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1章
(29)妖狐族に対する作戦は丸投げ
しおりを挟む魔法の練習も終え、
寝室で魔法陣の本を探す。
「魔法陣、魔法陣、、、と」
転生したからこの世界の言葉や文字は
一応理解できるがまだ慣れない。
まだ転生して3日目だというのに
日本語が恋しいと思ってしまう。
すると驚いたことに日本語が
目に飛び込んでくる。
『完全異世界マニュアル』
「!!! 日本語だ」
うれしさのあまりすぐにその本を
手に取る。
最初のページをめくると
10箇条が書かれてある。
そしてその詳細が書かれてある。
途中まで読み、
これは意識して取り組まなければと思う。
そして我に返る。
「魔法陣の本も読みたい!」
そう思うと魔法陣の本を探す。
夜中遅くまで魔法陣の暗記に
いそしんだウァイトであった。
そして次の日は闘技場で一人、
魔法と魔法陣で
格闘して楽しく過ごしていた。
楽しく過ごしていたはずなのに.......
「訓練の最中に失礼します」
そういうと第三秘書のヴィーヌスが
そこにいた。
「南西の妖狐族に不穏な動きがあります。
至急、エクスター会議を開きたいと
思います」
外務関係の行動を決める会議のことを
エクスター会議。
内務関係の行動を決める会議のことを
インター会議
両方を兼ね備えた大事な会議を
ホール会議と言うそうだ。
会議場にいくと、第五師団長スィーを除く
五芒星が鎮座している。
さらに七司聖と呼ばれる7人のうちの1人が座っている。
国内外の重要任務に就く七司聖の1人である情報局長のドキである。
ウァイトもヴィーヌスに促され席に座る。
情報局長であるドキが話を開始する。
「西南の妖狐族に我が国を狙う兆候が
見え隠れしております。
我が局の潜入捜査員により軍を動かす
様子があるとの報告がありました」
ドキはつづけて話す。
「妖狐族の主要な人物がウァイト様と
ウィークス様がお亡くなりに
なったことを知っておりました。
その情報を元に我が国が弱体化したと
思い狙い始めたかと思われます。
念のためにスィーには妖狐族の国が
接している地域の領主なので
都市アグレライトで待機して
いただいております」
「ウァイト様と私の死去は極秘にされてい
たと聞きましたがどうして妖狐族が
その情報を持っているのでしょうか?」
ウィークスは記憶を取り戻したようで
質問を投げかける。
「どうして情報を得たのかは
わかっておりません。
団長と副団長の件が外部に漏れるとは
考えられません。
今、内部にスパイがいないかどうかを
調査しております」
情報局長のドキは仕事が早くて丁寧で
有名らしい。
その名の通り、できそうな男である。
そしてイケオジでもある。
「我が国の団長と副団長が一度
お亡くなりになったことは事実です。
妖狐族が情報を仕入れた可能性も
否定できません。
早急に対応をした方が良いかと
思います」
国防大臣である第3秘書のヴィーヌスが
話かける。
ウァイトは自分では何も決められないと
黙し続けている。
(俺に話はふらないで~)
と心の中ではドキドキしている。
そう思っていると魔法の言葉を思い出す
「私がいつどうなるかわからないことが
この前わかった。
まずは私以外で対策を立てなさい」
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