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1章

(54)ウィークス、胸を鷲掴みにされる

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「ぱりんっ」

何かが割れる音がする。

と同時に光が押し戻され収縮していく。

無数の闇のひとつから声がする。

「やはりおまえはつよいのぉ」

「なぜ効果がない。
 
 セオリーオブリレイティビィティは
 闇をも食い尽くす最高の奥義だ。

 闇属性にも効くはずだ」

「ようやく言葉を発してくれたの。

 驚くのも無理はない。

 普通ならとっくに死んでおるわ。

 闇の宝珠が私を守ってくれたのだ」

「闇の宝珠は存在しないはずじゃ......」

「対外的にはそうじゃよ。
 聖騎士に対抗するためのものだから
 秘匿にされておるのじゃ。

 これでおまえが死ねば
 宝珠も壊れた甲斐があったものだ

 では、死ね」

聖霊召喚  ランパス
闇聖魔法陣 ブラックネスガーデン
闇聖魔法  シャドウ

聖霊召喚による闇魔法「トゥルーダークネス」を発動する。

ウィークスは闇の宝珠が飛散した影響で
聖力が練れない。魔法が発動できない状態にある。

漆黒の闇がウィークスを覆う。

「うぐぅ... 意識が遠のく......」

「安心せい。それではまだ死なん。

 おまえの自由を奪うだけだ。

 じっくりとその身体を
 楽しませてもらってから殺すとしよう

 クフフフフフ。
 ウィークスの身体を味わえるとは

 戦争よりも魅力的じゃな」

「ぅぅ..ぅぅ...」

「おっと、自爆聖魔法は唱えさせんよ」

漆黒の闇がウィークスの口を覆う。

「ぅぅ...... ぅ...... ......」

「ようやく自由が奪えたかの」

「意識だけはのこしているから
 おまえも楽しめるぞ」

闇がウィークスの衣を剥ぎ取る。
上半身がはだける。

クロルはウィークスの乳房を鷲掴みにする。

「思ったより大きいではないか。

 鍛えてあるだけあって形も良いのぉ」

「...... ...... 」

声には出せないウィークス。

(大きいの?大きいの?私の胸は大きいの?)

ウィークスは胸に関してポンコツである。

「では唇をいただこうとするかの」

「...... ...... 」

(いや!いやぁ!唇だけはぁ!)

「ぐあぁ!」

「誰だ!」

「この屑め! 女性に対して許されざる行為。

 成敗してくれるわ」

現れたのは妖狐族の緋だった。

「すまぬ。ウィークス。

 おぬしの団長はひにちは指示したが
 時間は知らせてくれなんだ。遅くなった」 

「法皇国よ、いままでよくも我が妖狐族を
 もてあそんでくれたな。

 先祖代々の恨みを晴らしてくれよう」

「妖魔招来の術」

真っ赤な狐の妖魔が現れる。

妖魔はクロルに襲いかかる。

「プロテクトシャドウ」

闇の防護壁を張り巡らせる。

妖魔はいとも簡単に防護壁を打ち破り
ウィークスを救い出す。

「闇属性では妖術には勝てないだろう

 異質には異質を当てるのが鉄則だ」

「ウィークス話せるか?」

「ええ、ありがとう。助かったわ」

「これを羽織れ」

緋は自らに巻いている絹の衣をウィークスに渡す。

「ありがとう」

ウィークスは上半身を絹の衣で覆い隠す。

「ここは私が化けの皮を剥がそう」

「九尾の狐 玉藻前の術」

九尾の狐が漆黒の闇をひとつひとつ払いのけて
切り裂いていく。

最後の一つを切り裂き、払いのける。

そこにはクロルがいる。

「ホーリースラッシュ」

ウィークスにとって闇が機能しなければ
敵になる相手ではなかった。

「くそぉ!なぜ妖狐族と聖騎士国が......」

クロルはいとも簡単に息絶える。

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