次第、修正していますがご容赦下さいませ。

「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある

柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった 王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。 リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。 「わかりました。あなたには、がっかりです」 微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。

つまらない妃と呼ばれた日

柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。 舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。 さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。 リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。 ――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。

【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます

腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった! 私が死ぬまでには完結させます。 追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。 追記2:ひとまず完結しました!

処理中です...