皇帝より鬼神になりたい香の魔道士

蘇 陶華

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再起動。瑠璃光の術が地に響く。

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紫鳳は、深手な上、瑠璃光からの召喚が無ければ動く事もできなかった。鶴白が、恨みを持ち現れた時も、もしかしたら、青嵐がいなかったら、負けていたかもしれない。が、魔道士の見習いという炎の術師が現れ状況が変わった。勝負は、時の運とも言うが、何度も、瑠璃光と魂が入れ替わり、互いを極知した身体が反応した。離れた地で、瑠璃光が発動した瞬間と青嵐が術を放ち、次に身構える身体が、瑠璃光を呼んだ。炎術に、対抗しようと、鶴白が、氷の刃を召喚すると当時に、香が舞い上がり、白衣を身に纏った瑠璃光が、紫鳳の前に降り立った。
「瑠璃光!」
事の展開を遠目に見ていた阿と吽が声を上げた。
「今度は、何かと暑いな」
瑠璃光は、香が付いた衣服をパンパンと叩き、埃がついていないか、確認した。
「こちらにも、縁があるらしい」
叩きながら、炎術と氷の件で、睨み合う2人の視線に気がついた。
「おや。。お取込み中?私の忘れ物を取りにね」
瑠璃光は、あたりをキョロキョロ見回した。
「重量オーバーだったようだ。紫鳳。遅れるなんて、今まであったか?」
「ない」
紫鳳は、身だしなみを確認し立ち上がる。
「術の精度が落ちたんだな」
「失礼な。容量オーバーは、こいつだ」
髪に手を突っ込むと、中から紐状の生き物を取り出した。
「蛇。。」
事情を察して、紫鳳は、唾を飲み込んだ。
蛇と呼ばれ沙耶姫は、
「蛇と呼ぶな」
飛び跳ね変化を解いた紗々姫の姿が現れた。
「紗々姫様!」
氷の件で、応戦していた鶴白は、現れた紗々姫に、攻撃の手を緩め、紗々姫の手を取った。
「ご無事で」
「もう!」
紗々姫は、鶴白の手を払った。
「お前は、好かぬ。どうして、こうも、邪魔をする?いい匂いがして気持ちが良いのだ。お前とは、違う」
「すみません」
鶴白は、頭を掻いた。
「帰りましょう。皆が心配しています。もうすぐで、姫様の国が出来上がるのですぞ」
「ふむ」
紗々姫は、赤い舌をチラつかせながら言う。
「考えたのよう。私の国を作るより、私は、夫と一緒に国を作った方が良いかと」
すぐさま、瑠璃光の手をとり
「鶴白。わらわは、この者についていくのじゃ!」
「ですから!」
再度、紗々姫の手をとる。
「いけません」
2人のやり取りに、先を急ぎたい瑠璃光と紫鳳は、いつ会話が終わるのかと、困惑して待っていたが、やがて、
「コホン」
咳払いをする瑠璃光
「大陸にいく。どうしても、解決しなくてはならない件がある。来るのか、来ないのか?どちらだ?」
紫鳳は、当然、付いて行く者として、出発する準備を始めた。青嵐は、馬の手綱を取り、瑠璃光の視線を追った。
「なかなかの、術者だな」
青嵐は、鼻の下を擦った。
「同行させてください」
「ふむ」
瑠璃光と紫鳳は、顔を見合わせた。
「役に立つかもしれません」
ぼそっと、瑠璃光に紫鳳っは、耳打ちした。
「まぁ。。今回は、間に合いそうだな」
瑠璃光は、紗々姫と鶴白が、言い争うのを尻目に、香を取り出すと、印を結び両手を交差し、前に突き出した。
「待って!待つのじゃ!」
紗々姫が、瑠璃光に飛びつく間も無く、その場には、鶴白と紗々姫だけが残っていた。
「瑠璃光!」
鼻を垂らしながら泣く紗々姫の声が荒屋にいつまでも、響いていた。
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