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生まれながらの穢れなき姫
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風蘭の着てる衣服を剥ごうとした紗々姫は、ハッとして瑠璃光の顔を見下ろした。
「これは、どういう事?」
衣服を剥がなくても、その体つきを見ればわかる。術に侵された身体からは、鬱々とした邪気が、流れ出ているが、丸みを帯びた体つきや、こんこんと眠り続ける横顔は、どこにでもいる若い娘のそれだった。
「女性」
そう呟くと、振り向いた顔は、怒りに満ちていた。
「じょ・・・・女性が絡んでいた?私がいない間に、女のせいで?死にそうになった」
瑠璃光は首を振った。
「殺すな。まだ、死んでいない」
「だけど・・・この子は」
紗々姫は、言いかけて首を振った。
「長い間、邪気を植え付けられていて、元に戻れないかもしれない」
「その為に、君を呼んだ」
「私でも、できない事はある」
紗々姫は、紫鳳を、床に座るように、手で合図を送ると、背中から幾つもの羽を抜いていった。
「元々、蛟の精は、大陸から来たものと聞いているけど、陽の元の国と、大陸の蛟の対処法が合うか、どうかはわからないの。どこにでも、龍神がいるように、蛟も、存在する。だけど、現れる形が違うように、対処方法は、変わる」
何本か、抜き出した羽の中から、より細く長い物を選び出し、瑠璃光の身体の経絡に沿って、刺していく。
「瑠璃光なら、わかるわね。私の知っている方法は、陽の元のやり方だって」
瑠璃光は、頷いた。
「解毒方を処した漢薬書は、未だ、行方がわからない。対処療法で、やってみるしかない」
紫鳳の羽は、針の様に、瑠璃光の経絡に沿って、刺さっている。
「次に何をするのか、わかる?」
青嵐は、皆の目線が自分に集まったのを感じ、前に進み出た。
「出番か」
「そうだ。。。頼んだぞ、青嵐」
青嵐の操る炎は、勢いはなく、静かに燃え上がる炎だ。掌で、細く渦巻き、天井まで、上がり、やがて、瑠璃光の経絡に刺さった羽根へと燃え移る。激しさは、なく、静かに、燃え上がるというより、氷結していくかのように、羽先から、先端へ。静かに身体の中へと入っていく。
「うっ」
苦しいだろう。瑠璃光は、言葉を発する事なく、表情は、歪んだ。下を向き、堪える姿に耐えきれず、紗々姫は、顔を背ける。
「お前のせいだ」
耳まで、口が裂け、憎々しく、風蘭に向かい呟く。
「何故、こんな目に合わせた」
「紗々姫!」
紫鳳が、怒りをぶつける紗々姫を宥める。
「瑠璃光が選んだ。俺と変わる事も拒んでいる」
瑠璃光の経絡からは、紫の細い煙が上がっていく。額に粒の汗が浮かんだかと、思うと、瑠璃光は力つき、床に倒れてしまった。
「瑠璃光!」
青嵐も紫鳳も慌てて、抱き上げ、寝台に、横にする。
「忌々しい」
風蘭と同じ寝台に横たわるのを、紗々姫は、嫉妬の目で見つめる。
「しばらく、ここで様子を見よう」
紗々姫を宥めるように、紫鳳は、言うのだった。
「これは、どういう事?」
衣服を剥がなくても、その体つきを見ればわかる。術に侵された身体からは、鬱々とした邪気が、流れ出ているが、丸みを帯びた体つきや、こんこんと眠り続ける横顔は、どこにでもいる若い娘のそれだった。
「女性」
そう呟くと、振り向いた顔は、怒りに満ちていた。
「じょ・・・・女性が絡んでいた?私がいない間に、女のせいで?死にそうになった」
瑠璃光は首を振った。
「殺すな。まだ、死んでいない」
「だけど・・・この子は」
紗々姫は、言いかけて首を振った。
「長い間、邪気を植え付けられていて、元に戻れないかもしれない」
「その為に、君を呼んだ」
「私でも、できない事はある」
紗々姫は、紫鳳を、床に座るように、手で合図を送ると、背中から幾つもの羽を抜いていった。
「元々、蛟の精は、大陸から来たものと聞いているけど、陽の元の国と、大陸の蛟の対処法が合うか、どうかはわからないの。どこにでも、龍神がいるように、蛟も、存在する。だけど、現れる形が違うように、対処方法は、変わる」
何本か、抜き出した羽の中から、より細く長い物を選び出し、瑠璃光の身体の経絡に沿って、刺していく。
「瑠璃光なら、わかるわね。私の知っている方法は、陽の元のやり方だって」
瑠璃光は、頷いた。
「解毒方を処した漢薬書は、未だ、行方がわからない。対処療法で、やってみるしかない」
紫鳳の羽は、針の様に、瑠璃光の経絡に沿って、刺さっている。
「次に何をするのか、わかる?」
青嵐は、皆の目線が自分に集まったのを感じ、前に進み出た。
「出番か」
「そうだ。。。頼んだぞ、青嵐」
青嵐の操る炎は、勢いはなく、静かに燃え上がる炎だ。掌で、細く渦巻き、天井まで、上がり、やがて、瑠璃光の経絡に刺さった羽根へと燃え移る。激しさは、なく、静かに、燃え上がるというより、氷結していくかのように、羽先から、先端へ。静かに身体の中へと入っていく。
「うっ」
苦しいだろう。瑠璃光は、言葉を発する事なく、表情は、歪んだ。下を向き、堪える姿に耐えきれず、紗々姫は、顔を背ける。
「お前のせいだ」
耳まで、口が裂け、憎々しく、風蘭に向かい呟く。
「何故、こんな目に合わせた」
「紗々姫!」
紫鳳が、怒りをぶつける紗々姫を宥める。
「瑠璃光が選んだ。俺と変わる事も拒んでいる」
瑠璃光の経絡からは、紫の細い煙が上がっていく。額に粒の汗が浮かんだかと、思うと、瑠璃光は力つき、床に倒れてしまった。
「瑠璃光!」
青嵐も紫鳳も慌てて、抱き上げ、寝台に、横にする。
「忌々しい」
風蘭と同じ寝台に横たわるのを、紗々姫は、嫉妬の目で見つめる。
「しばらく、ここで様子を見よう」
紗々姫を宥めるように、紫鳳は、言うのだった。
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