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“mellow time”~いつか夢で~
“mellow time”~いつか夢で~<45>
しおりを挟む「うん、したい♡♡ 私から出来ることはあんまりないかもだけど、観てる間も後ろからぎゅーってしててくれる?♡」
イチャついている判定はこの状態でも余裕で入ると思うし、不足はない。何ひとつない。
――けれど、彼はまだ遠慮しているのか、着ているもの同士が若干重なっているだけ。もっと密着してほしい私は直談判に打って出た。
「俺が一方的にちょっかい出すことになるのはいいんだけどさ♡ 寝っ転がって後ろからぎゅーって、こんな感じ……でしょ?♡♡」
スマートフォンが枕に置かれたとおぼしき音が聞こえたあと、長い腕が回され、身体の大部分が触れ合った。
「ん……♡ うん♡ そう♡♡ 鏑木くん、あったかいね……♡♡」
咄嗟に誤魔化したけれど、鏑木くんは鋭いからわかってしまっただろう。最初に上げた声が嬌声めいていたことに。
<千尋side>
「あったかい?♡♡ 外暑いからって涼しくしすぎたかな?♡ ……でもさ、男が女の子の背後から横になって抱き着いてるんだよ?♡♡」
――――今の聞いた?♡♡ 俺はすでにあったかいどころか体温上がりすぎて大変なんだけど♡ 危機感が足りない紗世ちゃんには、このへんでちょっとお灸を据えてあげないとかな?♡
「服着てるだけで測位みたいな恰好……って気付いてなかった?♡♡ 俺の理性、自慢じゃないけどめちゃめちゃ脆いし、こんなことしてたらお腹苦しいの消える前にずぽずぽされる可能性高くなるよ?♡ そこんとこちゃんとわかってる?♡♡」
とは言ってみたものの――――。あれから時間も経ってるし、消化も進んできたんじゃないかと思うんだよね。
『甘いものは別腹』なんて可愛く笑って、フルーツやホイップクリームがてんこ盛りの煌びやかなパフェを締めに食べる彼女のことを、隣で何度も見てきた俺だからこその観点かもしれないけど。
――――『それは付き合うより前のことじゃないか。後方彼氏面するな!』って? それはそうかもしれないけど、どんなに吠えたって、負け犬の声は俺には届かないよ?♡♡
「くっつくとしたくなっちゃうの?♡♡」
顔は見えないけど、少し間が空いたのは驚いてフリーズしてたか、なんて返せばいいか考えてたかとか、そのあたりが理由かな?
「なるよ、そりゃ♡♡」
それにしても、くっつくとしたくなっちゃう人間代表みたいな子がそんな質問をしてくるとはね♡ 自分と他人を切り分けられて偉い偉い♡
採点が甘すぎるって? ――当然だろ。よっぽどのことがなきゃ、満点以外はつけないよ。
「……でも、先週は我慢出来てたよね?♡」
時間稼ぎのつもりかな?
「先週はね?♡ でも、今回もそうとは限らないでしょ♡♡ この体勢から下着ずらして突っ込むなんて簡単だよ?♡♡」
スカートの裾を軽くつまんだら、薄い肩が震えた。
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