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1章
(60)アントニヌス法皇はチート級の速さで逃げる
しおりを挟むウィークスと緋は王の間を
目指して走っていた。
「妖狐族と聖騎士国が同盟したとは
聞いていなかったのだが」
「わたしもウァイトに同盟したとは
言ってない」
「ではなぜここにきてくれた」
「法皇国が許せなかっただけだ。
俺に法皇を殺せと
言ってくれたからかな。
いや、ちがうな。
ウァイトが信頼できる男と
思ったからか、な」
「そうね、ウァイト様は
人を惹きつける魅力があるから」
「法皇を殺して法皇国を
終わりにしよう」
ウィークスと緋は王の間の扉を見つける。
扉の衛兵を一瞬で葬り去る。
「積年の恨みをここで晴らす」
緋は扉を開ける。
「クロルか、侵入者は倒したか」
「残念だったな。クロルは死んださ」
緋が答える。
「妖狐族の緋、
それに聖騎士国のウィークス!」
「お前らは戦争してたのではないか。
緋、妖狐四天王を殺したのは
聖騎士国じゃ。
敵討ちはその女じゃ」
「わたしがウィークスに
勝てると思うのか。
ウィークスとはやり合いたくはないな」
代わりにお前が相手をしてくれ。
法皇よ」
「そうじゃ、緋、お主に領地を
返そうと思っておったのじゃ。
その領地も含めてお主たちを
国として認めよう
どうじゃ、」
「お前たちに認められても
うれしくない。
自分たちの価値は
自分たちで決める」
「死んでもらおう」
「衛兵よ、奴らをやれ!」
妖狐とウィークスは一瞬にして
衛兵を殺す。
「まっ、まて、
最後に神に祈りを捧げたい」
「いい心構えだ。
その時間はくれてやろう」
法皇は漆黒の宝珠を取り出す。
「闇の聖霊アルプよ、いでよ」
あたりは真っ暗になる。
「なに!」
緋とウィークスは戦闘体勢に入る。
「さらばじゃ」
そういうと法皇は闇に飲み込まれる
消えていく。
「まて!」
声が王宮内に響くだけであった。
・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・
「シンドラーよ、クロルが死に、
妖狐族とウィークスが
わしの元まで来た。
闇の宝珠で聖霊アルプを呼び、
中央帝国へ避難した。
お主らも中央帝国へ向かうように」
聖霊アルプの力のおかげで
アントニヌス法皇は中央帝国へ
ワープをしていた。
アルプはワープ機能や通信機能が
備わっている。
「法皇様が危機にさらされた。
それもなぜウィークスが
向こうにいる。
妖狐族もなぜ……」
「アウグスト、中央帝国へ向かうぞ」
・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・
「誰だ!」
ライトの前に突如、
アントニヌス法皇が現れる。
「おぉ。ライト殿。
わしじゃ、アントニヌスじゃ
聖騎士国に
殺されそうになったのじゃ。
トクヤ王からいただいた
闇の宝珠のおかげで生き延びたわ」
前のライトの記憶を
インストールされたライトは
目の前に現れた男が誰だかわかる。
「アントニヌス法皇、どうされた」
「聖騎士国じゃ、
聖騎士国が攻めてきたのじゃ、
クロルも殺された。
あやつらを殺してくれ。
同盟してる中ではないか。
法皇国を取り返してくれ」
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