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真実の嵐が訪れる
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澪の声を聞くと落ち着く。
僕の声を、新緑の色と彼女は言うけど、僕が彼女に感じるのは、光だった。
彼女は、何年も前に光を失ったけど、もがきながら、生きようとする彼女の姿は、絶望の淵にいた僕に希望を与えていた。
視覚障害?
そんな事は、感じさせない。
何とか、生き抜こうとする姿が、僕には、眩しかった。
だから、彼女が、亡くなった彼に縛られていたなんて、知らなかったし、
僕にとっての、本当の嵐が来るのは、これからだなんて、思わなかた。
僕は、澪との会話を楽しんでいた。
外では、強い風が吹き荒れる。
風の音を怖がる澪。
僕が、そばに居るから。
そう、思っていた。
居るから・・・ではなく、
居たいから・・。
に変わっていく。
僕が、澪との会話に酔っている間に、とんでもない事を寧大は、やらかしてくれた。
僕を失うかもしれない。
友情なのか、愛情なのか、その曖昧な感情の中で、
寧大は、とんでもない事を、YouTubeに挙げていた。
僕と寧大の、YouTubeは、いつも、顔出しはしていなかった。
それは、僕の音楽活動の為だったし、シーイの歌声のみを聞いて欲しかったから。
だから、シーイの偽物は、多かったし、
誰もが、シーイの正体を突き止めたがっていた。
シーイの声に似ていた何人かが、影となって、隠してきたけど、
何を思ったのか、寧大は、僕の姿を、挙げてしまった。
いつも、顔の部分は、ぼかしていた。
誰に、何を言われたのか?
何処に、売ってしまったのか。
シーイの姿は、ネットに晒される事になった。
そして、そのYouTubeの中で、寧大が、僕の事を話していた。
僕と寧大が、どんなに、深く繋がっているか、彼は、熱く語っていた。
僕らは、仲の良い友人ではなかったのか?
次の朝、食事に訪れたレストランで、僕は、知る事になる。
「まさか・・・だよ。君が、あのシーイだったなんて」
レストランで逢った瞬間、榊さんが言ってきた。
「活躍は、構わないけど、君は、どちらがやりたいの」
プロとして、中途半端は、困るとの事だった。
それは、僕の悩む所で、僕は、いまいち、踏ん切れない部分だった。
いつの日か、バレた時には、なんて答えようかと考えていた日があった。
答えが見つからないまま、この日が来た。
寧大は、どうして、僕の前に立ちはだかる?
「正直。僕は、悩んでいます」
「だろうな」
榊さんは、首を縦に振った。
「バイオリンは、天才まで、行かないけど、個性的な引き方だ。オーケストラ向きではないね。だから、君を選んだんだけど・・」
そこまで、話すと、突然、榊さんを後ろから、抱きしめる女性がいた。
榊さんの娘さん。萌だった。
「シーイ。おはよう」
彼女の笑顔が、少し、怖かった。
僕の声を、新緑の色と彼女は言うけど、僕が彼女に感じるのは、光だった。
彼女は、何年も前に光を失ったけど、もがきながら、生きようとする彼女の姿は、絶望の淵にいた僕に希望を与えていた。
視覚障害?
そんな事は、感じさせない。
何とか、生き抜こうとする姿が、僕には、眩しかった。
だから、彼女が、亡くなった彼に縛られていたなんて、知らなかったし、
僕にとっての、本当の嵐が来るのは、これからだなんて、思わなかた。
僕は、澪との会話を楽しんでいた。
外では、強い風が吹き荒れる。
風の音を怖がる澪。
僕が、そばに居るから。
そう、思っていた。
居るから・・・ではなく、
居たいから・・。
に変わっていく。
僕が、澪との会話に酔っている間に、とんでもない事を寧大は、やらかしてくれた。
僕を失うかもしれない。
友情なのか、愛情なのか、その曖昧な感情の中で、
寧大は、とんでもない事を、YouTubeに挙げていた。
僕と寧大の、YouTubeは、いつも、顔出しはしていなかった。
それは、僕の音楽活動の為だったし、シーイの歌声のみを聞いて欲しかったから。
だから、シーイの偽物は、多かったし、
誰もが、シーイの正体を突き止めたがっていた。
シーイの声に似ていた何人かが、影となって、隠してきたけど、
何を思ったのか、寧大は、僕の姿を、挙げてしまった。
いつも、顔の部分は、ぼかしていた。
誰に、何を言われたのか?
何処に、売ってしまったのか。
シーイの姿は、ネットに晒される事になった。
そして、そのYouTubeの中で、寧大が、僕の事を話していた。
僕と寧大が、どんなに、深く繋がっているか、彼は、熱く語っていた。
僕らは、仲の良い友人ではなかったのか?
次の朝、食事に訪れたレストランで、僕は、知る事になる。
「まさか・・・だよ。君が、あのシーイだったなんて」
レストランで逢った瞬間、榊さんが言ってきた。
「活躍は、構わないけど、君は、どちらがやりたいの」
プロとして、中途半端は、困るとの事だった。
それは、僕の悩む所で、僕は、いまいち、踏ん切れない部分だった。
いつの日か、バレた時には、なんて答えようかと考えていた日があった。
答えが見つからないまま、この日が来た。
寧大は、どうして、僕の前に立ちはだかる?
「正直。僕は、悩んでいます」
「だろうな」
榊さんは、首を縦に振った。
「バイオリンは、天才まで、行かないけど、個性的な引き方だ。オーケストラ向きではないね。だから、君を選んだんだけど・・」
そこまで、話すと、突然、榊さんを後ろから、抱きしめる女性がいた。
榊さんの娘さん。萌だった。
「シーイ。おはよう」
彼女の笑顔が、少し、怖かった。
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