皇帝より鬼神になりたい香の魔道士

蘇 陶華

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失った守護剣は、どこ?

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「ちょっと、待って」
青嵐は、様子を見ていた青嵐は声を上げた。
「瑠璃光は、知り合いって事?」
瑠璃光は、青嵐の声かけに目を逸らした。
「聞いたか?」
「嫌。。。」
確認したかと聞かれると、そうではないが。
「色々、ここには、因縁があってね。」
「お会いしたのは、あの事があった時以来で」
「ふむ。」
紫鳳は、何かを感じたらしく瑠璃光の肩に触れた。
「来る」
瑠璃光は、頷き、水面のはるか向こうを見つめる。
「誰が、出てくるかは、分からなかったが」
梨王も振り向き、瑠璃光と同じ方向を見つめる。
水面が、ザワザワと泡立つ。空に飛び立つのは、瑠璃光や梨王ではなく、紫鳳だった。背から伸びた長い翼が、空をきる。
「変わらず、荒れているな」
「そうなんです。誰も、彼を止められない。あの日から」
「2本の剣も、朱雀の剣を呼び戻す事はできなかった」
梨王に瑠璃光は答えた。
「陽の元の国に、妖器を集めている姫が、いると聞いたが、そこにはなかった」
「以外な所にあるのかもしれません」
瑠璃光は、次の動きに備え香袋に手を忍ばせていた。水面が、盛り上がり、その力が沸点に差し掛かった時、紫鳳の体は、盛り上がる水面の頂点にあった。
「でた!」
青嵐も、構え、水面に躍り出ようとした時、天から光が走り、水面が割れた。
「出るな!」
瑠璃光は、同時に叫び地を蹴った。光が、水面に届くと同時に、現れたのは、全身が赤黒く血に輝く、翼を持つ龍の姿だった。
「紫鳳!」
瑠璃光は、紫鳳と入れ替わるように、召喚したが、拒否されてしまった。
「だめだ!」
紫鳳は、首を振った。
「かなり、怒り狂っている」
来るなと紫鳳の目は言っている。梨王は、察したのか、水面を操り、紫鳳のいる高さまで、水流を押し上げた。自分が、その先端に飛び乗ると、紫鳳に先ほど、瑠璃光から返してもらった青龍の剣を差し出した。
「気休めにしか、ならないかもしれませんが」
青龍の剣を、手にした紫鳳は、剣先を眉間に突き立てようとした。
「いかん!」
瑠璃光は、叫び香を紫鳳に投げつけた。
「嘘だろう?」
紫鳳は、翼を失い水面に落ちていった。それを確認すると、紫鳳を召喚し、自分と位置を入れ替えたのだった。
「瑠璃光!」
水面に落ちていく瑠璃光。地上に戻った紫鳳は、再度、飛び立とうとするが、赤黒い龍は、水面に落ちていく瑠璃光を、口に咥えてしまった。
「待て!」
梨王は、叫ぶと、瑠璃光を加える赤黒い龍の顔面に、飛び上がった。
「目を覚ませ」
掌から、光の矢を繰り出し、赤黒い龍の顔面に突き刺していき、宙で体を反転させる。その隙を見て、瑠璃光の香が、辺りに満ち、視界が少し、曇ると、地上に降り立つ瑠璃光の姿が見えた。
「姿を現せ!」
梨王が、立つのは、赤黒い龍の頭上。
「朱殷(しゅあん)」
呼び名を叫ばれ、赤黒い龍の封印が解かれた。
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